ビッグ・マムが放った壮絶なMAP兵器「威国」の余波で、拘束から逃れられたササキ。
親友と思っていた狂死郎の裏切りにたいそう立腹の様子だが、ほぅ…親友ねぇ。
確かに親しげではあったが、二人が親友だったとは少々意外だ。まぁ狂死郎は人に取り入るのが得意なようだし、打倒オロチ・カイドウのためには自分の感情を殺すことなど造作もないだろうから、カイドウ軍に強力なコネを作るためにササキに近づき親友を演じていた可能性は当然ある。
一方で、世の中には一度言葉を交わしただけで「友達」認定してくる距離感のおかしなフレンドリーな輩もたくさんいるので、ちょっと酒を酌み交わし上役のグチなど垂らしただけで、「波長が合う」などと、ササキが一方的に狂死郎を気に入っていた、ということも考えられる。
狂死郎にとっては、ササキはただの敵でしかないが、ササキ個人に恨みがあるわけでもないので、良い飲み友達だったのは本当なのかもな。
拘束するだけで斬らなかったのが、狂死郎なりのせめてもの友情だったのでは?
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ドームの上では、睨み合うカイドウと赤鞘の侍たちの周りで、獣vs.獣の大乱闘。
そこにジャックが介入したことで、いよいよ動くかと刀に手をかけた錦えもんを制し、満月の下イヌアラシ・ネコマムシが高らかに雄叫びを上げる。
古き盟約の光月家とともに戦うために命を懸けてスーロン化するミンク族を率いる長として、滅ぼされたモコモ公国の王として、そして手足を奪われた雪辱を果たすため、主君の仇討ち以外にも、ジャックに対しては直接的な因縁が彼らにはある。
原生の野生(スーロン)と太古の獣(マンモス)、軍配はどちらに上がるのか。
ところで、ひとつ思い出したんだが、ジャックが確実にゾウに辿り着けたのは、結局のところ何故だったんだぜ?
ゾウは、彷徨い歩く巨象の背中に在るため、ログポースを頼りとすることができず、当然ながらエターナルポースも存在しない。したがって、遠方から確実に辿り着くには、ビブルカードを使うしかない。
敵の内通者であるカン十郎は、ジャック襲来時にはまだゾウに到着していないので、カン十郎のビブルカードではない。他の誰かのビブルカードが使われたのだ。
(厳密には、ビブルカードは破った切れ端同士でも引き合うので、カン十郎のカードを雷ぞうの持ち物に潜ませておけばそれで用を為すのだが。)
それが用意できる者は、まずカン十郎しかいない(裏切り者は他にいないとして)。おそらく20年前から飛んできたあと、オロチと連絡を取り合った際に、仲間の「爪」を用意するよう指示されたのだろう。その「爪」を伝書雀でオロチの元へ届けさせたか、もしくはドレスローザで錦えもんたちとはぐれたときに自分で作りに行き、できたビブルカードをオロチに届けたかのどちらかだ。
菊之丞はワノ国でうまく潜伏できていたので、ビブルカードを作られなかったと考えられる。錦えもん、モモの助もカードを作られたかどうかはともかく、ゾウで使われたのは雷ぞうのビブルカードと思って間違いない。
だが、そうなると疑問なのが、なぜ雷ぞうを発見できなかったのか・・・である。
ビブルカードを使ってゾウの位置を特定した、それは雷ぞうのカードであり、それによりゾウに雷ぞうがいると断定した、ここまでは良し。
ビブルカードは、持って移動しないと本人のところへ辿り着くことはできないので、カードを持つ別の誰かが遠方から通信などで誘導することは不可能。常に移動している幻の島ゾウに二度も確実に到着したジャックの手元には、雷ぞうのビブルカードがあったはずだ。
であるならば、上陸してからもカードの挙動を辿れば、雷ぞうのところに行きつくことができるはずなのに、それをしなかったのは、内通者の存在を気取られないために「ビブルカードがあることを悟られるな」という指令が出ていたとしか考えられないが、そんなものは馬鹿正直にカードを手のひらに乗せて動きを見なくても、いくらでもやりようはあるはずだ。
ドフラミンゴ陥落を受けてジャックが次の現場へ行くことになるなら尚更、ビブルカードを使ってさっさと雷ぞうを発見してしまえばよかったのだ。
その根拠を部下に徹底せずに
部下が「これだけ追い詰めても出てこないのだから侍はいない」などと、寝ぼけた報告とともに逃げ帰ってきたのは、偏にジャックの怠慢、不手際以外の何物でもない。
それと同時に、
登場時にまったく問答が通用せず、理不尽極まりない暴力の権化だったジャックの行動が、「雷ぞうは居る」という確証に基づいた行動だったのなら、ジャックという男の不条理で理不尽な恐ろしさが半減してしまう。もうがっかりだ。
まぁ、実際キング・クイーンに頭が上がらなかったり、アシュラ童子と互角未満だったりと、当初の問答無用の理不尽さはすでに見る影もないのだが・・・。
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そんな中、ホーキンスにカイドウ軍への裏切りを促すドレーク。
花の都でホーキンスに囚われたロー脱出の手助けをしたシルエットは、やはりドレークだったらしく、そしてその行動は、ホーキンスには気付かれていなかった様だが、監視がいたとかで、クイーンにバレていた。
クイーンやフーズフーが「殺したい」と言っていたのはドレークのことだったのだ。
裏切りを問いただされるが、殺されても口を割らないとドレークは強気の構え。
なんとかその場を逃れたドレークが、最後の望みを懸けたのは…
訳あって孤軍なので共闘してくれ!
