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ONEPIECE 1011「あんこの仁義」

新たな「雷雲」のホーミーズ爆誕!


ママにより「ヘラ」と名付けられた新しい下僕は、プロメテウスの「お願い」によって生み出されたと断定するのはまだ早いが、どのような意図であろうとも、ゼウスに代わる存在として作られたことはまず疑いようがない。
ママの安否を心配し、いまだ必死でママのもとに戻ろうとしているゼウスは、ヘラが生み出されたことをまだ知らない。

「ヘラ」とは、ギリシャ神話でいうところのゼウスの正妻で、女神の中の最高位だ。
まぁギリシャ神話は登場人物(神)の相関が果てしなくややこしいので、元ネタのエピソードまでいちいち反映させようと思ったらアップルシードくらい世界観を作り込みでもしないと無理。
単純に、ゼウスに負けない強い神の名前であり、ゼウスと同じ属性(ゼウスとヘラは同じ両親から生まれている)くらいの理由でヘラと名づけられたと考えられる。
ゼウスは食い意地と怠けぐせが災いしてナミの下僕になってしまったので、新しいホーミーズに女性のパーソナリティを与えたことは正しいと言えるだろう。

四皇ふたりがコンビで合体技まで使うとなればまるで勝ち目が見えなかったが、分断に成功するなりビッグマムの担当を買って出たキッドとキラー。自らの力で雷雲ゼウスを閉じ込めた事は相当ポイントが高かったと見える。
何しろキッドの武器は「鉄クズ」の集合体、雷からは逃げられないし、電気を帯びれば磁気を狂わされることもある。雷雲は相性が最悪だ。まさか雷雲が再生されるとは思いもよらなかっただろう。


ヘラの攻撃にふっとばされたキッドとキラーは、城内の3階でホーキンスと対峙するが、キラーはキッドを先行させ自身はホーキンスの足留めに残った。場内に追ってきたが今はキッドたちを見失っているビッグ・マムを、ふたたびカイドウと組ませないためだ。


かつてキッド・ホーキンス・アプーは同盟を組む話だったところ、その時点でアプーは既にカイドウの傘下だった。ホーキンスはカイドウに勝ち目がないことを占いで悟りあっさり軍門に降ったが、キッドとキラーは降参も撤退もすることなく戦い続けた結果、ズタボロにされたのは既知のとおりだ。


ホーキンスは「占い」で行動の結果をある程度先読みできるので、成功率の低い無駄な行動はしない。


便利な能力だし「勝ち目がないから死なない方法を選んだ」とは確かに合理的だと思うが、言ってることがぶっちゃけクソみっともねェわ。
これは「おれ、長いものには巻かれます」と言っているのと同じ。仕方ない苦渋の決断だったとしても言っちゃダメなやつ。ロマンが皆無だ。
こいつら、いったいどの面下げて自分の名前で海賊団の船長やってんだろう。
船長じゃないキラーの方が、言ってることも行動も100倍カッコいい。ホーキンスもアプーももう味方にならなくていいわ、ここで敗北してしまえ。


さて、城内の2階では、狛ちよに乗って仲間を増やす作戦行動中だったお玉・ナミ・ウソップを、飛び六胞ページワンが襲う。
お玉は、ライブフロアのステージにたどり着き、手分けしてきびだんごを食べさせたSMILE能力者たちに号令をかけられれば後はどうなってもいい、なんとかそこまで!と、実に勇敢でしかし健気なことを言う。


自分にしかできないことだから、もうその後のことは何も望まないので、号令だけかけさせて欲しい。この覚悟は「侍」である。妖艶なくノ一にはなれなかったが、玉は立派な戦士になったのだ。
ただ、8才の少女がそこまで覚悟して願をかける状況というのは、その実現が厳しくなってきているからに他ならない。
それは今ここにいる二人があまりにも頼りにならない・・・のも確かにあるが・・・恐竜の能力者はそれだけ強いらしい。

その絶望的状況に、実相寺アングルで現れたのは


ビッグ・マム


ママは幼児に対してはまれに気のいい「マザーモード」になることがあるらしいんだが、それはともかく、記憶を失っていた間にやさしくしてくれたお玉に今でも好感を持っていた。

そして、自分に親切だった「おこぼれ町」がカイドウの手下に壊滅させられたことを聞くと


目の前のページワンにブチギレ鉄拳制裁。
ママの覇王色を纏った「触れないパンチ」で首がへし折れてるwww埒外にタフだという恐竜の能力者だが、さてこれはどうなるんだ!?


非道な海賊の世界にだって、仁義ってモンがあるだろう!

う〜ん・・・それをアンタが言うか。

貧しくて必死な日々の生活の中でも誠実に人に親切に生きている「おこぼれ町」の住民たちのなけなしの尊厳が踏みにじられたことに怒ったわけじゃないだろう?
その人たちが自分に親切だったからだよな。自分の関係者が傷つけられたから怒ったんだ。

自分に良くしてくれた弱者の怒りや無念を代弁するのはママの仁義だろうが、そこにはカイドウが通すべき仁義はない。それをカイドウにも強要するのであれば、もとよりお茶会の誘いを断ったくらいで関係者を惨殺したり、お菓子の納品が遅れたくらいで国を滅ぼしたりしてはいけないよな。

仁義とはその業界や仲間内での道徳的指針、守るべき掟や礼節のこと。
これは海賊の世界の守るべき仁義ではなく、ママの個人的な仁義だ。

ママのお玉と「おこぼれ町」への思いが、真に「あんこの仁義」であったなら、カイドウとの同盟はご破算になる可能性がある。ってか、そうでなくてはいけない。
だからといって味方になる訳ではないし、ルフィ憎しは変わらないが、カイドウとの同盟が解かれるならば戦況は大きく変わるだろう。

だがなぁ・・・
前述したとおり、ママの言うことには筋が通っていない。自分の感情にまかせただけの理不尽極まりないイチャモンだ。言ってることと行動とこれまでの行いに整合性があろうがなかろうが、いや、むしろ理屈を屁とも思わずに現実を捻じ曲げる理不尽さこそが、四皇カイドウやビッグ・マムの恐ろしさであるはずだ。

ママが「あんこの仁義」を通すかどうか。それはおそらくママにも分からない。これから起こることの「結果」だけが知っているのだ。

さて、その頃屋上では、


覇王色の覇気を纏って戦うことを学習したルフィの攻撃がカイドウに通じはじめ、ようやく一騎打ちの体を為してきていた。

覇王色に気づく前から、通じない攻撃を馬鹿みたいに繰り返しては弾き返されていたルフィの目の輝きがまったく衰えないことに脅威を抱いていたっぽいカイドウだが、


ここに来て意味深な言葉を吐いた。

「窮地ほど笑い・・・笑う程に・・・か」
これはあきらかにルフィを誰かに喩えている。

カイドウが過去に経験した、もしくは古い文献や言い伝えで聞いた、誰かの行動とルフィを重ねて見ているように見える。

窮地ほど笑う男がかつて居たのだろう。その男は笑うほどに〇〇だったのだ。

楽しそうに〇〇する男
ジョイボーイのことじゃね・・・?

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