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ONEPIECE 1041「小紫」

今回のサブタイトルは「小紫」。
全体に比して割かれたページ数は少ないが、メインは小紫だ。

まずこれが何を意味しているかというと、今オロチの目の前にいる花魁が、紛うことなき小紫本人であることだ。


自分がカン十郎に指示した武器庫の爆破(らしき衝撃)でいよいよ迫った鬼ヶ島の崩壊を感じ、脱出の手引きに来ない福ロクジュにイライラと焦りを募らせるオロチ。
そして、これまた自分でそう望んでおきながら、この窮地に演奏を止めない小紫に不信を抱く。

冷静さを欠いているオロチは瓦礫の下敷きになり、脱出を試みるがヤマタノオロチに姿を変えることができない。

ガレキをどかせ、小紫!
お前はわしを好いておるのだろう!

狐の面で顔を隠したまま、小紫は冷淡に言い放つ。



好きとは滑稽な…。

好意のかけらもありませぬ。

プリンが本性を現したときとは大違いで、まったく驚きがない。なぜなら、我々読者は小紫の真意を知っているから。
無様なオロチをただ眺めるだけ、これは本当に滑稽だ。

しかもオロチは、死んだはずの小紫が現れたことに微塵の不審も覚えず、油断しまくって海楼石の釘を刺されたことにも気づいていなかった。
変身できないだけでなく、さっきからゼェゼェ言ってたのもそのせいなんだろう。

屋根裏部屋で赤鞘たちを介抱した人物も小紫=日和で間違いない。
では日和はいつ、どうやって鬼ヶ島までやって来たのか。

オロチはカン十郎からの報告によって、日和の生存と潜んでいる場所を知っていた。
赤鞘たちの討ち入りは前夜にほぼ完璧に対処できたつもりだったが、ビビりのオロチが遺恨の種を放置するはずもない。日和を捕らえさせたに違いない。
そしてその首実検をすることもなく、ただ囚えた状態でいずれ始末する慰み者として、もしくは反逆者たちへの切り札として連れてきていたと考えるのが自然だ。

問題は、その日和がどうやって拘束を逃れたか…だが、味方勢に日和の解放に動いた者が確認できないので、赤鞘たちの奇襲からのドタバタで牢が壊れたとか考えるしかないのかな…。

オロチが捕えたのではなく、日和の意志で密かに狂死郎の船で同行していた可能性もなくはないが…

今思えば、鬼ヶ島に遊郭があったのは、捕えられた日和が花魁の姿で現れる布石だったのかもしれない。豪奢な着物も白粉も鬢付け油も、普通なら離れ小島の悪の巣窟にはなさそうだもんな。ブラックマリアはそれを自然に見せるために設定されたキャラクターだったんだろうな。

かくして、オロチに正体を明かした小紫。


「おでんの娘だと…!?」という驚愕の表情からは、さっきまで相思相愛だと思っていたワノ国一の絶世の美女が、忌むべき光月の娘だったことに対する…というよりも、日和が今ここに居ることすら信じられないようにも見受けられ、であれば日和はオロチに捕えて連れてこられたのではないのかもな。

結局、最後のトドメを刺すのは傳ジローだと思うんだけど、かねてから日和はオロチをその手で殺したい言ってた。ただ、父おでんの魂こもる刀はゾロに譲ってしまったし、どちらかというと兄が持つ(持ってきてないよね)天羽々斬の方が「ヤマタノオロチ」を退治するには相応しい。
父の仇を討てば、後のワノ国のいいカリスマになるが…、日和に直接手を汚してほしくはないなぁ…。


さて、その頃カイドウはビッグ・マムの陥落に気づき、少しばかりセンチメンタルな一面を見せる。
様々な表情に変幻自在の「酒龍八卦」の影響もあるかもだが、カイドウにとってリンリンは特別な存在であったことが伺える。


カイドウとリンリンが出会ったのはロックス海賊団、44年前だ。当時カイドウは15歳、リンリンは24歳だったことになる。
44年前ならば、ママはすでに11男7女をもうけていて、8女のブリュレを妊娠中ってところか。

ロックスは信用できないから、困ったことは自分に言え。と、きっぷのいいアネゴ肌の美人だったようだ。

たぶん死んでないと思うけど、もう永遠の別れのような思い出し方が印象的。
色々と世話を焼いてくれ、無敵なほどに強かったリンリンに、ある種の尊敬があったのだろう。
あの強かったリンリンはもういない。
若造に倒されるとは、四皇ビッグ・マムの権威はもう終わりだ。
同時に、まだ負けるとは考えていないだろうが、自分もまたルフィに追いつき追い越されそうな現状に、時代のうねり、岐点を感じているのだろう。

自分たちの時代が終わる…。
あとは意地とプライドの領域だ。



しかし、そんなカイドウの感傷はルフィには関係ない。カイドウはワノ国から追い出さなければならない。
大昔から定められた世界を二分する大戦も、ジョイボーイも、自分のルーツも関係ない。
おでんの無念を晴らし、今そしてこれからのワノ国を、お玉が腹いっぱい食える国にするために、カイドウを倒す。


君が泣くまで殴るのをやめないッ!(嘘
ルフィ最後のギア4th発動! これで決めることができるのか!?

めぼしい強敵をほぼ倒した討ち入り勢。
あとはカイドウとオロチ、そして鬼ヶ島を軟着陸させるなりとにかく花の都の近くに墜落させないこと。
万一のカイドウ敗北に備えて来ている政府艦隊のワノ国制圧の動き。
ロビン拿捕とルフィ抹殺の指令を受けたCP-0がどう動くか。
そして、消滅を確認できていない火前坊が少し心配・・・と、結構あるなwww

CP-0のノッポがイゾウと痛み分け。一番強そうなヒゲマスクのCP-0が随分動揺している。
この人の正体はシャンクスだという説が一部であったみたいだが、もうそれは無いと断定してもよさそう。
それはともかく、元々は兵器の取引の話で来ていたはずの彼らが、オロチの誘いで火祭に参加させられ、討ち入りの戦況把握にフーズ・フーの始末。カイドウ・マムの旗色が悪いと見るやロビンの身柄確保、見て見ないふりのイゾウには因縁を付けられ、今度は五老星から直々に最優先事項としてルフィの抹殺指令。


いろいろと翻弄されて苛つくのも分らなくもないが、ちょっと落ち着け。CP-0らしくない。ルッチやステューシーなら、きっともっとクレバーだ。

ワノ国に迫る政府の艦隊は、象主ズニーシャが何とかできそうだが、強大な戦力のスイッチを手にした立場でモモの助は、何をするのがもっとも正しいのか自問をはじめる。


モモの助が導き出す答えは、紡ぎ出す未来は、はたしてどちらを向いているのか。

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