CP-0の暗躍でうまれた致命的な隙、攻撃を繰り出そうとすべての力を込めた腕をロックされ、カイドウ渾身の金棒を避けることも受けることもできずまともに喰らったルフィは
最後の一撃のために全身から絞り出した力のすべてを吐き出し失った。すなわち「力尽きた」。
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勝者:百獣のカイドウ
「ドクロドーム屋上の戦い」の勝者、と銘打たれていることからもう一戦あることが予想される。
まぁ、あのまま真正面からぶつかりあったとしても、その時点ではルフィの「覇猿王銃オーバーコングガン」は、カイドウの「咆雷八卦」を凌ぐ力を持っていなかったと思われるので、いずれにせよ敗色は濃厚だったのだが、
「それでダメなら俺の敗けだ!」とまで肚を括ることができていた最後の覚悟の一撃が、外野の横槍で露と消えたのだから、肉体的なダメージとともに精神的ショックも計り知れない。
それはカイドウも同じで、望まぬ形で棚から落ちてきた勝利に満足できないだけではなく、いまだ拭いきれない20年前のトラウマをさらに重ねて体験させられたことに動揺を隠しきれない。
ただ、カイドウはそこで自暴自棄になることはなく、本来の計画を遂行するためのフェーズへ移行した。・・・目の前の野暮で無粋な大罪人(CP-0)を打ちのめすだけで。
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静かに怒るカイドウの本音は「もうこんな面倒くさい茶番劇は終わりだ」ってところか。
討ち入り勢に今カイドウと戦える戦力は残っていない。
自身も疲弊している今、カイドウのするべきことは、残った(それほど強力とはいえない)部下たちが優勢なうちに勝利を確定すること。
ルフィや赤鞘たちが、またぞろ息を吹き返したりしないうちに、討ち入り勢の総大将であるモモの助を下らせることだ。
当初の計画通り、鬼ヶ島を花の都に着陸させてワノ国の中心地とし、海軍も簡単に手が出せないそこを、新時代の海賊の世をつくる拠点とする。
ワノ国はこれまで以上の大規模武器工場となり、老若男女を問わずワノ国の民はもれなく奴隷に。これは当初のカイドウの青写真よりも凄惨なものとなるだろう。なぜなら、カイドウを怒らせたから。
「敗戦とはこういう事だ!」
無情な決断が“勝者”の側から強要されると、こうも印象が違うものか。
ランバ・ラル末期の台詞よりも輪をかけて生々しい。
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まだ戦う意思を持ち続けている者も少なくない。
赤鞘の侍たちも、キッドとローも、ボロボロの身体を引きずってでも勝負を投げ出すことはしない。その、ある意味無謀な覚悟が末端の侍たちまで伝搬しないうちに、早々に心を折る必要があったのだ。カイドウ自身が「もううんざり」なこともあっただろう。
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意思決定はモモの助に委ねられた。
しかし、急激に成熟した肉体を手に入れたとて、モモの助の心と経験値は8才のまま。
あれだけ強かった“父”おでんが敗北したカイドウに対する絶対的な恐怖が拭えない。
モモの助は「これ以上多くの侍たちに死んでほしくない」という優しさを免罪符に、この絶対的な敗北を受け入れるのも已む無しと考える。
だが、この敗北を受け入れることがどういうことか、
20年後に希望があったおでんのときとは違う、降伏して生き残ったとしても、耐え忍んだ先に何があるかの目算もない。
絶対に退いてはならない一線の死守を、魂掛けてモモの助に訴えるのはカイドウの実子ヤマト。
これは「お前ェ本当に命賭けてんのか!」という切実な問いだ。ヤマトにはその覚悟がある。
言葉を失うモモの助。
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そのとき、命尽きたと思われたルフィの心臓が脈動を再開。
それを察知した象主ズニーシャがモモの助に言葉を伝える。
800年ぶりに聞く、懐かしい「解放のドラム」が聞こえる…
間違いない、そこにいるぞ…
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おぉおぉおほほぉぉぉ・・・
キタね! アガるね!
おおよそ見当がついていた「ルフィ=ジョイボーイ」の図式が、いよいよ現実のものに?
