サイトアイコン 我思う故に・・・新館

ONEPIECE 1017「号令」


倒しても倒しても、次から次に湧いてくるカイドウ軍。一対一なら勝てるかもしれない幹部とのバトルに、いちいち横槍が入っては体力はもちろんメンタルも削られ続ける。
今さらそれに泣き言をいう彼らではないが、圧倒的な物量差は如何ともし難い。


そんな状況を一変させる(かもしれない)一発の号砲。


お玉の号令である。

前回僕が2500と仮定したオロチの軍勢が最低でも10000いたことが分かったので、ざっくり計算しなおして、お玉の号令に従いカイドウに反旗を翻すギフターズは前回の試算よりなお少なく150人程度となってしまうが、その戦闘力の移動という単なる足し算引き算以外にも、カイドウ軍に混乱をもたらすという目を見張る効果があった。


味方だと思っていた(というか、今の今まで確かに味方だった)自分より強い戦士たちがこぞって敵方に寝返ったのだから、そりゃあ何の特殊能力も持たないプレジャーズやウェイターズにとっては脅威だろうよ。

討ち入り勢にとっても、何が起きているのか分からないので混乱はあるが、後ろから撃たれる心配がないことが分かれば少しは安定するだろう。

果たしてこの戦力の移動が、CP-0が把握する数字に現れるのかどうかは限りなく疑問だが、戦場の「流れ」は大きく変わった。


ルフィはなんとかハートの海賊団に救助され、どうやったのか詳細は不明だがモモの助としのぶも無事だった。どちらも皆はまだ知らないことだが、今こそ攻勢をかける好機に違いない。

ライブフロアでは、すでにプレジャーズとウェイターズの裏切りが起きていたため、ギフターズまでが味方に転ずれば、幹部たちと元オロチの部下以外はすべて味方のはずだ。
残る主な敵はキング、クイーン、ペロスペローくらいか。あとはホテイ・・・www?


チョッパーは怪物強化モンスターポイント改良の副作用でミニサイズの年寄りに。見た目はともかく話し方が変化するとは、精神が老化しているのだろうか。(見た目は赤子、頭脳はジジイ…)

そんなチョッパーにミヤギが提案するのは、ゾウから持参した「超回復」の秘薬。チョッパーは医師として使いたくなさそうだが、


ゾロはそれを用いてどうやら戦線に復帰する気満々。


覚悟というか、何がもっとも大事なのかとか、頂上戦争のときのルフィと似たようなこと言ってるのがアツい。

めちゃめちゃ反則技くさいが、どうせ戦線復帰はするのだろうと思ってたので、その理屈の説明がなされるだけマシかと好意的に受け止めてみる。
なんだろうな… イワさんのテンションホルモンをアンプル化したものだったりして。

なお、芸者を求めて単独行動した後ふらりと現れモモの助を助けたものの、ふたたび情欲とロマンに負けてブラックマリアに捕われるという失態を犯したサンジの相手は、クイーンに決定。


さっきは自分からレイドスーツ着て出てきたくせに、ジャッジの息子呼ばわりされて激ギレしてるわ…

それで助けられる命があるのなら…と割り切れば、ジェルマ66の象徴たるアイコンを身に纏う屈辱は許容できても、ヴィンスモーク・ジャッジと並べて語られるのは許せないらしい。

クイーンはかつて「MADS」という狂科学者集団に属していたそうで、そこには恐らくジャッジも、そしてひょっとするとベガパンクもいた可能性がある。
いや、クイーンはどうやら血統因子には精通してなさそうなので、ベガパンクはいなかったのかな?

