ゾロ・サンジとキング・クイーンの残存主力の戦いの邪魔をしないように、他の階からライブフロアへの敵の流入を必死で堰き止めるフランキーたち。
カイドウのことはルフィを信じて任せるとして、キングとクイーンを落とせば鬼ヶ島はほぼ制圧したに等しい。この討ち入り戦の趨勢はここに懸かっている。
他にまだ強い敵は残っているにはいるんだが・・・
ビッグ・マムをキッドが倒せるとはちょっと思えないので、何か小さな目的を達成するとか、余所でもっと重大な事件が起きるとかを理由に撤退するんじゃないだろうか。いずれにせよ、ビッグ・マムをここで倒すことはないような気がして・・・ ママをヘコませるのはやっぱりルフィの役だと思うし…。
キッドの命を盾にとったホーキンスにキラーがどう対応するかが興味深いが、ホーキンスのカイドウへの忠誠はあやしいものなので、何かのきっかけで「今なら無事にバックレられる可能性90%」とか何とか、姿を消すってこともあるかも。
ジャックはイヌアラシが、ペロスペローはネコマムシがそれぞれ倒すだろう。ミンクたちもスーロン化して加勢するかもな。
福ロクジュは雷ぞうに敗れるか、雷ぞうの言葉に今さら心が揺らぎオロチを裏切るか。
そしてそのオロチは(強い敵にはまったく数えられないが)今の動向が描かれていない傳ジローが始末すると見た。
│
まぁ、そんなこんなで、ゾロとサンジの戦い以外はもうそんなに重要じゃない。そんな混沌を絵に描いたようなライブフロア周辺をさておき、ドクロドーム屋上ではルフィの帰還までを繋ぐヤマトとカイドウの壮絶な親子喧嘩が・・・
もとい、古くからワノ国の守り神とされる「大口真神」の悪魔の実を食べたヤマトと、現在のワノ国に”明王”と称して君臨する「青龍」の能力者カイドウの、熾烈を極める戦いが行われていた。
そんな中、ヤマトは自分が「おでん」を名乗り始めた頃のカイドウの仕打ちを思い出す。
│
「おでん」を名乗るなら死ね。
反抗的なワノ国の剣豪を捕らえた岩牢に鎖で繋がれたヤマト。時期的にはおでんが処刑されて数日から数ヶ月といったところだろうか。
│
侍三人とヤマトに対し、一人分の食事と刀を数本与えるカイドウ。
しかしカイドウの思惑に反し、侍たちは食事の奪い合いをすることも、ヤマトを傷つけることもしなかった。
ヤマトに優しく接し食事を譲る侍たち。
「サムライは腹など空かぬ」
一瞬信じたヤマトも、後にそれが彼らのやせ我慢であることは理解できただろう。結果、ヤマトの中のサムライというものの存在、ひいては光月おでんへの憧れをより強調することとなった。
あの状況でどうやって隠し持っていたのか少し気になるが、カイドウも知らないはずの「おでんの航海日誌」の内容を読み聞かせてもらい、10日が過ぎた。
この情報を共有したことは大きかった。
彼らとしても、このままヤマトを衰弱死させ、おでんの航海日誌を朽ちさせてはいけない。カイドウに回収されるのはもっとダメだ、と判断したのだろう。
サムライたちは、ヤマトを解放するため岩牢を破壊した。
そのサムライの一人の背中には「霜月」の家紋が。
おそらくこの男こそが鈴後の大名:霜月牛丸であろう。ゾロに似ているかどうかは…う〜ん、まぁ似てんじゃね?
この後、牛丸の相棒:狐のオニ丸はたった一人で鈴後の刀塚を守護し続けることになるのだから、岩牢を脱出する際もしくは脱出から程なくして、牛丸は命を落としただろう。
彼らが「おでんの航海日誌」から得た知識を誰かに伝えることはできただろうか。
いや、規格外こそが魅力なおでんの伝えだとしても、あまりに奇想天外・荒唐無稽な未来の出来事を、事情を詳しく知らない他人に知らせるなど詮無きこと。いずれ、その時代に直面する者が解決するだろう。そのためにヤマトを救う。
彼らは、ヤマトに未来を託したのだ。
│
ただ… ちょっと理解しかねるのは、カイドウの真意だ。
侍たちが、少ない食事を取り合って殺し合いをすると、本気で思っていただろうか。また、実子だからといって、カイドウへの恨みを子供に返すなんてことを「侍」がしないことだって、カイドウは分かっていたはずだ。
少しでも仲違いをしたり、斬りつけるまではせずとも恨み節をたれて迫るなどすれば、その恐怖にヤマトが心変わりするだろうと考えてのことだったんだろうか。
カイドウは「侍」の矜持と「高楊枝」を甘く見ていたようだ。
│
もうひとつ気になったこと。
現在「ぼっちゃん」と呼ばれているヤマトが、この頃の百獣海賊団では女性の扱いを受けていた。これは「ぼくはおでんだ」と言いはじめた頃の話と考えれば辻褄はあう。ヤマトが、自分はカイドウの「息子」だが「おでん」なのだ、とある日突然言い出したらまぁ周囲は戸惑うわな。
そして今回の騒動があって、岩牢を出たあともヤマトは心変わりすることもなく「ぼくはおでん」カイドウの「息子」と言い続けたので、次第に周囲が「ヤマトぼっちゃん」と呼ぶようになったってことだろう。
疑問なのは、現在のカイドウがそれを黙認していることだ。それどころか自分でヤマトのことを「息子」と呼んでさえいる。
カイドウはヤマトの強さを認めていて、苦労して手に入れた「大口真神」の実を食べたからには、自分のために働かせたいと考えているようだ。
しかし、だからといって「「おでん」はダメだが「息子」と名乗るのは認めてやる」なんて一部譲歩をカイドウがするとも思えないし、ヤマトにとっては「おでん」が男だから「息子」と名乗っているに過ぎないので「おでん」がダメなら「息子」だけを名乗る意味がない。この理屈がカイドウにだってわからないハズがない。
たとえば…だが、
カイドウは息子が欲しかったが、生まれたのは女の子だった。8歳になるまで娘に興味はなかったところ、その娘はある日突然「覇王色」という強さと有能の片鱗を見せ、自分を男だ「おでん」だと言いはじめた。
これだけいいモン持ってるんなら、いいだろう、息子として厳しく育ててやろうじゃないか。と、度々挑んでくるヤマトを、毎回殺す気で返り討ちにしてスパルタ教育してきた。「おでん」だなんだと言うのも一時の熱病みたいなもので、じきにやめるだろう。
そんな経緯で、カイドウはこの時を境に「息子」として扱いはじめたんじゃないかな。
ほんで、あと・・・
カイドウもヤマトも角は自前のものっぽいし、「鬼姫様」ってことはアレだね。
やっぱりこのふたりの正体は「鬼」だよね。
│
最後に余談だが:
前回のエントリに書いた「動物系能力者の変型のルール」について、先日発売されたコミックス100巻でオダッチの解説があったね。
動物系の変型には完全に決まった型はないんだってよ。もうびっくり。
じゃあ・・・オニグモ中将も・・・なのかねぇ・・・(しつこい