サイトアイコン 我思う故に・・・新館

ONEPIECE 1059「コビー大佐の一件」

ワノ国を緑牛が襲った直後、ヤマトは麦わらの一味の船に乗らない意思をルフィに告げていた。

天然の要害に守られているとはいえ、カイドウという絶大な「脅威」を失ったワノ国は、いつまでも「難攻不落」ではいられない。
カイドウに代わる新たな「脅威」となった麦わらのルフィがワノ国に常駐していないことは誰にでも容易に想像できることであり、今後この国の急速な復興と発展・成長を妨げないためには、当面の「守護者」が必要だ。


ワノ国を心配しながらでは満足に冒険できない。
ルフィの気性がわかるヤマトは、ルフィの精神的負担(気がかり)の一端を背負うと申し出たのだ。

ワノ国のことを頼まれているようだとは感じていたが、このようなやり取りがあった模様。それに加えてルフィたちが今ワノ国にすることができる餞別が「海賊旗」を渡すことだったのだ。
今はまだ船出しないことを決めたヤマトが、残ったワノ国で自分なりにできることを考えた結果が、まず「おでんの足跡を辿るワノ国漫遊」からはじめることだったのである。


そして、シャンクスの船で送ってもらうとはルフィに告げずに、一足先にワノ国を去るマルコ。


旧知のエースが悔いていたワノ国の問題を解決する手助けができたし、大恩ある白ひげとエースが命を懸けて紡いだ未来への種は、今や「四皇」という大きな花を咲かせるまでに至った。

マルコは今後も味方でいてくれそうな雰囲気ではあるが、それがルフィでもシャンクスでも、今さら他の海賊の下につくつもりがないことと、「元No.2」として白ひげの残したものを護り続けなければならない立場は、惚れ込んだ男の役に立ちたいとすべてを投げ売ったジンベエとは大きく異る。

さて、海軍による「元王下七武海」掃討の続報だ。
コビーたちがハンコックの拿捕を目的として「女ヶ島」を攻めてきた件。


大軍でやって来たもののなかなか突破口を開けず、新兵器を投入した海軍。そこに現れたさらなる招かれざる珍客は黒ひげ海賊団だった。


956話で黒ひげが「海軍に取られるぐれェなら、おれが貰う!」と言っていたのは、ハンコックの「能力」のことだった。

三つ巴の大乱戦。ハンコックの能力で海軍の多くの兵と黒ひげの部下ことごとくが石化したところで、黒ひげがハンコックを捕らえて能力を封じ込めたものの、海軍の新兵器セラフィムは石像が壊れることもおかまいなしに暴れ続ける。


黒ひげはこのままハンコックの能力を奪いたいが、ハンコックが死ねば石化は二度と解くことが出来ないというし、手を離せば自分もその瞬間に石化されかねない。

二度と誰かの虜囚になどならないし、ただでは殺されない。という強い意志が伺える。

ハンコック、黒ひげ、コビー、八方塞がりで進退窮まる三者のもとに現れたのが・・・


“冥王” レイリー
頂上戦争の超乱戦の混沌状態をシャンクスが平定したように、その力と権勢で三者の中に割って入った。


その場の約束事をもっとも「ないがしろ」にしそうな黒ひげに釘を差すことも忘れない。

かくして「女ヶ島」には、ひとときの平穏が戻った・・・が、ハンコックのみならず、ミホーク、バギー、そしてくまと、結局のところ元王下七武海をすべて取り逃がす結果となった海軍は今後どう出てくるのか。

・・・いや解ってるよ。ウィーブルだろ?
ぶっちゃけ、ウィーブルってどうでもよくね? 見た目がアレだから興味が湧かないし、仮に本当に白ひげの落し胤だったとしても、重要な展開に絡んでくる気がまるでしない。・・・とはいえ、それじゃあ登場した意味がないし、オダッチもこいつを軽視するヤツはまんまと術中にはまってるとか意味深なこと言ってるし、何かやらかすとは思うんだけど、とりあえず今の処はどうでもいい。ウィーブル&バッキン好きな人にはスマンな。


で、
かねてから予想されていた通り、シャッキーがアマゾン・リリーの「先々代皇帝」だったことが発覚。
「恋煩い」で「恋い焦がれ死に」したとニョン婆に説明されていたが、先々々代の皇帝であるニョン婆自身が同じ「恋煩い」を国を出ることで克服できたのだから、先々代が「恋煩い」に同じ処方をしたとしてもおかしくはないわな。

海軍が投入してきた新兵器、新型パシフィスタ「セラフィム」。


剣を使う男児と手からレーザーを撃つ女児の、たった二体で戦場を蹂躙した。

子供の姿をしているが、白い髪に褐色の肌、背中に炎と黒い翼を持つその特徴は、火災のキングと同じ「ルナーリア族」に酷似している。

どういう意図で開発されたかは謎だが、「あらゆる環境下で生存できる」「打撃や斬撃を受け付けない」「強度と速度のパラメータを再分配できる」などの特性が再現されているならば「兵器」として最適だ。


