前回、本編の内容とほぼ関係なく僕が長々と書いた麦わらの一味の「未来予想図」は、僕的には十分あり得る斬新な発想だったんだが、いやぁ… あそこまでまったく賛同が得られないとは思ってなかったわ…。
まぁ、こういう提言は記録に残してさえおけば、後で思い出した頃に引っ張り出してネタにすることもできるし、撤回して新たな提言を出すとしても、それもまたネタとして面白いだろうから、しばらく保留することにしよう。
│
さて、光月家の旗の下に集まった5000人超の反オロチの侍たちは、錦えもんと傳ジローが率いるニ群に分かれて進軍し、主戦力である赤鞘の侍を乗せたローの潜水艇は、計画通り鬼ヶ島の裏側へ回り込む。
段取りを綿密に打ち合わせても意味がないどころか、むしろ段取りの足枷になりかねないと判断された麦わらの一味とキッド海賊団は、ローの予想通り、策を弄することもなく正面から進んだようだが、
いつの間にかシレッと居なくなっているキッドたちも、それを追ったルフィもゾロも、まだ大きな騒ぎを起こしてはいないらしく、ナミたちの心配も、ローが半ば期待した陽動としての役割も現実のものとなっていない。
ただ、空を飛んで先に鬼ヶ島に向かったはずのカン十郎も、まだオロチの元にたどり着いておらず、オロチ自身も事前の工作に絶対の自信があったのか、すべて終わったと安心しきっているらしいので、まだ討ち入りが「奇襲」として成功する可能性が十分に残されている。
カン十郎が、作戦の失敗をまだオロチに報告できていないことは少々意外だったが、内通者が誰なのかはカイドウすら知らなかったみたいだし、鬼ヶ島において、今のカン十郎は敵と見なされるため、慎重に行動しないといけなかったのだろう。…手遅れか
緊急時だというのに、これまで情報伝達に使っていた伝書雀(?)を使わないのは、たとえば城のオロチの居室であるとか、予め決められた場所へしか往き来できないからなのかもしれないな。
│
それはそうと、今回のメインはカイドウ側の(というかカイドウ個人の)事情と、それを取り巻く部下たちそれぞれの立ち位置。
カイドウの「息子」とやらは、ヤマトというらしい。なんともワ風で意味深な名前だ。
ちなみに「海道一の弓取り」などでいう「海道」とは東海道のことなので、ヤマトという名前がワノ国 ≒ 日本におけるスケールを現しているなら、カイドウよりも中央集権的で規模が大きいことを意味しているのかもしれない。
カイドウはバカ息子と呼んでいるが、名前からして息子に寄せた期待値の高さが伺い知れる。
どうやらカイドウは、この大々的な宴の場でヤマトに何かをさせるつもりらしく、それがカイドウの跡目襲名なのか、逆に追放なのか、それともシャーロット家から嫁をとるのか、いずれにせよヤマト本人が望まない内容である可能性が高い。
ともあれ、ヤマトが宴に現れないと話にならないらしく、そのために気を回したキングが飛び六胞を招集したのだという。
つまり、力ずくだろうと、説得だろうと、飛び六胞以外の者には、ヤマトを連れてくる事が不可能に近いことを意味してるのだろう。
カイドウは、大看板三名への挑戦権を賞品として、飛び六胞にヤマトを連れ戻す指令を下した。
│
実力がすべての百獣海賊団で、飛び六胞の特にササキとフーズ・フーは、大看板の存在が気に入らないらしい。
フーズ・フーは初見の印象が「ゲダツに似てるかも…」だったんだが、髪の色が違うし翼も生えていないし、元海賊団の船長だそうなので、それはなさそうだ。ササキは魚人っぽく見えるんだが、まだ背びれや水かきは確認できていない。
百獣海賊団は動物系能力者を軸とした集団だが、カイドウが龍なのはちょっと置いといて、大看板は恐竜・翼竜・マンモス、飛び六胞ではドレークとページワンが恐竜と、それぞれ古代種だ。他の4人も古代種で固められているとしたら、T-REXは誰だろうな。
恐竜とは限らないから、アノマロカリスとか三葉虫とか始祖鳥とかでも面白いかも…。
│
百獣海賊団では、カイドウに次ぐ権力階級が「大看板」だが、ドレークを除く飛び六胞のメンバーは皆、キングにも負けない自信があるらしい。
たとえるなら、「飛び六胞」は実力本位の独立実行部隊。「大看板」というのが役職だとしたら、組織の運営や部下の管理など政治的な能力が必要とされるんだろう。
「実力だけなら自分の方が上」と考える跳ねっかえりがいても不思議ではない。
飛び六胞の面々には、カイドウへのリスペクトしかないようなので、百獣海賊団ではなく、カイドウ個人の直属なのかもしれないな。
大看板の下の序列としては、まず真打ち。彼らは基本的に「選ばれたギフターズ」であり、その配下にSMILE能力者の「ギフターズ」、SMILEを食ったが能力を得られなかった「プレジャーズ」、雑兵の「ウエイターズ」と続く。
百獣海賊団では、雑兵で見込みがある者や手柄を立てた者がSMILEを食す栄誉(?)を与えられ、そこでめでたく能力に開眼すると戦闘力を増す、すなわち地位が向上すると思われる。SMILEありきの出世街道、SMILEありきの序列が出来上がっている。
ホーキンスやドレークのような外様の場合、例外的に職位を与えられることもあるようだ。(アプーの立ち位置が気になるな)
そんな中、序列の判断が難しいのがナンバーズたちだが、まず、奴らは何らかの能力者と考えて間違いないだろう。だが、一般兵たちが敬意を払う様子がないところから、真打ち以上の権威を持たないと思われる。
では「ナンバーズ」とは何者なのか。
他の考察サイトなどで見た意見では「ナンバーズは覚醒したSMILE能力者」ではないかというものがあった。僕もそうかな…と考えていたんだが…
いや・・・あれあれ・・? ちょっと待て。
20年前の回想にナンバーズっぽいの出てたよな。SMILEって、そんなに前からあったっけ?
ドフラミンゴがドレスローザに舞い戻り国を乗っ取ったのが10年前、トンタッタ族にSMILEの栽培をさせはじめたのはそれ以後で、
カイドウたちがSMILEをワノ国に持ち込んだのは数年前だという。
さらに言うなら、SMILE製造に必要なSADを世界でただ一人精製できるシーザー・クラウンは4年前まで政府の科学者だったし、捕まったり紆余曲折を経て汚染されたパンクハザードへ戻ったのは3年前。常識的に考えてSADを作りはじめたのはその後のはずだ。
ってことは、シーザーが関与する前に、別の科学者が手掛けていた「SMILEのプロトタイプ」の被験者だろうか。
見た目が禍々しいけど、明らかに知能低そうなんだよなぁ・・・
│
さて、今のところ、おとなしく宴の間までやってきたルフィだったが、
おしるこを足蹴にする下っ端を見て、お玉との約束を思い出した様子。
暴れ出しそうな予感だが、こんな敵のど真ん中でただひとり、おっ始める気か。
いや、ルフィらしいけど。
│
ってところで、次回は休載だ。
コロナ騒動の中で執筆環境を熟慮した結果、アシスタントの人数を減らし、免疫力を低下させないように休息をたっぷり取りながら描くと、執筆のペースダウンは避けられないそうだよ。
まぁ、オダッチに倒れられても結局困るのは僕たちファンだからな。これは仕方ないよな。