サイトアイコン 我思う故に・・・新館

ONEPIECE 983「雷鳴」


ルフィvsうるティ

根っから不敬不遜のふたりが出会った。
ふたりとも相手が誰であろうと譲らないマイペースな輩で、通常、相手を不要に警戒したり過大に評価したりはしないのだが、頭突き一発を交わしただけで、互いに相手のヤバさを察知したようだ。

ルフィは舐めてかかったことをわずかばかり反省し、うるティは本気モードのスイッチを入れた。


うるティは、リュウリュウの実(古代種)パキケファロサウルスの能力者。T-REXではなかったな。


パキケファロサウルスといえば、ジョジョ第4部の変態ギタリスト音石明こと“レッドホットチリペッパー”もパキケファロサウルスをモデルにしたといわれる、デコっぱちのブサイクな恐竜。
プリチーなうるティにはやや似つかわしくないが、そのギャップがいいのかもな。
ファンシーな形状のマスクは、恐竜体と獣人体のブサイクさを隠すためと、パキケファロサウルスのデコの意匠をシンボライズしているようだ。

うるティとページワン、ふたりの飛び六胞を相手して(というか、ほぼうるティ相手に)やや押され気味のルフィに



突然加勢した謎の男は、カイドウと同じ技を使い


カイドウの息子と名乗った。

般若のような面を被り、仁王襷を締めた「ヤマト」は、ルフィを「ずっと待ってた」という。この男、いったい敵か、味方か!?

ようやく登場したヤマトが、いきなり謎すぎる。

まず、本当にカイドウの実子なのかどうか。
カイドウの技「雷鳴八卦」を使えるからといって、それがイコール血筋と判断するのはいささか軽率だ。しかし本人が「カイドウの息子」を名乗っているので、血筋の正統性はともかく、カイドウの子として育てられたのは間違いない。
その正体はまだまったくの謎だ。
たぶんカイドウの血を引く実子だと僕も思っているが、母親が誰かとか、人格形成に深く関与した人物が誰かで、その意味が大きく変わってくるはずだ。

次に、面を被っているのは何故か。
カイドウの息子なのに、全身和装に身を包み、能や歌舞伎の装飾をつけている違和感。
般若の面に仁王襷、とくにこの仁王襷がおでんのものに酷似しているので、ヤマトはワノ国テイスト大好きで、光月おでんが憧れの人物。もしくはおでんの遺志を継ぐ者。・・・なんて予想をはやネットで見かけた。それも可能性としてはあるんだろうが、果たしてそうだろうか。



部下たちが「ヤマトぼっちゃんですよね」と言っているので、普段は面をつけていない可能性もある。まぁこれは味方のうるティをぶっ飛ばしたから「本当にヤマト様ですか?」という問いとも取れるので判断が難しいんだが、では腕の鎖は何だろう?
両手の鎖が、これも能や歌舞伎の演出のナニカでないのなら、拘束されていたのか? だとしたら、誰に?何故?。

カイドウからの評価は「バカ息子」。カイドウの家族の問題はたびたび起きているようなので、妻や他の兄弟(がいたとしても)には特に問題がないという前提でだが、ヤマトは問題児であるらしい。


そしてカイドウはこの宴のトリに、ヤマトが関わる「重大発表」をするつもりで、その内容が部下たちに知れると大混乱を招くような内容だ…と。

総合して、ちょっと(かなり)強引な仮説を立ててみた。(うちはいっつもそうだが…)

ヤマトの和装は本人が望んだものではなく、カイドウによるお仕着せ。今日のこの宴の重大発表のための一張羅だ。
その「重大発表」は、ヤマトをおでんの生まれ変わりとして、オロチに代わりワノ国の次期将軍に据えること。それがオロチの承諾を受けているかどうかは不明。
両手の鎖はおでんが死んだ時につけていたもの、服装もおでん風の出で立ちでイメージ戦略をしているのだ。面は素顔を隠すためで、面の下はおでんと同じ顔(整形?)と予想する。


「顔ぐれェ見せろ!!」 「すぐ捜します」
身柄を拘束していたのなら、このやり取りは不自然で、自由の身でありながらヤマトの意思で顔を出していないことが伺える。そして、拘束されていたのでないなら、両腕の鎖はあえて着けているものということになる。

ヤマトがおでんの信奉者。その格好はリスペクトによるもので、味方になってくれる・・・という可能性はもちろん捨てられないが、味方になるんじゃね?ってのは結構早い段階で言われていたことなので、もうひと捻りあるような気がしてならないのだ。


「麦わらのルフィ」を知っており、「ずっと待ってた」と言ったヤマト。
ヤマトは個人的にルフィに何を期待し、いつから待っていたのか。「ずっと」ってのが、やっぱり気になるよな。



ところで、「仁王襷」とは歌舞伎の衣装で、神の力を賜った超人的な活躍をする立役が身につけるもの。雷ぞうも身につけているが雷ぞうのものは紫一色。ヤマトのものはモノクロ原稿では二色に塗られており、おでんのものに酷似している。


ちなみにおでんは、平時はこの縄を腰で結んでおり、いざ戦闘というときや、見得を切るときにタスキとして締め直している。
ヤマトのものは袖を纏めていないので、正式には「襷」ではない。

また、ヤマトの面は、能楽「道明寺」などで有名な「般若」面と言われているが、耳がなく牙が鋭いあたりから「般若」よりもさらに鬼(蛇)化が進んだ「真蛇」と呼ばれる形態のようでもあり、また「般若」「真蛇」は女性の面であるにも関わらず、ヤマトの面にはアゴ髭が生えている。

もちろん日本とワノ国は違うので、歌舞伎や能の「コレ」というそのものズバリでないのは当然かもしれないが、歌舞伎と能の装飾をごっちゃにしたり、そのあたりの意匠の雑さが「ヤマトがおでんリスペクトで自分で用意したもの」ではない印象を与えているのだ。


さて・・・
ほかに重要なことは、モモの助がステージで磔にされたくらいで、まぁ各所で色々起きてはいるけど、今回は語るほどじゃない。


ただ・・・


ナミたちと一緒にモモの助捜索組にいるはずのサンジが「おれは遊女を諦めない!」という謎の信念で単独行動をしていることだけは、強く記憶しておくべきかな。

遊女を諦めずに行動した結果、出会う相手といえば、ブラックマリアか日和だろう。
何か起きそうだよね。


あー、あと


ビッグ・マムがそこらへんに転がってるガラクタに命を与えて、手っ取り早く手下を増やしてるけど、ワノ国の人たちって「お化け」とか「物の怪」を極端に怖がるので、これも事態を引っ掻き回す効果があるのかな・・・と思うね。

モバイルバージョンを終了