だが・・・


「ベガパンクがすげェモンを完成させたので「王下七武海」はもう要らねェ」…と、藤虎に言わしめたモノがこれだというのか。
これまでのパシフィスタの開発過程を振り返るに、人道的にかなり問題を含んでいると思われ、まぁ、所詮「兵器」そのものに罪はなく、それを運用する人間のモラルが問われるわけだが、見た目が子供という点も、またモチーフ(もしくは素体)がルナーリア族であるという点も、問題は在りまくりだと思うね。
その姿を目にしていないとはいえ、コレを藤虎が歓迎したとはちょっと考えにくいんだが・・・



同じ頃に名前だけ登場した「SSG」とは何なのかも気になるよな。
Special Science Group(特殊科学班)の略と云われてるみたいだけど、これ公式なの?
「ベガパンクが完成させたすげェモン」と同列に語られていたので、繋がりがあると見ていたが・・・。
ONEPIECE FILM REDで、ウタが拾った映像配信電伝虫に「SSG」って書かれてた。これは相当古いものっぽく見えたので、「SSG」が組織名だとしたら最近できた組織ではなさそう。クイーンやジャッジがかつて所属していたという「MADS」との関連性は如何に。

その新型パシフィスタ「セラフィム」。
手からレーザー出してた女児の方は、なんと幼少期のハンコックそっくりだったそうだ。妹二人が眉をひそめるぐらいな。


身体的な見た目だけじゃなく蛇を象ったピアスまで同じという点には開発者の作為まで感じる。

ハンコックには天竜人の奴隷だった過去があるから、クローニングされていた可能性は否定できないが、ハンコックがアマゾン・リリーの皇帝として名を成すのは奴隷を解放されてかなり後のこと。当時「美少女」として以外はなんの価値もなかったはずのハンコックの遺伝子情報が摂取されていたとはちょっと考えにくい。
だいいち、単にハンコックの生体データを流用したというだけならピアスまで同じにする必要はないからな。


もう一体の剣を振るう男児の方は、SBSでオダッチが戯れに描いたミホークの少年時代に似ているという意見があるようで、しかしこちらの方は僕としてはまだ保留。
ただ、前述のハンコックと同じように、意図的にその容姿を持たされている可能性はあるかもな。

・・・いや・・・やっぱりどうだろう・・・
ミホークやハンコックの子供時代の姿なんて身内以外知らないぜ。成長して強い時代の元七武海のクローンならば、その身体的ポテンシャルのみならず、その姿を見たものに与える影響も無視できないだろうが、誰かも特定できない子供型兵器の容姿を誰に似せるかなど詮無い話だ。

となると、ハンコックの出自になにか秘密があるのかもしれないな。

アマゾン・リリーは女だけの帝国。
外の世界の男性と子をなして帰国したか、戦地で孤児を拾うなど、国民はひとり残らずもれなく国外の「男」の子供なのだが、国内に「男」はひとりもいない。
すなわち、国民全員その出自は「あやふや」なのだ。

ハンコックの父親(種親)がやんごとない血筋だったかもしれないし、母親が桁外れの強戦士だったかもしれない。

でなければ…
単にベガパンクの趣味かなぁ…

あと、最後にオマケみたいで申し訳ないがコビーが黒ひげに攫われたよ。


サブタイトルになってるくらいだから、今回の中でも重要な出来事だったらしい。

しかし、コビーは能力者じゃないし、ヤマカジ中将やそれより上位の将兵たちが惜しむほど特別な人材か…というとかなり微妙。能力を奪うこともできないし交渉材料にもならないとすれば、いったい何のためにコビーを攫ったのか。
先のやり取りを見た感じでは、バスコ・ショットやカタリーナ・デボンが気に入って連れて行くことも考えにくい。

コビーと黒ひげは、先の「ロッキーポート事件」で縁があったというが、直接関わりがあったのかなかったのかすら、よく分からない。


コビーが「民衆を救った英雄」と呼ばれる理由となった「ロッキーポート事件」。
首謀者はローと伝わっているが、事件の内容はまったく明らかにされていない。

そこでコビーの活躍があったから黒ひげは王直を倒して海賊島ハチノスを手に入れることができたと云ってる。

王直とは、往年の「ロックス海賊団」のメンバーで後に名を挙げた。

いろいろ情報が入り組んでるな…
黒ひげティーチは、ロックスの生まれ変わり、もしくはロックス本人ではないかという説があり、かつて「ロックス海賊団」が本拠地としていた海賊島ハチノスを王直から取り戻したということなんだろうか。

ロックス壊滅後、白ひげ、リンリン、カイドウ、シキなどがそれぞれの海賊道へと進む中、王直はハチノスに居座り海賊島を乗っ取ったとすればどうだ。

ティーチはハチノスをふたたび自分の拠点とするべく、おのれの覇道を進む気のない王直を粛清した… と、そんなところじゃないかな。
ま、ティーチがロックスの生まれ変わりだったら…という妄想でしかないがな。


では、なぜティーチはコビーを攫ったか。
レイリーは「誰も余計なマネすンな」と云ったのにな。

ティーチという男は実に用意周到な男で、回り道をしているように見えてもその行いにはちゃんと意味があり、無駄なことをしないイメージがある。
ならば今回も、ティーチなりにコビーの使い途を考えているのではないか。

コビーが必要だったのだとしたら、来たるべきルフィとの戦いのコマとして利用するつもり… くらいしか・・・う〜ん・・・今は思いつかない。

モバイルバージョンを終了