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ONEPIECE 1005「悪魔の子」

ブラック・マリアに完全に捕われたサンジ。そう、完全に。


クモの巣に手脚を絡め取られて身動きできず、マリアの美貌に為すすべがない。まさに「見も心も」捕われた状態だ。

ブラック・マリアはサンジに、カイドウが求めるニコ・ロビンをここへ呼んだら自由にしてやると言うものの、それはサンジが仲間を売るような真似などするはずがないことを承知の上でのこと。そして己の無力さに苛まれ、もし痛みや苦しみに耐えきれずロビンを呼べば、この上ない自己嫌悪に陥るであろう「男の意地」を知り尽くした、心を砕く真性サドの責め方だ。



マリアの部下の女たちがサンジに深く同情しているのは、男を容赦なくボコボコにする強さを持ちながら女性を一切傷つけないサンジの、ジェントルな部分に感じ入るところがあったのだろう。
男の本性を暴き立てるために恐ろしい容姿を手に入れた彼女らを「恐ろしい」とか「醜い」などとただ言わないだけでなく、心の底から別け隔てなく、彼女たちをも「レディー」として接したサンジの、これこそが「一点の曇りもない下心」なのだ。

マリアの狙いは、まずサンジを暴力と権威で懐柔し、尊厳を踏みにじっって心が折れたところを籠絡、アメとムチで手下として手厚く迎えれば、ロビンを捕まえる手助けをさせる役にも立つ目算だろう。

だが、そこでサンジが取った行動は・・・


バオファンの通信によって、女性に助けを求めるサンジの「みっともねェ叫び」は島中に轟き、ジンベエやナミをも含め大半の者は呆れ返っていたが、

当のロビンは


燃えていた。


サンジの「みっともねェ叫び」は、ただの救援要請ではない。
ロビンを痛めつけて、いいように情報だけ搾り取るつもりだったマリアに対し、前回、サンジがはじめて「ニコ・ロビン」とダブルコーテーションで括って呼んだのは、個としてのロビンという人間を敬って表現している。


「ロビンちゃんをナメんなよ」ではなく「”ニコ・ロビン”をナメんなよ」の方が果てしなく言葉が重い。

もともと麦わらの一味は少人数のため、個々の苦手な部分を他のメンバーが補うのは常。ひとときは「自分が強くないと」と思いつめたルフィですら一味の仲間には信頼を置いている。


お前にできねェ事はおれがやる。おれにできねェ事をお前がやれ!
とは、エニエスロビーでまさにサンジが言ったセリフだ。

サンジは、自分の危機に女性を矢面に立たせて逃れようとしたのでは決してなく、他の戦場ならば大きな戦果を残せるはずの自分が、無意味に消耗してしまうこの戦場を脱するために、誰か持ち場を交代してくれないかと考えたのだ。
そしてその役目は、信頼する仲間の中で、現状マリアにナメられているロビンが相応しいということだ。


まぁ・・・本人はこの場で勝ち目がない理由を自覚していないようにも見えるが・・・

と、いうことで・・・いざ決戦!


いきなり諸肌脱いで背中の刺青を見せるブラック・マリア。
夜叉や弁天、または背中いっぱいのクリカラモンモンは少年マンガのコンプライアンス的に問題があったのか、外国で売ってる勘違い日本語Tシャツみたいなタトゥーを晒してそれで相手を威圧しているつもりのマリア様がかわいい。ブルックは眼福ですな。

ロビンが敵幹部とマジバトルするのは空島以来のような気もするが、やる気は満々。
真性サドのマリア様 VS.「悪魔の子」ニコ・ロビン
相手を完膚無きまで屈服させるのはどっちだ。

「わたし・・・残酷ですわよ」(違

ところで・・・
マリアが手に持つ「輪入道」は・・・武器なの?

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