赤鞘たちの目の前に現れた光月おでん。その姿、立ち居振舞いは、おでん様本人に間違いない。
トキの能力でやって来たという、軽口も頼もしいおでん様との再会に、感涙しきりの錦えもんたちなのたが・・・、はたしてこのおでん様は本物だろうか。
確かに、赤鞘の誰ひとりとしておでんの、そしてトキの絶命を目にした者はいないので、奇跡に奇跡が重なって生き存えたと信じたかった。だが、やはりそんなはずはなかったのである。
アシュラと雷ぞうのふたりが違和感に気付き、とりわけアシュラはそこに込められた悪意を明確に感じ取った。
おでんとの惜別からまだ日が浅い時間跳躍組と比して、光月家不在の絶望的な20年を市井で過ごし、泥を啜って生きてきたアシュラならではの機微といえる。
同じ様に20年を過ごしてきたといっても、途中から牢に繋がれ外の情報を遮断されていた河松や、オロチの側で腸の煮える思いをしながらしかし日和という希望のそばに居れた傳ジローよりもなお、アシュラはおでんを失ったワノ国の衰退と荒廃を如実に感じていたのかもしれない。
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おでんは、カン十郎が描いた「絵」だった。それを遠隔で操作しているという。
カン十郎が生きている可能性は十分考えられていたが、もしや光月家にわずかでも情を移してやしないだろうか?という仄かな願いは残酷なほど悪趣味な方法で裏切られた。
カン十郎は「黒炭」一族として、役者としての人生を全うする道を選んだ。それは…
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もはやなりふり構わないおでんの自爆テロの被害を食い止めるべく、そしてそれは同時に、おでん様の姿でこれ以上醜態を晒させないため、身を挺するアシュラであった。
カン十郎はモモの助を目指す。カン十郎は自分の命の幕引きに、光月家の望みを断つためにモモの助を殺すつもりなのだ。急げ!赤鞘の侍たちよ。
やにわに駆け出す赤鞘たちを遮るジャックには、因縁のイヌアラシが皆を先行させ、サシで食い止める。
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あぁ・・・なるほど。
カン十郎が生きてたのはともかく、おでん様のくだりが僕には随分無駄な展開に思えたけど、これはこれで「アニメになったときに尺を延ばしやすそうだなぁ」とか考えてた。
違う。こうして赤鞘の侍たちは一人ひとり数を減らしてゆくのだな。
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その頃屋上では、人獣体のカイドウとスペシャルホーミーズ三体を従えたビッグ・マムの揃い踏みを、若者たちが攻略しあぐねていた。
ふたりを引き離すことから苦労しそうだが、ゾロとローがなにやら戦略を練りそうなので、展開を待ってみる。
そんな中、ルフィだけはバカ正直に正面からぶち当たってはぶっ飛ばされ、消耗はしているものの気持ちはまったく衰えていない。
それを離れたところから、見もせずに感じ取ったのはモモの助だ。
モモの助は象主ズニーシャと意思の疎通ができた。
万物の声を聞けたロジャーと同じ才能の片鱗を示唆するルフィにもできない「何か」の能力に目覚めつつあるのだろう。
モモの助は、龍に変化する能力をだいぶ制御できるようになったといい、そこに新たな知覚能力が目覚めれば、大きな戦力となるかもしれない。・・・しかし、きっとそれはもう少し未来のことだろう。
いまのモモの助が龍に変化したところで、戦闘力はたかが知れている。
これは、先に起こる世界を分かつ大戦争のときにでも役に立つんじゃないだろうか。
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余談だが:
やっぱり死んでなかったオロチ、カイドウに裏切られた腹いせにって・・・
やることちっせぇわ!
肝心のカイドウとビッグ・マムは空飛んで逃げれるし、仮に全員殺しても後悔なぞするものかよ。
ところで、福ロクジュはオロチが首を撥ねられても死なないことを知ってたんだろうか。
それとも、何か別の狙いがあってオロチの遺骸を見に行ったら、死んでなかったことに驚いて、仕方なく「きっと生きてると信じてました!」とか取り繕ったはいいが、引っ込みがつかなくなってふたたび仕官したとか・・・
オロチが今から生存を明らかにして、どれだけの部下が戻ってくるのかは正直怪しい。
使いっぱの一人もおらず、たったひとりの部下だなんて福ロクジュ・・・ババ引いてるよなぁ。まぁ、御庭番衆の誰にも声かけずにひとり抜け駆けしようとしたっぽいから、自業自得かしらね・・・。