本当に「はァ!?」だわ…
突然現れたよく知らない男が、「ぼっちなので一緒に戦ってくれませんか」と言い出した。
知らねェよ!お前誰だよ!(たぶんルフィの記憶にドレークはない ×男(バツオ)とか呼ぶのだろうか
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ドレークは、元海兵だった海賊の父親に虐待されていたが、オペオペの実の取引のドサクサで父親の海賊団が壊滅し、海軍に保護された。
海兵に憧れて育ち、早くから入軍して頭角を現し、若くして少将にまでなったが、いったい何故だか海軍を抜け、あろう事か海賊として名を挙げはじめた。
ところがその話には裏があり、ドレークは海賊でありながら、海兵の立場を失ってはおらず、それどころか特殊部隊「SWORD」隊長という地位に就いていた。
これは、ドレークがかつてのロシナンテと同じように、限られたごく一部の海軍幹部しかその存在を知らない潜入捜査官であるということだ。
ドレークは初めからスパイとしてカイドウ軍に身を寄せたことになる。
「SWORD」がどういう任務を担う部隊なのかは定かではないのだが、諜報活動のためだとしても、隊長自ら潜入するというのは、ドレークでなければできない高度で困難なミッションが要求されるということに違いない。それだけ海軍の「本気」という明確な意思が伺える。
だが、折り悪く海軍全軍を挙げての元七武海討伐戦が始まってしまったため、世界政府の管轄外であるワノ国へは人員が割けなくなってしまった。
海軍肝入の作戦だっただろうに、今ドレーク潜入捜査官は、正体こそバレていないが、その暗躍ぶりが暴かれ、敵地で孤立してしまったのだ。
味方(海軍)の応援は望めない以上、自力でなんとかするしかない。そこに垂らされた一本の蜘蛛の糸がルフィだったのだ。
しかし、ルフィにはドレークの事情がまったく分からないし、今それどころじゃない。
ドレークが、ルフィ側に組み入れてもらうために、どこまで話して、何を隠すか、また正直に話すか、嘘をつくか。
共闘できるかどうかは、まずここら辺にかかってくる。
ロジャーとガープがゴッドバレーで共闘したように、ルフィとドレークに絆が生まれるのか? 海兵の中でそういう立場となるのはコビーだと思っていたが、コビーの上官であるドレークとも、ある種の信頼が生まれるのだろうか。
それとも、ロジャーとガープにおけるセンゴクの立場になるんだろうか。
ところで余談だが:
956話でドレークが海兵だった事が判明したとき、コビーの階級が「少将」とされていて、それについて956話のジャンプ掲載時のレビューで少し触れている。
世界会議に向かうドレスローザの船を守ったときに「大佐」だったコビーが、わずか半月ほどで「准将」をすっ飛ばして「少将」だと?…いったいどうやって…?
と思っていたら、単行本では修正されて「大佐」のままになってた。
これは、僕と同じように「少将になるの早すぎるんじゃね?」と思った人からの指摘を受けて修正されたものに違いない。
ワンピースという物語の終盤で、…というかたぶんエピローグ辺りで、約束通り大将になったコビーとルフィがいい勝負をする展開があると僕は考えているんだが、すでにゴールが見え始めている物語の中で、コビーをいかに大将にまで「順当に」昇級させるかと、オダッチが少しばかり焦っている様子が垣間見れた気がするのである。
仮にエピローグでコビーが「大将」になっているとすれば、それが何年後の話かは分からないが、少なくとも本編ラストで「中将」くらいになっていないと、説得力ないもんなぁ・・・。
「准将」から「少将」になるのは、それまでの昇進よりも段違いに難しく、「中将」から「大将」に選抜されるのは本当にとんでもなく狭き門のはずだ。
世界のどこかで起きた「実態のよく分からない事件の英雄」とか言われても、読者目線ではいまいち納得できませんぜ、オダッチ!
※ローが首謀者とされている「ロッキーポート事件」がどうということではなく、今後もそういう見えないところでの手柄の立て方を何度も繰り返されるのはちょっとなぁ・・・と思う、という意味ね。
ただ、個人的にコビーには本筋にあまり絡んで欲しくないのも事実なんだが・・・
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あとね、
コミックス97巻が出てるんだが、SBSで飛び六胞の年齢が発表されてた。
一部でヤマトの母親ではないかと囁かれていたらしいブラック・マリアの年齢は29歳。
はい、消えた!
現在28歳のヤマトの母親ではありえないね。トキトキの能力でも使わない限りね…