満月の夜にのみ発現する、ミンク族の秘めたる闘神の力。
身体と精神への負担が大きく乱用には命の危険が伴い、制御できたとしても長時間その能力を発動させたままではいられない。リスクがあまりにも高いため、ミンク族の「真の力」というよりは、まさに「奥の手」と呼ぶのが相応しい。
動物の生態と月の満ち欠けには密接な関係がある、と一説には言われ、満月の夜に凶暴さを増したり奇行に走る例が多数報告されているという。
ミンク族には哺乳類しかいないように見受けられるが、草食肉食を問わず、その身体的狩猟能力と凶暴性が劇的に増すのは、閉ざされた国で他種族と交わることなく1000年過ごしてきたミンク族の、原生の野性を呼び覚ますということなのだと思う。
何らかの罰として1000年ただ歩き続ける象主の背の上で、人知れずひっそりと繁栄してきたミンク族の千年王国、そして象主と言葉を交わすことができるモモの助の「光月家」とミンク族の旧き血の盟約。
ワノ国の大名家が「月」と付く名前ばかりであることと、ミンク族が満月で秘めた力を発揮できることは、もはや無関係ではないだろう。
光月家がかつてワノ国を閉ざし、歴史の真実を知ったおでんは、来たるべき大戦に備えて今ふたたび開国が必要であると強く訴えた。
来たるべき大戦が、空白の百年前後の歴史の謎に大きく関係がある事は容易に想像できることで、後に世界貴族を名乗った20の王たちと戦ったという「ある王国」もまた、月に関わりがあると考えてもいいかもしれない。
Dの一族の「D」は半月を意味している、とは相当昔から言われてきた考察の一節だが、僕はこれには少し懐疑的だった。
「ある王国」については、あまりにも情報が少ないため、憶測妄想の域を出ないとはいえ、しかしこうなってくるとそろそろ無視できなくなってきた。
短期集中扉絵連載の第09弾で描かれた月の古代遺跡とそこに残された壁画の内容もまた、この星の戦いの歴史や、下手をすれば生命のルーツにも大きく関与しているはずだ。
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〜閑話休題〜
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純血を守り続けた太古の野生スーロン VS. 醜く人工的に獣の力を添加されたならず者たちSMILE
そもそもSMILEの能力者が、天然の悪魔の実の動物ゾォン系能力者ともっとも大きく異なる点は、その禍々しい異形の姿だ。
僕が知る限り、動物系能力者の人間体・獣人体・動物体の頭部や手足は、基本的にそれぞれ同一の部位が変化する。(剣とか銃とか毒ガスなど元々手足の概念がないものは除いてね)比してSMILE能力者の多くは、人間の身体に無造作に獣の肉体が生えているような印象だ。※中将オニグモにはちょっと言いたいことがあるが、それはまたいずれ機会があれば。
生命のいち個体として練り上げられた強さではなく、獣の特性の都合のいい部分だけを「道具」としてあくまで人が使用しているに過ぎないように見える。
スーロンとどちらが強いか、というような単純な図式で考えると、個体では断然スーロンが強いはず。あとは物量差と制限時間が鍵となるだろう。
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赤鞘の侍たちが積年の思いを込めて、カイドウ討つべし!と、一斉に飛びかかったのはいいが、誰かモモの助助けてやれよと思っていたところ、そのドサクサに、しっかりモモの助救出に動いていた者がいた。
しのぶだ。
キングが言う通り、手際が悪かったことは否めないが、もともとしのぶの忍者としてのポテンシャルには疑問があったので仕方ない。
しのぶのモモの助救出はあえなく失敗に終わったが、レイドスーツを身にまとったサンジがこれをフォローした。
加えて、ルフィから指示を受けたヤマトがモモの助の護衛にまわる。
ルフィに恨み骨髄のビッグ・マムが行く手を遮り、ゼウスも取り返されてしまったところに、
う〜ん・・・細切れだなぁ・・・。
今回は大きな動きはあまりなく、小さな動きが各所でたくさん・・・という感じ。一個ずつ見ていこうか。
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まず、遊女を探しに単独行動をしていたはずのサンジが、戦線に戻ったタイミングが思ったより早い。謎の単独行動時には、サンジはあとで仲間を助けるギミックの操作をしていたことが過去に数度あり、今回もその可能性が高いと思っていたんだが、このタイミングではそれはないかも。
本当にステルスで遊女を追っかけてただけだったりしてな。
レイドスーツにはもうわだかまりは無いようで、プライドを捨てて救える命があるなら科学の力を試してみてもいい、と言っていたが、サングラスももう付けていないし、いいかげん「お試し期間」も終わっただろう。
たとえばゾロの場合は、身体と技の鍛錬以外にも、今回の「閻魔」のように位列が高くクセの強い武器を入手することでも、戦い方やその効果が変化することもあるが、サンジの場合、非能力者で武器も持たないとなれば、自身の肉体の強化と技の鍛錬以外に強くなる方法がない。
ここに来て自身の強さの頭打ちを感じているのかもしれないな。
ま、プテラノドンに変化したキングに一方的にやられているように見えて、サンジはこんなあからさまな弱音は吐かないので、まだまだ軽口叩いている間は大丈夫だろう。
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次に気になるのはヤマト。
モモの助を守れ、とルフィに言われて「いいの?」
ルフィは、別に、ヤマトがおでんを自称しているからモモの助の身柄を任せたわけではないんだが、ヤマトはおでんの息子との対面にドギマギするばかり。ぶっちゃけその関係が自然かどうかなんてどうでもいいし、ってか自然なわけねェわ!
ヤマトは「光月おでん」に憧れておでんの「代わり」になりたいのではなく、「光月おでん」その人で在ろうとしている。しかしまったくなりきれていない。・・・一体何なのこいつ・・・。
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ゼウスは、ママ自身の魂から創られた特別製のホーミーズなので、ママに逆らうことはできない。しかし心情的には、ナミのしもべでいたいらしいことが伝わってくる。
この先ナミの強力な手駒となりそうだと思っていたが、それにはママの了承が必要となる。ママがゼウスを手放すのか、それとも和解するのか。
マザー・カルメル失踪の真相を知ったらママの野望は終わりなので、倒す必要すらなくなる可能性はある。鍵を握るのは料理長のシュトロイゼンだ。こいつはママの最初の夫でもあると、僕は考えているがね・・・。
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今回出番がなかったロビンとジンベエは、モモの助を救う手だてを講じていたので、もう動いてかまわない。また、チョッパーとウソップが合流しないと、これ以上フランキーの活躍が見られないので、彼らももうじき到着するだろう。ゾロ、キッド、ローは別働隊で暴れているので放置でいい。
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今回のサブタイトル「待たせたな」とは、フランキーのセリフなのかな?
よォみんな!待たせたな!
アニキだし、コーラ好きだし。(何のことだかわからない人はお父さんに聞いてくれ
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・・・ところで・・・カリブーは今何してるんだろう・・・。