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ONEPIECE 966「ロジャーと白ひげ」

ついに出会った、最強の海賊と天下無双のサムライ。
しかし血気に逸るサムライには「強者」の強さの「質」を、瞬時に見極めることはできなかった。


刀を合わせることもできず、ひとなぎでぶっ飛ばされるおでん。


何が起きたのか理解することもできず、ロジャーのもとへ駆け戻ると、そこではロジャーと白ひげの「本気」の戦いがはじまっていた。

初対面いきなりの刀合わせで、おでんと白ひげは互角かと思われたが、白ひげとロジャーの間に交わされる攻撃は、先のおでんに対するものとはレベルが違っていた。


そもそも、出会いのときの白ひげは、見聞色の覇気でいち早くおでんの「ヤバさ」に気付いていた。
現れた男が、考えるより先に体が動くタイプ、話が通じないタイプと察知したものの、白ひげとしては船が難破して見知らぬ国の軒先を借りている身、無闇に敵を増やすべきではないと判断して、防戦に徹したのかもしれない。

翻って、白ひげとロジャーの戦いは、互いを知り尽くした「殺し合い」だ。一秒たりとも気が抜けない命をかけた「全力」の応酬である。

話は少し横道に逸れるが:
おでんも驚いた、刀同士が触れ合わない凄まじい覇気の攻防は、さすが全盛期のレジェンドふたりと言うよりないのだが、「触れずに当てる覇気」といえば、現代のここ数日、ルフィが修得せんとしていた技術に通じるものと考えられる。
しかし、全盛期のおでんですら想像を絶する域の「流桜=覇気」を、知識だけでもヒョウ爺が認識できたものか、さらに、今の老いさらばえたヒョウ爺がそれを他人に伝授できるものかは、はなはだ疑問である。

ヒョウ爺のレクチャーは、あくまでヒント・着想を与えるに過ぎず、あとはルフィのポテンシャルに望みをかけるしかないようだ。
所詮は付け焼き刃なので、ロジャーや白ひげほどの圧倒的強さはないが、ゴムの身体を活かした、ルフィならではの「弾く覇気」の応用、これすなわち「ギア5th」に期待しよう。

〜閑話休題〜

白ひげは、12年前に「ゴッドバレー事件」で、所属するロックス海賊団をロジャーに壊滅させられている。
ロジャーは、ロックス打倒のために一部の海兵と共謀するという、ともすれば「海賊の風上にも置けない」と烙印を押される行為をしておきながら、その煽りをくったであろう白ひげとの間に、遺恨が残っている様子はない。そこには、ある種の信頼があり、互いの実力や思想を認めあった好敵手といった趣きだ。

そもそも「家族」に憧れがある白ひげが、仲間殺しが日常的に行われていたロックス海賊団にどういう思いを持っていたかは定かではない。
海軍の認識では、「ガープがロジャーと協力して・・・」とだけあるが、そこにはロックス内部から白ひげの協力もあった可能性は否定できない。

ロックスの次の時代の大海賊ふたり。
その戦いは三日三晩続いて、その果てに・・・


すっかり雪解け。宴会がはじまった。
ちょっと、先日のカイドウvs.ビッグ・マムの戦いの顛末に通じるものがあるな。


さて、ロジャーの余命は残り1年足らず。


「世界一の海賊団」を目指して、「最後の島」を求めるロジャーは、歴史の本文を読めるおでんを欲した。

いくらロジャーが土下座して頼もうとも、家族・弟分と認めたおでんを「物」のようにやりとりする白ひげではないが、「物」ではない分、おでん自身の意思がある。それは尊重されるべきと考えたか…


不本意ながら、おでんの1年間のレンタル移籍を認めた。

その際、イゾウは


「この船が好きだから、ここでおでんの帰りを待つ」と言い、モビーディックに居残った。

・・・ はぁ?

