ロビンvs.ブラックマリア
さぁお仕置きの時間よ!「ダイモンガー」とばかりに相手よりも巨大化。
正確には、大量に咲かせた身体の部位を縒り合わせて巨大ロビンを形づくっているので「巨大化」ではない。「投影」といったところか。「全裸」巨大ロビンじゃなかったのは残念ポイント。
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さて、いきなり余談だが、ロビンの「ハナハナの実」について考えてみる。
ロビンの能力は超人系パラミシア悪魔の実「ハナハナの実」。
身体の部分を”花のように”自在に咲かせることができる。うん、もうこの時点でかなり不自然だと思わないか。
超人系だから、想像でき得るどんな能力でもアリっちゃアリだ。だが、この能力に「ハナハナの実」という名前がついていることに違和感はないだろうか。
「花のように」というのは主観でしかなく、ロビンの能力はあくまで身体のパーツを自在に組成する能力でしかない。フワッと咲こうが、「〜輪咲き」と名付けようが、花はまったく関係ない。
誰が見ても「花が咲いているようにしか見えない」というなら話は別だが、そういうワケでもない。
悪魔の実の名前の由来に一定のルールはなく、能力を象徴する擬音・オノマトペ(ゴロゴロ、モクモク、ヒエヒエ、ノロノロなど)や、そのものズバリ(ゴムゴム、バネバネ、ボムボムなど)、ちょっと苦しいが単語のアタマの文字だけをとったもの(マグマグ、サラサラなど)などがあるが、「花のように」咲かせるから「ハナハナ」だとぅ? ・・・だったら、花や木などの植物の能力者はどうした?
「ハナハナの実」ならば“花のように”咲かせる能力ではなく、花を咲かせる能力だろうよ。
理由付けが少々強引でも、ロビンの能力が「ハナハナ」でなければならない事情がオダッチにあったのだとしたら、それはそれで、またぞろ「2929の実」の能力者参入が気になってくるんだが、それは今回はひとまず置いておくとして、
では、仮にロビンの能力が、オダッチの都合で「ハナハナ」という名前ありきだったとして、”花を咲かせる能力”ではなぜダメだったのか。幽白の蔵馬とかピスケスのアフロディーテみたいな(例えが古いな…)戦い方でもいいじゃない。・・・なぜか。
いくつか考えられるんだけど、まず植物を動物系悪魔の実のように細かく分類してみると、ラン、ユリ、ケシ、バラ、キキョウ・・・と、おや? なんだかイケそう。例えば「ユリユリの実 〜モデル:チューリップ〜」「ケシケシの実 〜モデル:虞美人草〜」とか。でも「バラバラの実」はバギーの能力に早々に使ってしまったので使えない。さらに、能力も見た目も個体差が分かりにくい。これは・・・動物系ゾォンに植物を入れるのは難しいな。自然系ロギアに植物の能力を組み入れるのもなんだか違う。
植物を操る能力というと、映画「Z」に登場したゼットの部下ビンズの「モサモサの実」くらいしか今ぱっと思いつかないんだが、これはそこにある植物の成長を促して操る能力で、何もないところに花を咲かせたりはできないので、直接的に植物をモチーフとした能力とはいいにくい。・・・ほかに居たかな・・・。
要するに使いにくかった、ということか。
動物系と同じ感覚で分類すると絵面が映えない。植物草木ひとまとめにすると、括りが大きすぎて不自然。
とはいえ、植物を生み出し操る能力がまるで登場しないのも、これまた不自然だ。
今後もしくは物語終盤、とても手強い敵として植物草木全般を司る能力者が登場するかもしれない。
・・・とすると名前は「リョクリョクの実」とか、”プラント”から「プラプラの実」とかかなぁ・・・。
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で、盛大に横道にそれたが話を本筋に戻そう。