なんにせよ、サンジはこれまで知らなかった、知ろうとも思わなかったジャッジの一面をクイーンから知らされるような気がする。
それが身の毛もよだつほど嫌悪するような事か、わずかばかり父を見直すきっかけとなるようなエピソードかは分からんけどね。

さて、今回のキモはフーズ・フーによる告白。
ジンベエのことを「七武海の頃に見かけたことがある」と言っていたのが、ジンベエが七武海だった頃のことなのか、自分が過去に七武海に属していたのか分かりにくかったんだが、結論からいうとなんの事はない、前者だった。
ただ、七武海ではなかったが、なんとフーズ・フーはかつてCP-9だった。


天才ロブ・ルッチに比肩するほど有望(自称)と言われていたフーズ・フーは、12年前にたった一度ミスを犯した。そして投獄され、脱獄し、紆余曲折を経てここに至る…と。

そのたった一度のミスとは、重要な荷物の護送任務に失敗したことらしいが、これはまったく腑に落ちない。
政府の役人が仮に任務に失敗したとて、更迭・降格・罷免・資格剥奪または左遷などされることがあっても投獄されるなんて普通は考えられない。
失敗が決して許されないよほどの重要任務をミスし、仮にその影響が世界規模に及んだ責を問われたとしても、その存在自体が公にされていない「闇の正義」CP-9という組織なら、当事者を投獄するよりも情報秘匿のために抹殺を選ぶだろう。

つまりはそういうことだ。
フーズ・フー(本名は知らないが)たった一度のミスは、全世界を揺るがす、もしくは天竜人および世界政府に著しい損害を及ぼすような、超がつく大失態だったということだ。
そしてその重要任務の片鱗(もしくは全貌)を知ってしまったフーズ・フーは抹殺されるべく投獄され、刑が執行される前に脱獄した・・・と、こんなところか。


で、その大失態の際に奪われた悪魔の実こそが「ゴムゴムの実」なのだと。

ほへー…
12年前ってえと、ルフィがゴムゴムの実食ったのがちょうど12年前だ。
そのゴムゴムの実は、シャンクスの赤髪海賊団が「敵船から奪った」と言われていた。

シャンクスたちからすれば政府の護送船は敵に違いないんだが、赤髪海賊団が直接奪ったのか、奪ったのは別の誰かで、赤髪海賊団はその誰かから奪ったのか。

まぁ… 自称ではあるがルッチに相並ぶほど有望だったCP-9が護衛しているにも関わらず奪われたのだから、奪った海賊は相当にキレ者もしくは強者だったはずだ。シャンクスたちが犯人と考えていいだろうな。

CP-9が護送していたものが「ゴムゴムの実」だけだったとは言っていないが、フーズ・フーの口ぶりでは、輸送品の中でも重要度の高い部類に入っていたことは間違いない。シャンクスがこれを狙って奪ったのだとすれば、政府のみならずシャンクスもまた「ゴムゴムの実」に特別な価値を見出していたことになる。

と、なってくると・・・
シャンクスは13年前にルフィと出会い、ロジャーと同じ言葉を口にするその少年に、わざと「ゴムゴムの実」を食べさせた可能性が出てくる。
シャンクスはロジャーとともにラフテルへは行っていないが、何らかの方法でロジャーやおでんが知った歴史のすべてを知り、未来の出来事に積極的に介入するべく歴史を巧みに操作しているのだとすれば、シャンクスは明確な未来予想図を描いた上でルフィに「麦わら帽子」を託し、未来へと誘導しているのかもしれない。
そうすると、左腕を失ったのもわざと・・・だろうな。いや、失ったふりして本当は失っていないかもしれないな。

シャンクスはかつての海軍元帥センゴクも、世界政府と天竜人のトップである五老星にも一目置かれているし、なにより彼自身が天竜人である疑いがある。(天竜人はバギーの方…という説もある)とにかく含みが多く、ワンピ史上最大級に謎の深い人物と言って差し支えない。

おそらくシャンクスは、自分の特殊な生まれや立場を最大限利用して、彼にしかできないことをやっているのだ。
最終的にはルフィが超える対象となっているが、願わくば、敵ではないと思いたいものだな・・・。

モバイルバージョンを終了