今回は、ほぼ全編サンジvs.クイーン。
なんか内容が少ないような気がしたら15ページしか無かったわ…。ただでさえほかの連載陣よりページ少ないのに、たまーにこういうことするよな。
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ひとり「焔雲」と奮闘するモモの助は、カイドウと同規模の「焔雲」を出すことを諦め、カイドウが出した雲を掴むことでなんとか鬼ヶ島の進行を止めようと試みる。
だが、カイドウが自在に宙を動き回れる理屈を考えれば、この「焔雲」はカイドウの制御下にあるわけで、いまだ自分の雲も満足に操れないモモの助が物理的に動かせるものかどうかは極めてあやしい。
カイドウがルフィとの戦いで集中力を欠くとか、疲労によって「焔雲」の制御が疎かになることもありそうではあるが、それは鬼ヶ島が落下し始めることを意味するわけだし、さらなる閃きか覚醒もしくは誰かの助力なしにはちょっと無理筋ではなかろうか…。意気込みは買うけどね。
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さて、サンジvs.クイーンの戦いは、自分の身に起きてしまった運命を受け入れたサンジがクイーンをぶっ飛ばした続きから。
ジェルマの科学による肉体強化を不本意ながら得て、マユゲの巻き方まで”兄弟”たちと同じになってしまったサンジ。
余談だが:
ジャッジもソラも眉毛は普通なので、左右非対称なこのマユゲは「ジェルマ66」の科学の結晶である証。これまでのサンジのマユゲは、それが不完全であることを意味していた。
ジャッジの口と口髭・顎髭(ソウルパッチ?)が漢字の「六」になってるのは、後天的には「66」を身体に刻みつけることができなかったための苦肉の策なのだろうな・・・と僕は考えている。
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その「ジェルマの科学」についてクイーンは、科学者としてジャッジよりも自分の方が優れていると、証明したくてしたくて仕方ない様子。シーザーがベガパンクを(一方的に)ライバル視している構図に似ているが、ベガパンクの発見した「血統因子」の技術と理論を自分なりに発展利用したジャッジにはそんな虚栄心を感じなかったので、同じ「MADS」に所属していたときには、クイーンはジャッジに常に劣等感を抱いていたことが伺える。
その昔「MADS」に誰が所蔵していたのかは非常に気になるところだな。
伝説ともいわれる悪の軍隊「ジェルマ66」のことは、見たことも聞いたこともなくて普通。クイーンがいかに凄い発明を見せて、それがどれだけ賞賛されようとも、比較対象を知らないのだから「ジャッジよりもクイーンの方が優れている」という評価にはどうしてもならないわけで、その比較対象をよく知るのみならず、本人がそのジェルマの科学を身に宿しているサンジは、自分の優位性を見せつけるにこれ以上ない最適のターゲットだった。
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イチジの「火花光拳スパーキング・ヴァルキリー」ニジの「起電光剣ヘンリー・ブレイザー」ヨンジの「巻力断頭ウインチ・ダントン」ジェルマの”兄弟”たちの技を次々と再現してみせるクイーン。
ジャッジの息子たちこそが「ジェルマ66」の科学力の最高峰。レイドスーツを着たサンジを叩きのめすことでクイーンの長年の溜飲が下がるはずだったのだろう。
聞くのも忌々しいクイーンの自分語りがベラベラと続くが、もう聞いていられない。
肉体が変革を迎えたことは”運命”と受け入れた。だがそれは、自分が自分でなくなってしまったときは「死」をも受け入れることを含んでいる。サンジには時間がない(と思っている)のだ。
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サンジのレイドスーツの「ステルス」能力まで再現してみせたクイーンは、サンジが姿を消したことについて
サンジはスーツを着ていないのだからこれは「ステルス」ではない、と判断した。その判断は正しい。
しかし、数分前までのサンジならいざ知らず、タフさや頑丈さを突然手に入れた今のサンジなら、どんな「ジェルマの科学」を隠していても不思議ではない。それを「スーツがないからステルスではない」と断定できるということは、ほかの”兄弟”たちに於いても特殊な攻撃はスーツに依存していると、少なくともクイーンは分析していることになる。
なるほど、血統因子の操作によって「ジェルマの科学」の粋を集約し、パワーとスピードと外骨格の頑丈さを持って生まれ、甘い感情を排除した最強の兵士たち。レイドスーツは彼らに宙を自在に動いたり、肉体をさらに強化保護する機能を付加するだけでなく、個性豊かな攻撃兵器をも内包していたのだ。
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・・・目から光線って・・・スーツの機能でどうにかなるもんなのか・・・? いや、イチジはサングラスかけてるからスーツに仕掛けることもできるか。
いや、そうじゃなくて! たしか・・・イチジの「火花光拳スパーキング・ヴァルキリー」ってさ
光子化して光速移動して相手を貫く技じゃなかったっけ?