身体の大きいブラックマリアに対抗すべく、自身の分身を巨大投影したロビンだったが、2年前はできなかった全身を咲かせる技、しかも巨大化とくればロビン自身の消耗が激しい。
短期決戦で仕留めるつもりだったようだが、巨大な体躯はマリアの攻撃のいい的に、そのうえ分身が受けたダメージはロビン本人をさらに消耗させる。
たまらず巨大分身を解いたロビンだったが、自らを「格闘家」と称するマリアに執拗に殴り続けられる刹那、革命軍での打撃技指南を思い出す。
いまだに仲間との信頼関係を侮辱し続けるマリアに対し、ロビンが取った戦法は「掌底」。
だが、その掌底はマリアを打つものではなく、フロアの天井を打ち抜いた。
崩れ落ちる瓦礫にマリアが気を取られたスキに、ロビンがふたたび生み出した巨大像は、
その禍々しい姿に恐れおののくマリアへのトドメの技は、あくまでロビンお得意の関節技だった。
コアラ直伝の魚人空手を取り入れた虎の子の打撃技は、危機回避の手段としてしか用いなかった。敵を直接攻撃するのは極め技とビンタ、あと踏みつけ、これはロビンの美学なのだろうか。
「悪魔の子」と呼ばれたロビンが、悪魔の姿になってみせる。これはロビンの怒りを表しているだろう。巨大ロビンは実物大の身体パーツの集合体。翼や角など見た目の印象だけの余計な意匠にも、ただでさえ消耗激しい分身が割かれている。
一味の「お荷物」である悪魔の子などどこにも存在しない。目的と絆さえあれば、悪魔と呼ばれることにも傷つかない。むしろ悪魔にだってなってやるという覚悟が表れているのだ。
それにしても、ブラックマリアはショボかったな。
冷静になれば、巨大ロビンそのものの能力は変わらないはずだ。むしろ悪魔の姿なら、翼にだって当たり判定があるだけ弱点が増えているといってもいい。ここまで圧倒してきた戦い方を続ければマリアの勝利は確定的だったのだ。
しかしマリアは臆してしまった。悪魔姿のロビンに本物の悪魔を感じてしまったのだ。
取り巻きのザコどもはブルックが撃破。えーと、これで飛び六胞は全滅なのかな。
残るはカイドウとビッグマム、大看板の災厄三人とペロスペロー。ペロス以外のママの子どもたちは参戦するんだろうか・・・。ホーキンスはキラーが倒したかな?逃げたかな? あ、オロチ忘れてたけど、どうでもいいわ。(たぶん傳ジローが始末するだろ)
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その頃地上では、
しのぶに「何か」を切に説くモモの助。
今も命がけで戦う同士たちの心の支えとなるため、カイドウにもう一戦挑むため、龍となりルフィを連れて空を飛び鬼ヶ島へ戻れと言われたモモの助の重大な決意。
しのぶの「ジュクジュクの術」で拙者を「大人」にしてくれ!!!
なんと!
モモの助はルフィを連れて戻るだけではなく、どうやら戦力となるつもりらしい。
モモの助が食べた人造悪魔の実は、かつてベガパンクがカイドウの血統因子からつくったもの。ベガパンク曰く「失敗作」という事がいささか気にかかるが、CP-0が恐れるほどのポテンシャルを秘めているのだ。
しのぶの「ジュクジュクの術」は、ものを腐らせる能力かと思いきや(笑)さにあらず、対象物を成熟(追熟・過熟)させる能力だった。
8歳のモモの助を、強制的に大人に成熟させることが可能、しかし元に戻ることはできないという。
モモの助は、大人になれば変身する龍もまた強くなる。ひょっとすると、その能力がカイドウに由来することに気づいているのかもしれない。
だが、龍になるとは、ワノ国を暗黒に貶め父おでんを死に至らしめた、トラウマともいうべき力に頼るということ。
もう歳相応の姿に戻れなくなることよりも、その葛藤は小さくないはずだ。
モモの助の大きな覚悟。間違いなく戦局を大きく動かす鍵となるが、トラウマを克服することが果たしてできるのだろうか。