お玉の号令によって、事前にきびだんごを食べた(食べさせられた)ギフターズたちが、こぞってカイドウ軍に反旗を翻した。その数300。
僕の試算では150だったんだが、ギフターズ:プレジャーズ:ウェイターズの割合が間違っていたんだろう。
当たり10%からして、ギフターズ:プレジャーズを1:10と計算していたのが、そもそも間違ってたし、(正しくは1:9)、ウェイターズがさらに十倍いるという仮定もやや乱暴だったかもしれない。
また、真打ちの立場にあるギフターズの翻意により、SMILEを食っていない彼らの部下にもそれに続く者が現れ、1000の戦力が討ち入り勢に移動した。
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1000人が離反してさらに1000人がリタイアしたとのことだが、カイドウ側の戦力はいつの間にやら4000も減っているし、裏切ったのは1000人なのに討ち入り勢が2000人増えている謎…。
まぁ、徐々に数字の上の戦力差はなくなりつつあるということが言いたいのだと思うが…
ところで、
今のCP-0ならオロチが存命であることも分かっているはず。彼らを鬼ヶ島に招いたそのオロチはすでにその権威をほぼ失い、鬼ヶ島はおろか、ワノ国中に彼らの味方はひとりもいない状況となっているにもかかわらず、この混乱の場を去ることなく高みの見物を決め込んでいるのは、閉ざされた国で今、四皇ふたりと、次の四皇と一部で目される若き蛮勇たちの戦いの顛末を見届け、それを情報として持ち帰らなければならないからだ・・・
・・・と思ったら、
彼らCP-0の目的(のひとつ)は、フーズ・フーの始末をつけることだった。
一般にその存在を知られることのない闇の諜報機関のケジメとして、抜けスパイを容認・放置できないのは、まぁ理解できる話だ。
どのみちフーズ・フーは誰かに殺されることが決まっているのだが、そもそも重要な任務を失敗したから殺されるのか、看守から「とある伝説」を聞いてしまったから殺されるのか、脱走(=反逆行為)したから殺されるのか、いまいちハッキリしない。
ただ、読者としては「太陽の神ニカ」の伝説のことだけでも、ジンベエから聞き出して死んでもらいたい。「ゴムゴムの実」がなぜそんなに重要アイテムなのか?の秘密や、シャンクスがどんな暗躍をしてきたのかは、どうせ追々明らかになるだろうから。
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「太陽の神ニカ」
大昔、人々を笑わせて苦悩から解放したと伝わる伝説の戦士。奴隷たちの信仰の対象となっていたとのことで、投獄されて厳しい罰に耐えかねたフーズ・フーが、苦しみのあまり、それが何かも知らずにすがったこともあるという。
この辺りで、フーズ・フーのCP-9としての素養の底の浅さがなんとなく伺い知れた気もする。
結局のところ彼がなんの咎で投獄までされたのか分からない限り、罰の激しさを想像することもできないので、無責任に身も蓋もないことを言わせてもらえば、フーズ・フーには「闇の正義」としての適性がなかったのだろう。
そんな彼に殺人許可を与え、超重要任務を任せた政府にも責任はあるが、なにせ世界政府=天竜人は無謬の存在である。尻尾を切って始末をつけるのは至極当然だ。
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話を戻そう。
フーズ・フーに「太陽の神ニカ」の伝説を教えた看守は消されたそうである。
罪人に一縷の希望を与えた事に問題があったのか、「太陽の神ニカ」が政府(もしくは他の誰か)にとって安易に触れてはならない話題だったか、でなければ、その看守が背任や汚職で偶然そのときに処罰されたか… だが、「伝説の神にでも祈ればぁ?」的な感じで笑いながら言ったそうなので1つ目はない。まぁ二番目の疑いが濃厚だわな。
「魚人の歴史は奴隷の歴史」
フーズ・フーはかねてから気になっていた「太陽の神ニカ」のことを、魚人コミュニティを束ね裏社会にもネプチューン王家にも顔が利くジンベエなら知っているだろうと思ったらしい。
ジンベエの反応を見る限り、「太陽の神ニカ」の伝説はただの風説ではなく、何か世界の謎や闇に通じているニオイがしないでもない。少なくともジンベエは何かを知っていそう。
だが、仮に知っていても懇切丁寧に説明してやる義理はないし、もとより魚人の特殊な歴史を尊重する気もさらさらなく、ただの野次馬根性で土足で踏み込む輩にくれてやる土産などない。それがルフィを逆恨みする敵ならなおさらだ。
フーズ・フーはでっかい地雷を踏んだ。
ぶぶ漬け食って、とっととお帰りやす。
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迫害され続けた結果、海底に安住の地を設けた魚人族にとって、太陽が特別なものであることは間違いない。
「太陽の神ニカ」が魚人だけではなく、広く奴隷に崇拝されたにも関わらず、人の世にその伝説があまり伝わっていないことが謎を深めているが、
フィッシャー・タイガーが作った「タイヨウの海賊団」の名前の由来が「太陽の神ニカ」にあるのだとしたら、たとえばタイガーが見た「夢」だとか、実は説明するのもくだらないほどのただの与太話って可能性もあるのかもな…。