怪しい行動と明確な裏切り行為が露顕し、潜入していた敵地で孤立してしまった海軍のスパイ:ドレーク。
海軍本部も所属の特殊部隊も、今は増援どころではなく、万事休すといったところだが、この敵地カイドウの本陣も反オロチ反カイドウの軍勢の急襲を受け、まさに大混乱の真っ只中。
記憶の中の部下コビーの言葉に活路を見出したドレークは、麦わらのルフィに共闘を申し出た。
この言葉の意味をドレークが今正しく理解しているとは思えないが、信頼する(していると仮定する)部下の気持ちと言葉を頼りに、もはやここまでかと思われた最悪の事態を脱する道を手繰り寄せるつもりなのだろう。
たしか、ルフィはドレークと会ったことは無かったはずで、せいぜい花の都での康イエの処刑にゾロたちが乱入した中継映像を兎丼で見ていたくらいしか、ドレークの姿を見る機会はなかったはずだ。
だがそのルフィはドレークのことを「知ってる」と言い、珍しく少し思案した(?)末に、しかしあっさりと「いいぞ、味方で。」
世間的に自分と同列で語られる「最悪の世代」について、ローやロビンから航海中に説明されていたとしても、世情に頓着しないルフィが覚えているとは思えない。
ルフィがドレークを知っているとすれば、
編笠村を襲撃したという話を飛轍から聞いたくらいだが、それが「仲間でいいぞ」に繋がる理由が分からない。第一、これも覚えているか怪しいものだ。
ともあれ、ルフィ的にはOK。
だが、筋の通らない突然の申し出をとても信じられないゾロ、フランキー、ジンベエは猛反対。
まぁ、ドレークの言い方も悪いわ、コレ。
カイドウの傘下だったが、もうその立場を失ったから共闘してくれ。
麦わらの一味が勝利した方が都合がいいから、勝ち馬に乗せてくれ。
前回僕は、共闘の申し入れを受けるかどうかは「どこまで話して、何を隠すか」にかかっていると書いたが、新しい情報が何もない。
自分の窮状と利益を訴えているだけで、共闘することによるルフィ側の旨味がまるでない。立場わかってんのかね…
だが、残りのナンバーズを招集しようとしたアプーに対して、それをさせまいとする行動と、アプーのキャラが嫌いという点で、ゾロとドレークの思考が一致した。
なし崩しに一緒に戦うことになるようだ。
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その頃、ドクロドームの屋根の上では…
スーロン化したイヌアラシ・ネコマムシが、その規格外の戦闘力でジャックを下し、いよいよカイドウが出てきた。
自身の強さに絶対的な自信を持つカイドウは、小高い山の上にあったおでん城跡地を、一撃で山ごと消し飛ばした「熱息ボロブレス」を放つ。
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その桁外れの攻撃で、逃げ惑う敵を翻弄するつもりだったのだろうが、
あらゆる炎を切り裂く錦えもんの剣技がカイドウの熱息を退け、しかも奇襲でなく正面からの斬撃でカイドウの肉体に傷をつけた。
積年の思いと覚悟が為せる業。
「今」この場限り、命を懸けて決着をつける覚悟の9人が揃った今の赤鞘の侍たちには、もはやカイドウは脅威ではないのだ。
赤鞘の侍たちの力と意思は、カイドウにさらなる恐怖を与えることができるか。
そして、ルフィはこの因縁の対決に、いかにして介入するのか。
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さて、コビーによるルフィ評
「友達でいるとすごく近い、敵対すると手の届かない場所に行ってしまう」
これはいったいどういう意味なのか。
おそらく・・・
ルフィのことをよく知れば、ルフィの「人を引き寄せる力」に小なりとも影響される。そして、その「引力」に身を任せれば、自らの意思や行動も強くなる。さらに、よりルフィに好感を持ち、ルフィと思いを共にしたくなる。・・・のような意味だと思われ。
その本当の意味は、ドレークは後になって思い知ることになるのだろうか。
すべて終わったあとにドレークから何かルフィに語ることがあるだろうか… やはり黙して去るのかなぁ…
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ところで、アプーがナンバーズを指揮しているというのは本当なのか。
以前僕は「アプーは2年前からあまり成長しているように見えない」と書いたが、もし戦う音楽で、他人を指揮したり煽動したりが可能なのだとしたら、それはちょっと手強い能力かもな。
確かに火祭り直前に、ナンバーズたちはアプーと同じタイミングでワノ国に帰ってきていた。アプーとずっと行動共にしてたっぽいものな。
しかし、2年前のシャボンディでドレークの変身を見たアプーは、動物ゾォン系古代種を初めて見たと言っていた。
百獣海賊団の幹部が古代種ばかりになったのがいつ頃かはわからないが、大看板三人を含めてここ2年以内に集まったということはないだろうから、2年前の時点でアプーがすでにカイドウの傘下にいたのなら、古代種を見たことがないということはあるまい。
また、20年前にすでにいたナンバーズを、当時11歳のアプーが指揮していたとも考えにくい。
本来、ナンバーズは非常に使いにくい「諸刃の剣」的な戦力だったところ、彼らをある程度操ることができる能力を持つアプーが傘下に入ったことで有効な戦力と化し、アプーも組織の中で重用されたということか。
キングとクイーンも20年前にすでにいたが人間態のシルエットしか登場してないので、当時から古代種の能力者だったとは断定できない。
だが、SMILEがワノ国に持ち込まれたのはここ数年だそうだし、20年前にすでに「百獣海賊団」と呼ばれていた自分の海賊団を、本当の意味での「百獣」海賊団にしようと思い立ったカイドウが、中堅から一般兵までをSMILEで固めると同時に、最強の動物系悪魔の実を求めて、驚異的なタフネスを誇る古代種を求める結論に辿り着いたのがこの2年以内の話、という可能性はあるかな。
キングとクイーンは素で強かったが、この数年の間に古代種の実を食った…ということになるかな。
うるティ・ぺーたんなんかは年齢的にも仲間に入って何年も経っていないだろうし、ドレークも古代種だからというだけで優遇されたかもな。
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あと気になったのは、
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そして最後に、
今週のジャンプ巻末のオダッチのコメントによると
「今年一杯コロナ体制で3週2本、又は4週3本でいきます!! 年末の千話目指して!!」とのことで、1000話までは現状のペースで進行するらしい。
今年中に月曜はあと13回あるが、最後の12月28日は年末休刊だろうから12回。1000話まで残り9回を宣言通りの掲載(休載)ペースで描けば、ちょうど年末最後の掲載号に1000話が載ることになりそうだ。(まぁ、雑誌の号数的には2021年度の3・4合併号か、5号あたりになるだろうけどな)
物語的には1000話だからといって特別なことはないと僕は考えているが、ジャンプとしては盛り上げるだろうから、何かイベントがあるんだろうね。
ワンピはここ何年も年間39話ペースで掲載されている。コロナ以降、休載が多いイメージだが、今年も39本載ることになるのはちょっと意外だ。
そして今後もその計算通りならば、600話過ぎで折り返したといわれるワンピの物語が、あと5年で全1200話に少し届かないくらいで完結することになる。なるほど、ほぼオダッチの計算通りやね。