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ONEPIECE 1025「双龍図」

ヤマトとカイドウ、互角とも思える壮絶な激闘の中で、20年に亘って逆らい続けるヤマトへの不満を今さら漏らすカイドウ。


カイドウには、ヤマトのことを息子として(または娘として)ひとりの成熟した大人として尊重する気持ちがまるでない。自分のために働く駒として、良いポテンシャルを持っているのに従わないことが気に入らない。それでも縁を切るでも殺してしまうでもなく、策を弄してなんとか従わせようとしてきた辺り「実の親子」というしがらみがカイドウの中にもあるのだとしたら、ある意味ジャッジよりも人間的といえるかもしれない。

島に幽閉することで外の世界の情報を遮断し、食事や快適な生活を取り上げて退路を断ち、岩牢を出たあとも島中を逃げ回るヤマトをこっそり援助した者をことごとく処刑し、他人との関係に「情」を介さない「力」と「恐怖」の支配関係を植え付けるための英才教育を施してきた。


「おでんを名乗るなら死ね」
ヤマトが馬鹿ではない限り、カイドウの認識ではこれで十分なはずだった。死にたくないから従い、支配する側に身を投じる。なぜたったそれだけができないのか、そこがカイドウには理解できない。

だが、
ヤマトは「おでんの航海日誌」で外の世界への憧れと、過去や未来の出来事を知り、その中で世界の進む道、人の歩むべき道を彼なりに考え抜いただろうし、施しをする甘い人間関係よりももっと深く結ばれたエースとの友情があったことを、おそらくカイドウは知らない。

加えてエースの義弟:ルフィと、おでんの息子:モモの助との結びつきができた以上、もうヤマトの心がカイドウの願い通りになることはないのだ。

さて、そのモモの助とルフィであるが


見た目は大人になっても頭脳は子供だ。なんとか飛んだものの、恐怖のあまり目を開けられないモモの助は、ドクロドームと城内を突破しまくった後なんとか屋上へ。


ここで、カイドウとは別の「龍」(しかもルフィつき)の存在を、敵味方に知らしめることができたことは大きな効果を生むはずだ。


ついに双龍相討つ。バトルは佳境へ・・・。

モモの助が食ったベガパンクの手による人造悪魔の実は、カイドウの「血統因子」を抽出して作られたもの。その結果、モモの助はカイドウにそっくりな龍に変化した。

はて・・・?「血統因子」とは、ゲノム解析のような所謂「生命の設計図」のこと。カイドウから抽出できるのはカイドウという生き物の「血統因子」じゃないのか。
カイドウという地上最強の生物は、ただ強いだけのヒトではなく、「鬼」に由来する古の種族か、もしくは遺伝子操作などを施された人間かのいずれかではないかと僕は考えている。もし前者であれば、カイドウから作られた実を食べたモモの助は「鬼」に変身する能力を身につけるのが常道ではないのか。

“ラッスー”や”ファンクフリード”など、物が悪魔の実を食べた例を見る限り、動物系悪魔の実にはそのモチーフとしての生物の生命が込められている。そう考えると、動物系能力者は実の動物の生命(すなわち遺伝情報)を併せ持っているともいえるので、ベガパンクはカイドウから「青龍」の「血統因子」だけを抽出したことになる。


ここで思い出すのは、この人造悪魔の実をベガパンクが頑なに「失敗作」と言って譲らなかったこと。
「失敗作」として手放さなかったため検証ができなかったのだろうな。そのため、どうやらCP-0もこの意味するところを理解していないらしい。

能力者本人の「血統因子」ではなく、動物系悪魔の実”そのもの”の「血統因子」を人工的に実に定着させることができるということは、同じものが2つと存在しないと言われる悪魔の実の量産が、動物系に限っては可能になるということだ。これは凄いことじゃないのか。

この十分以上に利用価値がありすぎるスゴい発明を、ベガパンクが「失敗作」と言ったのはいったい何故か。

ベガパンクは「青龍」ではなく、あくまで「カイドウ」の悪魔の実を作りたかったので失敗と考えたのか、はたまた強力な悪魔の実を無限に生み出すことの危険性から「この技術を政府に引き渡すわけには行かない」という反政府的な考えから失敗を装ったのか。
この問題は、ベガパンクの人となりを占うキッカケにもなりそうだ。

あー、あと・・・


カイドウ、自分で「鬼」って言ってるね。やっぱりな。比喩かもしれんけどね…

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