ルフィがジョイボーイの末裔なのか、生まれ変わりなのか、はたまた再来なのか。
「再来」とは、同じくらいの価値を持つ稀に見る存在という意味で、あくまで別のもののことなのでちょっと違う。象主は“同等”ではなく、ジョイボーイ“そのもの”の復活を示唆しているからな。
「生まれ変わり」には、その根拠となる決まり事がないので否定も肯定もできない。
では末裔か・・・? それもまだなんとも云えない。
だがまぁ、理由や経緯はともかく「ルフィが、現代のジョイボーイとなる。」
これは確定事項としてもいいようだ。
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さらに「にかっ!」
窮地ほどに笑い、笑うほどに… という「ジョイボーイ」のことに触れたと覚しきカイドウの言葉。それに加えて・・・
人を笑わせ、奴隷を苦悩から解放する伝説の戦士「太陽の神ニカ」
明らかに匂わせてるよね・・・
「ニカ」と「ジョイボーイ」の関係は何だろう。そしてその両方が降りてきたかのようなルフィの変貌・・・。
静かに笑うルフィは意識を取り戻したのか、それとも別人格が起動したのか。
身体から煙(蒸気?)を吹き、不定形物のようにうねりだした髪(?)
ルフィが自身の奥底に眠る太古の才能を手に入れたのか、ルフィの中に眠るジョイボーイが目を覚ましたのか・・・。
しかし僕は少し別の可能性を考えている。
ジョイボーイは「ゴムゴムの実」に宿っていた、という説だ。
過去何百年も覚醒することがなかった「あの実」がいま覚醒することを五老星は恐れていて、だからいますぐにルフィ抹殺の司令を下した。「ゴムゴムの実」のことだよな。
過去にも、厳重な体制で護送され、五老星だけでなくシャンクスも早くからその価値に特別性を見出していた可能性がある「ゴムゴムの実」。
政府は、大昔に覚醒したことがあり、その強さ・特性などが政府の世界運営にとってよほど都合が悪い、とある「悪魔の実」の名前を歴史から抹殺するためにもう一つの名を付けた。
それがおそらく「ゴムゴムの実」。
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ここからは仮説(…というか妄想)
800年前に、ジョイボーイは「悪魔の実」になったのだ。
何かを成すため、または食い止めるため、それ以外に方法がなく、その手段はわからないが、ジエメイとギリョウが「獣の槍」に化身したように、自身の力を変化させた。
「悪魔の実」は切り刻もうが焼却しようが、おそらくこの世から消し去ることはできない。世界のどこかに新たな実が生まれるからだ。ジョイボーイは数百年後の来たるべき戦争に備えて自身の力を永遠に残そうと考えたのかもしれない。
消し去ることができないからには、その強力壮大な能力の表層・上澄みの部分がゴムの特性に似ていたことから、政府は「これはただのゴム」という印象操作を行うしかなかった。そしてその結果、それ以降「ゴムゴムの実」を食べた能力者たちは、まんまとその秘められた本当の能力にまで思いが至らなかったのだ。
ようやく今「ゴムゴムの実」は、800年を経てその真の姿を取り戻そうとしている。
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「悪魔の実」の覚醒とはなにか。
ドフラミンゴは建物を糸に変化させ、カタクリは地面を餅に変化させた。
ローとキッドはイマイチよく分からないけど、彼らはみな「超人系」。
インペルダウンで登場した獄卒獣を覚えているだろうか。
彼らは言葉を発さず人間態も見せなかった。彼らは動物系の能力者だったため、覚醒した能力すなわち獣としての本性に取り込まれたのではないかと思うのだ。
動物系の悪魔の実は“物”に食べさせると、ラッスーやファンクフリードのように、その動物としての自我を持つようになる。それは、悪魔の実に「命」が内包されているということだ。
では「ゴムゴムの実」と仮の名を付けられた「悪魔の実」が実際は動物系であり、ジョイボーイの生命そのものであったなら、一定の条件を経て覚醒した暁には、能力者の自我を乗っ取り、その肉体はジョイボーイのものとなる。
未来にどうしても成すべきことがあったなら、そういう決断もありかな・・・と思うね。
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問題は「じゃあルフィはルフィじゃなくなっちゃうの?」ってことだが・・・
本当に動物系の実なら人獣態のようないいとこ取りの最強モードがあるかもしれない。獄卒獣たちにはなかったぽいけど…
その辺はオダッチだから。
うまく、面白く、熱い展開を用意してるはずと期待している。
もっともっと奥深い、そんな単純な話じゃねェんだよ、きっと。
・・・と、妄想を前提に語ってしまったが、いいところで休載はさむねぇ・・・
これから2週間、いろいろ妄想が捗るわ・・・。