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ONEPIECE 1030「諸行無常の響きあり」


回る火の手から逃げるウソナミの前に現れた面妖な「喋る下半身」。見覚えがあるその風体は紛うことなき錦えもん(の下半身)。
カイドウに背中(腰?)をブスリと刺された錦えもんは死んではいなかった。
パンクハザードで、ローにバラバラにされた切り口が完全にくっついていなかった(w)おかげで、身体を切断されたように見えただけだった。

ローの能力的に「そんなことあるのかな?」と少し疑問に思ったが、ひょっとしたら後述するローの(今の)行動に何らかの影響を受けている可能性はあるかもしれない…。

ともあれ、瀕死の錦えもんはなりふり構わず助けを求めた。触覚で味方であることが確認できたことは偶然の幸いだった。

致命傷を負い、おそらく今さら戦線に復帰できるとも思っていないながら、ただ自分と同じく死に瀕している菊の命を救うことができればいいとの思いだっただろう。ほかの赤鞘たちもそれぞれ自分のシゴトを全うするはず。カイドウのことはルフィに任せた。
無念だがひとまず自分たちにできることはここまで… それくらいの気持ちだったと思われる。

だが、錦えもんは知ってしまった。


オロチがまだ生きていることと、カン十郎の執念で産み出された炎の魔物が地下の武器庫に迫っていることを。
このまま潔く死を待つことなどできるはずもない。満身創痍の身体で錦えもんは今何を思うのか。


オロチは地下の武器庫を爆破して鬼ヶ島をまるごと吹き飛ばし、自分だけは逃げる算段のようだが、いったい逃げてどうするつもりなのか。
鬼ヶ島を吹き飛ばせば、討ち入り勢の海賊と侍やカイドウの部下のほとんどは死亡するが、空を飛べるカイドウ、キングと何人かのSMILEは生き残る。おまけに爆発の余波で花の都が壊滅すれば、落ち延びたあとに再起をかけるための有力な部下も貴重な領民もほぼ全滅。
黒炭一族積年の恨みを晴らし、忌まわしい光月家復興の憂いを断つことさえできれば本望なのかと思いきや、カン十郎と同じほどその覚悟があるようには見えない。「生」への未練はタラタラだ。

「驕れる者は久しからず」お前が言うなし。どうせ福ロクジュ来ねェし・・・。

その頃、仕切り直したVS.ビッグ・マム戦では、ローとキッドが次なる作戦を展開していた。


ふたりは悪魔の実「覚醒」の入り口に立っており、まだ慣れないその能力は体力の消耗が激しく実戦で使うレベルにないそうだが、どうやらその「奥の手」を使ってママを倒すつもりらしい。


ふたりともこれまでとは違う新しい技を繰り出してきたが、はたしてこれが「覚醒」した能力なのかどうかはまだ分からない。
これまで見てきた「覚醒」した能力者といえば、インペルダウンの獄卒獣たちとドフラミンゴとカタクリだが、


「覚醒」とは、自分以外にも能力の影響を与えることができるようになるといい、ドフラミンゴやカタクリは自身の身体を変形させたり物質を生み出すだけでなく、建物や地面を糸や餅に変化させて攻撃できた。
動物系とは能力の特色が異なるので、これは超人系に限った「覚醒」の定義なのかもしれない。




ローもキッドも新技を出してきたが、まだ「覚醒」の糸口を掴んだに過ぎないとはいえ、これが「覚醒」した技なのかと云うと、それは微妙だ。

ローに関していえば、もともとローの能力は何かを生み出したり身体に特質を持たせたりするものではないので「能力の影響を他者に与える」といっても、それがどういう効果をもたらすのか想像するのが難しい。

ただ、ひとつ思うのは錦えもんの下半身についてだ。
以前ローに斬られた切断面がちゃんとくっついていなくて、カイドウに斬られた衝撃でポキリと折れたのではなく、制御が難しい「覚醒」した能力の及ぶ範囲をローが「他者へ…」と広げた余波で、過去に切断した錦えもんの身体が今頃になってその影響を受けた可能性はあるかな・・・とは思う。

タイミング的には、カイドウが錦えもんを刺した時間と、ローが「覚醒」した能力を使う決意をした時間に差がかなりあるので、
カイドウに両断されてしまった身体の切り口が今になってローの「覚醒」の影響を受けて生命活動のリンクを回復したか、もしくは、カイドウには刺されただけで真っ二つにはなっていなかったが、今ローの「覚醒」の影響でふたたび分裂したか・・・ってのが僕の考えだ。

ともあれ、このリスクの高い攻撃でママを黙らせることができるのか、ふたりの進化と協力プレイに注目だ。

一方、ライブフロアの騒動から逃れて一息つくアプーは、ドレークを懐柔しようとしていた。


アプーは、ドレークが「海軍のスパイ」であることに気づいている。

その上で、カイドウを討ち取る意志がドレークにあるかを問う。カイドウを倒すこれ以上の機会は今後もあるかどうか分からない。この際手を組まないか?ということだ。
キッドとホーキンスを裏切ってカイドウに売ったアプーが、今度はカイドウを倒すために手を貸せという。信用できるはずがない。


元海軍将校という触れ込みの海賊が、実は今も海兵のままカイドウの部下として潜入していたドレークだって信用できない、それはお互い様だとアプーは云うがそれは違う。

ドレークは退官も、海賊への転身も、カイドウ軍への潜入も、(おそらく)任務として確固たる意志をもってやっている。気分でコロコロ立場を変えるアプーの変わり身に付き合える道理はない。

ドレークがどんな信念を持って海兵を続けているのかは不明だが、これをカイドウ打倒の最大の好機と捉えたとしても「最後にすべてをかっ攫う」つもりはないはずだ。そして任務から生還するための決断として、ドレークはすでに討ち入り勢と手を組んでいるし、カイドウをルフィが倒せなかったとして、弱った(はずの)カイドウを自分たちが倒せる保証はどこにもない。

ドレークが、いわゆる「海兵」の実直な「正義」を信条とする男ならば、この場でルフィたち社会悪を裏切ることに躊躇はないと思うが、コビーとの関係もありドレークがそういう男だとは考えにくい。
「自分が生き残ること」のみによほど固執しない限りは、今ここで手を組む相手を替える場面ではないと思うのだが・・・ドレークはいったいどう動くのか。

アプーのことを「こいつだけは野放しにできねェな・・・」とか考えてると思うんだけどな・・・。

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