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ONEPIECE 1028「ブラキオ蛇ウルス」

「なんとしても鬼ヶ島を止める!」と息巻いて、20年分成長するという後戻りできない覚悟を見せたかに思えたモモの助だったが、覚えたての「焔雲」を自由に操って巨大な島を動かさないと大惨事になる、しかもあと5分以内に、というとんでもない重責を担ってしまった。


いやムリムリ…と尻込みしていたよりは一歩前進したようだが、実際のところやり方がわからなくて半泣き状態。
多少コツを掴んだところで、カイドウ以上の規模の「焔雲」を出して操ることができるとはとても思えない。


ルフィからモモの助のバックアップを任せられたヤマトが、その任をさて置き、鬼ヶ島に残存する武器弾薬を何とかしようとしていることが、被害を最小限に留めるのみならず、モモの助の拙い「焔雲」と何らかの相乗効果を生み出して惨事を回避することに期待してみるか。


花の都で用意されていた死者を弔う「空船」も何かの役に立つかもしれない。

さて、現在の鬼ヶ島の主なバトルはルフィVS.カイドウ、ゾロVS.キング、サンジVS.クイーンだが、前回新ネタ煽って盛り上がったキング戦について今回は新展開なし。
サンジとクイーンの戦いに焦点が当てられた。


クイーンはサンジに、先だって「消える」技を見せたレイドスーツを着ろと執拗に追求する。
「プライドで救えない命が救えるなら、忌まわしいジェルマの科学でも使ってやる」的な歩み寄りを一度は見せたサンジだったが、ジャッジをよく知るクイーンからこれ以上「ジャッジの倅」扱いをされることが許せないのか、頑なに拒否。
いや、もしかするとレイドスーツを着ることによって起きた身体への違和感を警戒しているのかもしれない。


無改造(本人談)の恐竜の本気を見せると、スペイザー胴体から「ダイザー・ゴー!」したクイーンは、スペイザーに手足を置き去りに、大蛇のような姿(ブラキオ蛇ウルス)でサンジを拘束した。
その締め付けたるや「いかなる武装色の達人でも再起不能」にできるそうだが、ビッグ・マムにはビビってたから例外もあるのだとは思う。

技を解かれたサンジは・・・


全身バッキバキ。しかし叩いて補正すればカタチだけは元通り。


う〜ん・・・これはもう決定的。
ジェルマ最強の人間兵器を生み出す血統因子の操作が、今頃になって効果を顕したとしか、受け取りようがない。
「あんな怪物になるのはいやだ」とは正直なところだろうが、すでに意思の力で変化を抑制できる段階ではなさそうだ。
子供たちをそんな風にさせまいと、命を懸けて抵抗した亡き母ソラの想いは、せめてサンジが感情を失わなかったことで納得しなければならないのだとしたらかなり切ない。

この身体の変容をどうしても受け入れることができなければ、ジェルマの科学力で元に戻してもらう(可能かどうかは知らん)か、極端な話、死を選ぶかしかない。

ただ、ジェルマの科学を一度は受容したサンジである。なんとかポジティブに受け入れる選択はないものか…

だが、今は作戦の完遂が優先されると思われ、忌々しくともその力を用いてクイーンを圧倒。倒したクイーンから嫌味も含めたジャッジの情報が手に入るかも。
人間らしくなくなってしまった心の葛藤はシリーズの後…って展開かな。
まぁ、仲間には「おれは怪物でいい」とある種の悟りを開いたチョッパーもいることだし、なんとか落ち着いてほしいものだ。

さて、戦場の勢力分布などつぶさに監視しているはずのCP-0がおとなしいなぁ…と思っていたら、2匹目の龍について言及が。


いや、それよりもルッチから通信が入ったことの方が重要か。


ルッチが云うには、万が一カイドウが敗北するような事があれば、ワノ国は世界政府の管轄地として支配する準備があるとのこと。
「カイドウの負けは、まぁないだろ」と思いながらも、有事のためにすでに軍艦を向かわせているという。
海軍は七武海殲滅のために総掛かりで、ワノ国に助けを出す余裕はないようなことをドレークとコビーが話していたが、この加勢の軍艦はどこの戦力なんだろうか。

政府はこれまで、カイドウを後ろ盾に持つオロチに無茶な条件を突きつけられながらも、兵器の取引をしていた。
カイドウの敗北のみ条件とするということは、オロチが死亡したかどうかはこの際関係がなく、これまでカイドウの存在がネックだったということなのだろう。

政府はワノ国を直轄してどうするつもりなのか。
カイドウ・オロチの後を引き継ぎ、一大兵器工場として維持するつもり?・・・それもあるかもしれないが、おそらくはこの先に起きる大戦争の要地として、ワノ国は地政学的または歴史的な大きな意味を持つのだと思う。だからこそ、カイドウもワノ国に拘ったに違いない。

カイドウというネックが居なくなったなら、ほかの海賊に押さえられる前に、どさくさ紛れにでも旗を立ててしまおうという考えなのだ、きっと。

そして、ルッチからもう一つの指令。


ニコ・ロビンを連行せよ!!!

ロビンは、過去を紐解き未来への道標を示す、世界でほぼ唯一の存在。
二年前のエニエスロビーでの敗北を根に持ち、特に私怨と執念を燃やしているとはルッチの性格上考えにくいが、麦わらの一味の政府に対する危険度を考えれば、一味に居させることが好ましくなく、また今回カイドウが勝利する場合、カイドウの手に渡れば政府の手出しがより難しくなるため、これまたどさくさ紛れにでも身柄を確保しろ!と言っているのだろう。

ロビン・・・攫われるのかなぁ。

ところで、CP-0は二匹目の龍がベガパンクの人造悪魔の実であることに気づいた。

僕は1025話のレビューで、ベガパンクがカイドウから「カイドウ」の悪魔の実ではなくカイドウが食った「悪魔の実」の複製を作ったこと、同様の「悪魔の実」をもう一つ作る技術を確立したことって、めっちゃ重要じゃないのか?と問うたのだが、今回もCP-0はそこに触れていない。

もしかすると、「悪魔の実」の複製を作ることはとっくの昔に政府では周知の技術で、今回つくづく失敗作で良かったと感じていたのは、単にそれが「龍」というとんでもないチートな実だったからである可能性もなくはないが・・・。
まぁ「悪魔の実」は、何系の何の実かが重要なのではなく、食べた人物の努力と研鑽、創意工夫や精神力の方が強さの秘訣っぽいので、強い実を複数用意することに、政府はあまり意味を見出していないのかもしれないな。・・・いや、やっぱりそんなことないと思うけど・・・。

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