結局、イヌネコはおでんにこっそりついて行き、イゾウひとりが白ひげ海賊団に残ったわけだが、もともとイゾウは、おでんを止めるための目付役として同乗していたはずだ。
たった4日間のつきあいのよく知らぬ海賊の船、しかも前人未到の危険な航海に、細君跡取りとともにおでんが旅立つというのに、イゾウが残る理由が「この船が好きだから」だと? 意味がわからんわ。

イヌネコは、ゾウでロジャーやおでんに「ロード歴史の本文」を見せるイベントが残っているし、おでんとともにワノ国に戻って、おでんの最期を見届けるのであろうが、イゾウ… これ、今生の別れだろ。

白ひげの船に残って為さねばならない役割を与えられたでもなく、おでんの「自由にやろうぜ」という言葉を真に受けたのだとしたら、イゾウの忠義はその程度のものかと思わざるを得ないな。

考えられるとしたら、ロジャー側から人数を制限されたか、でなければ、


おでんが手にしている「文書」のようなもの。これに意味があったのかもしれない。やはりおでんから何か役目を任されたのかもな。

かくして、おでんの旅の第二幕がはじまった。


あっという間にロジャーの一味とと打ち解けたおでんは、


空島の大鐘楼に、ロジャーの言葉を刻む。


おでんの自著による冒険記録。これはロジャーの旅の謎を紐解く重要な証言の塊だ。さぁ、ロジャーの夢と野望の果てに、おでんはともに何を見るのか。

これまでの例に倣うと、あと2回くらいで回想は終わるらしい。流石に今回はもうちょっと続きそうな気もするけど…
ロジャーの旅の顛末は、おでん視点の回想ではすべて語られることはないだろうが、これまで不明だった事柄に合点がゆく情報がきっと含まれている。

回想が終わると、すぐさまオダッチが描きたくて描きたくてしょうがない討ち入り編に突入するそうだし、もう、僕はワンピにここ何ヶ月もボルテージ上がりっぱなしだ。年明けが待ち遠しい。

さて、今回気になった点をいくつか。


13歳のシャンクス・バギーと、14歳のティーチ。

ティーチは、貧しいみなし児という身の上に思うところがある白ひげが保護したとて不自然はないんだが、シャンクスたちは戦力としてはまるで役に立ちそうになく、かといって特段ほかに取り柄があるようにも見えない小僧が9歳以前からロジャーの船に乗っている。

ちなみに、今までそんな風に描かれていた記憶はないが、シャンクスの麦わら帽子がちょっと「ブカブカ」に見えるのは、やはり誰かからもらった帽子であることを示唆しているんだろう。

仮にこれがロジャーから託されたものだとしたら、ロジャーがそうしたことには理由があっただろうし、それはシャンクスに何らかの素質・適性があったと考えられるが、バギーは単に「面白そう」だから拾った、くらいしか想像ができない。


あとは・・・
偉大なる航路の「記録指針」の最終地点「水先星島ロードスターとう」に、ロジャーがたどり着き、そこでラフテルの存在を知り、旅をやり直したのが13年前らしい。シャンクス・バギーは13歳・・・
ふたりが、ロジャーたちが水先星島で拾った赤子だったりすると、


この「赤ん坊なんて久しぶり」「昔を思い出す」という不自然なセリフに説得力が出る。
ラフテルの手掛かりに何らかの形で関わっているのかもしれないな。

次にティーチ。
ティーチは生まれてこの方一度も眠ったことがないそうな。


夜眠らないから「人生倍楽しい」とは、明らかに


440話でエースが語った「人の倍の人生」を想起させるように仕掛けられている。
いつからかは不明だが、ティーチは体の構造が「異形」。現代ではそれは旧白ひげ海賊団のクルーなら知ってて当たり前のこと。
バギーの言う通り、「人生倍楽しい」なんて単純な話ではなく、この時点ですでに人として異常、警戒するべき化け物だ。

そして最後に、


ロジャーのこのセリフ。


これも585話でルフィがエースとサボを呆れさせた宣言と、おそらく同じことを言っているんだろう。


聞いたふたりの反応も同じだ。絆創膏の位置もよく似てるww
この相似こそ、シャンクスがレイリーに語った、「ロジャーの「あの言葉」と同じことを言うガキ」のことに違いない。いったいどんな途方もない宣言をしたのか。


また、それを聞いたおでんは「今日2度目のド肝を抜かれた」と書き残しているんだが、おでんがロジャーの強さに驚いたのは4日前のこと。ではこの日の一度目の「ド肝を抜かれた」事柄とはいったい何だったのだろうか・・・。

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