前回ラスト、カイドウの顔面を貫いたルフィのパンチは、実際にカイドウの顔面に穴を開けたわけではなく、「ニカ」の実の能力の作用でそのように見えただけ(?)だったようだ。
ピストル、バズーカ、ガトリング、鎌、鞭、斧と… これまで実在する武器に準えてきた「ゴムゴム」の技だが、さすがのルフィにも喩えが思いつかない奇抜な攻撃は、これまでのゴムの肉体では実現できない空想の産物だ。
覚醒によってより自由度を得たゴム様の肉体が、本人のみならず目玉が飛び出たり、攻撃を受けた部位がありえない変型をしたりと、変幻自在のカートゥーン調の反応を周囲にも及ぼす「ニカ」の能力あってこその技だが、それがどれ程のダメージを与えているのかは、ふざけた絵面のせいでいまいち伝わってこない。(喰らった相手はそのふざけ具合から精神的ダメージも負うのだろう)
動物系の覚醒とは、モチーフの動物固有の魂に意識を乗っ取られた状態と僕は考えていて、いやしかしそもそも「幻獣種」なのだから、現実に存在しない生き物の「魂」「意識」って何だよ!?と思わないでもないが、たくさんの人々がその降臨を願い、その奇跡の御業を切望する中で、人々の意識の中に神は確かに存在し、少しずつ醸成されたその共通認識の中で神の個性は形成・確立されてきたのであろう。
「魂」がその存在を物理的に証明できないのであれば、人々の希望や畏怖の念が強く錬成された結果が「悪魔の実」なのであり、それが動物系であれば擬似的な人格(のようなもの)が生まれても不思議ではない(そうか?)。
名を問われ答える内容はこれまでのルフィと変わらないが、戦いが楽しくてしようがないかのような感情は「ニカ」のものだ。
現状、ルフィが置かれた状況をもっとも理解しているのが象主だ。象主は、ルフィが「ニカ」とほぼ同義の存在となったがそれは、まるで「ジョイボーイ」のような、しかしあくまで別の個体であると認識している。
ジョイボーイの何たるかをある程度知っているらしいカイドウでさえ、「ゴムゴムの実」が実は「ニカ」の実だったことをまだ知らないようだ。
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「心身が“能力”に追いついたときに起きるのが“覚醒”だ」とカイドウが言っているが、スマン、いまいち意味がわからない。カイドウはルフィの能力を超人系だと思っているようなので、これは超人系の覚醒の定義ではないかと思うね。
ルフィのゴムは実際には超人系ではなかったのでひとまず置いておいて、例えばドフラミンゴの「糸」やカタクリの「モチ」それぞれを発生させたり自由自在に操る段階から、自身の肉体を変化させるところまでできれば、その次の段階としてその変化を身体の「外」に作用させることができるようになる、という意味なんじゃないか?
これは動物系にはちと当てはまらないよな。だって、インペルダウンの獄卒獣たちを見る限り、心身よりも明らかに「能力」の方が前面に出てるもんな。
ルフィもカイドウも、ルフィの能力が実は動物系だと知らないし、今のルフィが「太陽の神ニカ」の化身であることに気づいていない。
この真実に気づいたとき、カイドウはルフィという存在に何を思うのだろうな。ルフィはとくに何も変わらないままだと思うが・・・
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さてその頃、
鬼ヶ島はすでに全土に火が廻り、残された者たちの逃げ道も安全な場所ももはやない。敵も味方も右往左往するばかりだ。そんな中・・・
福ロクジュとの我慢比べ金縛りチキンレースに勝利した雷ぞう。
ジンベエが発見したときには丸焼け寸前で、何か「準備」ができていたのにタイミングを逸したかのような物言いをしていたが、
カイドウの熱息ボロブレスでさえ封じ込めることができる雷ぞうの「巻々の術」は、万物を巻き取り、保持して放出することができる忍術らしい。これが純粋に忍術なのか悪魔の実の能力なのかは現状では不明だ。
ともあれ
20年前におでん城を燃やされた無念から、ゾウで仕込んだ忍法「巻々の術」に、あらかじめ封印してあった象主の鼻汁水浴びの水を一気に解放。それをジンベエが「海流一本背負い」で下方へぶん投げた。
これで、雷ぞうとジンベエがいた4階から下を一気に鎮火させることができそうだ。火前坊が武器庫に迫るピンチに使えなかったのは、まだ金縛り中だったから仕方ないな。
火勢は落ち着く、鬼ヶ島全土が逃げ場のない火事場ではなくなった。しかし今度は、鬼ヶ島を浮かせている「焔雲」がもう保たない。この高度から鬼ヶ島を軟着陸させるには、モモの助が新たに「焔雲」を作り出すしかない。
さて、どうするモモの助。鬼ヶ島を支える規模の「焔雲」を出せるや否や!
ん〜・・・
他に何か方法があるとしたら・・・ギア5thルフィのデタラメな能力くらいかなぁ・・・とは思うんだ。
例えば、ルフィが超〜巨大な気球になって、大量に飛んできた空船をその中に蓄えたら、鬼ヶ島の落下速度を緩やかにできるような気もするんだが・・・
カイドウを倒したあとそんな体力と精神力が残ってるかね・・・。