「超機動員ヴァンダー」のVαみたいな(例えが古いうえにドマイナーでスマン)。
アニメでどんな表現されてたか知らないけど、手からも出てるし、敵の正面から光が飛んできててイチジは敵の背後に立ってる。この一コマだけ見るとそんなふうに見えるよね。
まぁ、クイーンは完全に再現したつもりでも、似た技でしかないってことなのかな。
むしろ、レイジュの「桃色毒矢ピンク・ホーネット」がクイーンにお似合いだと思うけど、クイーンがもとより得意なウイルス兵器の方が毒霧なんかより全然非人道的でタチ悪いから、いちいち再現するほどのことはないか。
レイジュは感情操作もされていないし「ジェルマの最高傑作」に値しないと考えられている可能性もあるな。
大きく横道にそれたな
とにかくサンジには時間がない(と思っている)ので、クイーンが芸者の娘に気を逸した隙に一気に決める!
そもそもクイーンが娘に気を逸した理由は、今は亡き小紫の次に”推し”にしていた芸者お染にムカついたから。
何十回もクイーンの指名を断り続け、今日も寝込んでいると聞いていたのに元気にお座敷に上がっているのを見て、それらが全部ウソだったと気付いてブチ切れたのだ。
怒りに任せ、ステルス状態から「天罰」と称した暴行を加えようとするクイーン。そう、サンジの前で突然傷つき倒れた芸者の娘こそ、このお染。さっきの負傷も姿を消したクイーンの仕業だった。
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悲しい過去と決別し縁を切ってもつき纏うヴィンスモークの呪縛。今ふたたびその呪縛に肉体から精神まで汚染されるかと穏やかでない心に、ただの私怨で容赦なくジェルマの話題を振ってくるクイーンが個人的に許せない。
しかしそれ以上に、逆恨みで、見えないところから女性を傷つける男は人として断じて許せない。
血統因子の影響で強化された力は、これまでのサンジの技をすべて強化する。
「悪魔風脚ディアブル・ジャンプ」は「魔神風脚イフリート・ジャンプ」に。(…悪魔とイフリートのどっちが格上か知らんが。)
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怒りの牛肉スペシャルコース
クイーン撃退か!? ・・・いやぁクイーンにはまだ語ってもらいたいことがたくさんあるんだがなぁ・・・。
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ところで、
ステルスを使っている間、術者の身体は全身が透け、シャドー部分のみ薄い影が見える様に描かれている。透けているようで実は完全じゃないということ?
だが、まったく何も見えないところから姿を現したこともあるので、この薄い影のみ見える見え方は「ここにいるけど透けてますよ」というメタ表現なのだと僕は理解していた。
ではお染に迫るクイーンをサンジが認識できたのはなぜだろうか。
見聞色の覇気? それともやっぱり消え方が不完全なので「ステルス」を使ったことがあるサンジにはどこにいるか見えたってことなのかなぁ。
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やっぱり姿を消してあれやこれやしたかったら、「スケスケの実」を手に入れるしかないな。
来たるべき黒ひげ海賊団との戦いでは同じ剣士としてゾロが戦うと思ってたが、シリュウの相手はサンジで決まりだな、コレは。