モモの助の元へと急ぐ赤鞘の侍たちだったが、一度仕留めそこなったカン十郎の始末に菊之丞が名乗りを上げ、錦えもんと菊之丞がモモの助のところへ、ペドロの最期を伝え聞いたネコマムシがペドロの仇討ちのためにペロスペローのところへ向かった。
本来であれば、ここは感情的になってはいけないところで、菊はともかく、打倒カイドウとワノ国奪還という本懐に直接関係がないペロスペローに主戦力の一角であるネコが熱くなるべきではない。
放っておいたところで、カイドウとの同盟を良く思わないペロスなら、赤鞘たちがカイドウを倒すことの邪魔だてをすることはなさそうだが、もともとビッグ・マム海賊団は想定外の敵性増員なので一応のタテマエは完全なる「敵」。そこに私怨が絡めば立派な「倒すべき敵」だ。
目下の主目的だったモモの助の守護に全員の手は不要となった以上、ネコマムシにとっての優先順位でペロスが次点となることは、誰も責めることはできないかもしれない。
カン十郎が作り出したニセおでん様の凶行を身を挺して止めたアシュラ、因縁のジャックと対峙したイヌアラシ、かつてのライバル福ロクジュと白黒つけるか雷ぞう。イゾウと河松は、ゾロ・サンジと合流してライブフロアを目指すことに。
・・・
あれ?傳ジローがおらんな・・・
傳ジローが単独で動く理由があるなら、因縁のある相手はササキかオロチくらいか。
ササキはフランキーとバトル中ですでに倒されてるかもしれない。また、オロチなんざ相手する価値もないとはいえ、20年近く「将軍の犬」と自らを貶めてきた傳ジローだけは言いたいことのひとつくらいあるだろうが、先だっての邂逅で首を切り落としてケジメは済んだような気もする。(あれでオロチが今度こそ死んだかどうかは別として…)
となると、傳ジローが単独で動く理由は日和以外に考えられない。ローが転移させた赤鞘たちを介抱していたシルエットは日和に見えたし、討ち入り前にオロチが日和の存在に気づいていたので、捕らえられるなどして日和が今鬼ヶ島にいてもなんの不思議もない。
傳ジローは日和を見かけた、もしくは日和を探して単独行動をしているのだろう。
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一方、深手を負ったゾロは、ローの指示で応急処置が施され(施され…てるか?)サンジに担がれていた。要するに「緊急療養中」だ。ローの見立てでは骨が2〜30本折れているそうだが、じきに復活するんだろう…深くは考えまい。
ふたりとイゾウ・河松はライブフロアへ。キング&クイーン&アプーとのバトルになるんだろうか。
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前回、ものすごく自分本意な理屈で仁義を語り、ページワンを一撃で沈めたビッグ・マム。
それに怒ったうるティ姉さんがビッグ・マムに食って掛かる。
にわかに産まれた対立の構図に便乗して、ナミがその場を凌ごうと画策するも・・・
どっちも自分の力に自信があるので方針が揺らぐことはなく、せめてふたりが揉めている間に可能な限り逃げようとしたところ、むしろうるティの注意はこちらに向いてしまった。
これ以上逃げられないように狛ちよをタコ殴り(蹴り)にし、やめてと泣きすがるお玉を斬りつけた。
これにはママも怒った。
一宿一飯の恩もありやさしくかよわい「ダチ」であるお玉を傷つけられて怒るママと、弟をぶちのめされて怒るうるティ。
だが、もっとも怒っていたのはナミ。
もう引き下がれない。
無力な子供に手を上げるゲスな強者が許せないナミが肚をくくった。
さっきとは事情が変わったので、ママと協力してうるティを倒す展開も見えなくはない。ママにとってはナミごときと協力などせずともうるティを捻るなんて容易なこと。玉を傷つけたうるティは許せない。
手を貸してやろうか?というママの言葉をナミが固辞し、じゃあせめてこいつを使いな、と晴れてゼウスがナミの下僕になる未来が見えた気がする。
前回も書いたように、おこぼれ町を焼いたことに仁義を持ち出すくらいなら、ママはこれ以上カイドウとの同盟を続けることはできないのが道理。ナミがうるティを倒すことでナミやルフィへの怒りもある程度静まるなら、この討ち入りの戦力の構図は大きく変わるだろう。
だが「それはそれ」と割り切って、うるティ(とページワン)を倒すことでケジメはついたとママの溜飲が下がってしまったなら、ママは敵のままでいることになる。
それでも、ナミへの心象がよくなりゼウスを授けることが叶うなら、その関係変化は大きな第一歩となるだろう。ナミがローラの親友でもあることを思い出さなければ・・・だが。いや、これを機にローラの言葉に耳を傾ける気になるとかまで進展したら、それはすごいことなんだが。
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ところで、今回のサブタイトル「うず」っていったい何よ?
該当しそうなものといえば・・・
自らも戦いたくて「うずうず」しているヤマト。…これくらいか。
「ヤマトとモモの助がセットで狙われている」から自分が囮になる、と言うがこれは詭弁。
重要人物としてもっとも狙われているのはあくまでモモの助であり、敵にとってヤマトは必ずしも倒さなければならない理由がない。
錦えもんたちがすぐに到着するとはいえ、カン十郎も狙っているし無事引き渡すまではそばを決して離れてはいけない、常考。
腕に自信があるから戦うのが楽しいのか、それともヤマトの中の野生じみた本性がそうさせるのか、とにかくヤマトは戦いに参入したくてたまらないのだ。
モモの助の人形を囮とし敵方の戦力を削ぐつもりなのだと思ったが、
ルフィと父カイドウがサシの勝負をしている状況と聞いて「急がなきゃ」とは、何を意味しているのか。
このままではルフィは勝てないとヤマトだけが知る理由が何かあり、それをルフィに告げる、もしくは助力に行かないと負けてしまうという意味なのか、それともこのままルフィの勝利で決着がついたら鬼ヶ島が墜落してしまうことを危惧しているのか。
とにかく、ラスボス戦は最終局面に入りつつある。その上でヤマトには決着までにすることがあるようだ。もはやただ欲求の赴くままに暴れていていい局面ではないぞ、ヤマトよ。
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余談だが:
ヤマトから渡されたおでんの航海日誌。
海賊王のクルーだけが知っている「歴史のすべて」もそこに記されているはずだ。自分ごときが見てはいけない…と目を覆うしのぶがかわいい(覆えていないが
ところで、ワノ国の書物は当然筆で記されていると思うのだが・・・左開きってことは横書きされているんだろうか。海外に強い憧れを持っていたおでんだけに、あえて横書きで記したってことも考えられなくはないが・・・たぶん間違いだろうなぁ。