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ONEPIECE 1044「解放の戦士」

意識を取り戻したルフィ

敗けたのに、何でまだ立てる?
どうしたんだ?おれ


これまでの記憶はそのままに、自分の身体に異変がおきている自覚もあるらしい。

「間違いなくそこにいる。ジョイボーイが還ってきた!」とか象主が云うから、人格から入れ替わってしまう可能性も考えたが、どうやらルフィはルフィのままに「何か」に目覚めたらしい。

それは悪魔の実の覚醒。
「ゴムゴムの実」という世を忍ぶ仮の名前を与えられたとある悪魔の実が、数百年ぶりに覚醒する。


五老星があれほど怖れた悪魔の実の真の名前は


動物系ヒトヒトの実 〜幻獣種〜 モデル「ニカ」

おぉ 動物系 そうきたか。

動物系の実には意思が宿る。それは想定内。僕もこれまでに何度か書いてきたように、動物系の悪魔の実には、その動物の意思のみならず「生命」が込められていると考えている。でなければ、悪魔の実を食べさせられた「銃」や「剣」や「ガス」が自我を持つ説明がつかないからだ。

そして「ヒトヒトの実」。過去に登場したのはチョッパーとセンゴクだけだと記憶してるが他にもいたかな?

まぁ「幻獣種」と言っちゃえば、ぶっちゃけ何でもありなんだけど、伝説や寓話、または神話の中にしか存在しない(と考えられる)生き物だよね。そういう「ヒト」ってのは、もう姿こそ人でも明らかに人を超越した何かに違いなく、ニカの場合、それは神だったわけだ。

喩えるならゼウスとかオーディンとか、ガネーシャとかハヌマーンとか?(アッラーはやめとこうかな)僕らの世界で云うところのそんな感じ?

ワンピ世界の神様だから、どんな設定でもござれになっちゃうのは仕方ないことだけど、これまでの流れから、ヒトヒトの実〜幻獣種〜モデル桃太郎とかじゃなくてマジ良かったよ。

でもさ、同じ動物系の覚醒でもインペルダウンの極卒獣たちとずいぶん違うね。元の生き物の個性の強さが問題なのかね

では「ニカ」とは何か。これまでの情報は唯一フーズフーが口にしたもののみだ。


太古の昔、奴隷たちがいつか自分たちを救ってくれると信じた伝説の戦士。

加えて五老星から語られた特徴は、
その身体はゴムそのものの性質を持ち、空想のままに戦い、人々を笑顔にしたという解放の戦士。

その悪魔の実の覚醒は、「ニカ」が本来持つゴムの身体にさらなる「腕力」と「自由」を与える、世界で最もふざけた能力らしい。

数百年間覚醒していないが、過去には確かに覚醒したことがあり、それをしっかり口伝して社会には隠蔽してきたことがよく分かる。

過去にその能力者だったと思しきジョイボーイはネプチューン王家と縁が深いので、ジンベエが知っている可能性は十分にある。フーズフーに「ニカ」のことを教えた看守が消されたのも無理もない話だ。

さて余談だが:

ゴムの木の一種である「ガジュマル」をモルディブでは「ニカ」というのだそうだ。
奇形大根かマンドラゴラの根かというような愛嬌たっぷりの小さなものは観葉植物として好まれており「幸せの宿る木」と云われている。

沖縄で精霊キジムナーが棲むと云われているのもこの木で、思えば、自由闊達・豪放磊落なルフィの性格はキジムナーに由来しているのかもしれない。ルフィのイメージ都道府県は沖縄だそうだし。

次回、巻頭カラーでギア5thルフィの髪の毛が赤く塗られていたら、その疑惑はさらに濃くなるだろう。

また、


以前、カタクリの能力が連載時に「自然系」と表記され、コミックスでは「特殊な超人系」に修正されたことは、物語の展開上の都合かと思われ、読者の間で揉めることもさほどなかった。

その連載時に、自然の植物由来だからという理由でデンプンの能力が「自然系」に分類されるなら、ゴムゴムの実だって実は「自然系」だったりするかもね、と書いたことがある。

それが「特殊な超人系」に修正されたのは、あの時点で僕が考えたように、ゴムゴムの実に我々が大きな認識違いをしていることを悟られないように変更された のでは決してないと思うが、 ルフィの能力のモチーフが加工品として僕達がよく知る「ゴム」ではなく、「ゴムの木(すなわちニカ)」であることを隠したかった可能性はあるのかもしれない。


ゴムの身体に「腕力」マシマシ。空想のままにさらに「自由」にイメージした通り論理無用のデタラメな動きで、過去最高のポテンシャルにアガるルフィが、ゴキゲンに繰り出すギア
5th(便宜上うちではこう表記しています)


自分のみならず、掴んだり振り回したりされたカイドウまでが
60年代米カートゥーン調(手塚治虫調?)に描写される点から、これまでにない激しくコミカルな動きが想像できる。


TVアニメ版はほとんど観てない僕だが、さすがにこれがどんなふうに動くのかには興味が尽きない。


ところで、象主が「解放のドラム」と表現した鼓動音は、ニカのシルエットと重ねて、空島編
253話の黄金前夜祭キャンプファイヤーの描写に似ていると指摘されているらしいが


僕としては、まだ似ているに過ぎない印象だが、まー
意図的に似せてるんだろうとは思う。

「ドンドットット」は単純にルフィの好みのリズムなだけの偶然だろう。空島でそのリズムを刻んでいたのはウソップだからな。
でも、月とか空島とかがなにかのルーツとして無関係ではないはずなので、いずれもう一度唸らせられることを期待する。

さて


その裏では、いまだ口八丁でこの場を逃れようと目論む憎きオロチに、日和が積もりに積もった思いの丈をぶちまける。

自分は誇り高い侍おでんの子。どんなに辛くても貧しくても父の名に恥じないように生きてきた。


だがオロチは将軍の位に相応しいものをなにひとつ持たない示さない努力もしない。愚かで無様な将軍家・大名家の面汚し。

そこに這々の体で現れたのは火前坊の燃えカス。弱々しく末期を悟り、同胞オロチのもとに崩れ込む。


カン十郎最期の残り火がオロチを焼く。

オロチの物言いでは、この燃えカスこそがカン十郎の本体であるかのようだが、そういえば回想シーンでもおおよそ人らしい出で立ちをしてなかったわ。あのオカッパ歌舞伎髪切り筆野郎は、カン十郎が演じた赤鞘の侍の「絵」だったということなのかな。

しかし最期の怨念とはいえ、壁をすり抜けるような能力を持っていたとは思えないので、最終最期のオロチへの奉公ということで絵を描いて実体化した火前坊を、肉体滅びたカン十郎の負の思念が纏っていたというのはどうだろうか。


カン十郎はもともと、役を演じない限り何者でもない生ける屍だったのだから
 顔など、身体の特徴などなかったのだよ。

でも まだオロチ死んでないと思うわ。傳ジロー出てきてないし。
日和が手を汚さなくて済んだことはとても嬉しいけど、僕個人的には、ヤマタノオロチは立派に成長した光月の次代の若殿が「天羽々斬」で成敗するべきだと思っている。


さて、次回は表紙&巻頭カラー。

カイドウも求める(?)悔いのない最終決戦!
ルフィはカイドウを圧倒するか、それとも互角か。そしてニカ覚醒のルフィに対し、カイドウは何を思うのか。 乞うご期待するっきゃない!

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