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ONEPIECE 1068「天才の夢」

ベガパンク抹殺のためにエッグヘッドに到着したルッチたちCP0の一団。



タテマエは「セラフィムの返却」なので、あくまで穏便に上陸許可を求めるが、ベガパンクはそれを許可しなかった。


CPを乗せた政府の船がエッグヘッド訪問後に相次いで失踪した(らしい)事件については、会話のやり取りを見た限りでは、CPがエッグヘッドを訪れたことは間違いない。

本当に失踪したのか?…がまず疑問だが、前提としてCP0はベガパンクを始末せよという指令を受けて来ているので、上陸を拒まれようが何としてもベガパンクを殺す目的は変わらない。
また、天竜人直轄のCP0ならばあらゆる政府機関に強権発動できるうえに強制執行をする実力も持っているわけで、ここでルッチが嘘をつく理由がない。

なのでおそらく政府の船が2ヶ月の間に相次いで失踪したというのは事実なんだろう。

では、それをベガパンクが組織ぐるみで行ったか、「悪リリス」が独断で行ったか、はたまた別の誰かが行ったか。

前述の通り、CP0ならば証拠を捏造などせずとも任務遂行が可能なので、第三者の仕業か、ベガパンクの仕業かのどちらかだろう。


ただ、この質問に対するベガパンクの答えによって、ルッチは何らかの確証を得たように見えるので、ルッチは失踪事件の犯人をはぼ断定しているということかな。


CP0たちは船を捨て、セラフィムの力を使って強行上陸。どうやらくま天使は「ニキュニキュ」の能力を使えるらしい。
いったい何人上陸して何人を見捨てたのか知らないが、くま天使が短い時間に数十人分タッチしてまわる光景を想像すると少し面白い。



「正シャカ」は研究員たちの避難と、セラフィム3体による迎撃を指示。戦桃丸が“味方”勢力という構図には違和感を禁じえないな。ところが撤退の指示に従わず暴れるために前線に出た「暴アトラス」は、にべもなくルッチに一撃で倒された。



「遊びじゃねェんだよ」
「暴アトラス」の暴れる性質は、「欲ヨーク」を見れば分かるように、あくまでベガパンクが本来持つ“怒り”や“破壊衝動”の解消手段でしかなく格闘用ではない。ルッチに適うはずもなかった。

さてその頃ルフィサイドでは、ベガパンクの話が続いていた。
ベガパンクが政府の手を逃れたい理由は、要約すると「まだ死にたくないから」となる。


今回のサブタイトルでもある「天才の夢」。それは「世界中に無償で“エネルギー”が行き渡る世界」だという。ベガパンク究極の目標は、遍く世界のありとあらゆるシーンで未来永劫エネルギーに困ることがない状況を創り出すこと。


それはただの夢想ではなく(目はイッてるけど…)、科学的な可能性は現実として“そこここ”に存在するものの、それを実際にエネルギーに変換する技術が確立できていない。しかし、それを追求し精査すればするほど、政府が隠匿する機械兵を動かしたであろう「古代のエネルギー」に近づき、意図せず世界政府に都合の悪い歴史を知ることになってしまった。


結果として「歴史を知りすぎた」罪で政府に消されるから、ここから逃れたいというのだ。

無償のエネルギーを世界に行き渡らせるということは、国家間の争いや貧困を減少させる効果が見込まれる。個人的には科学にまっっったく興味がないルフィも、皆が喜ぶ世界を作りたいというベガパンクを讃え、島から連れ出すことを受容する。
それが世界的にどういう影響を及ぼすのかをルフィがこの場で考えるようなことは、当然だがない。


それが容易なことではないからこそ麦わらの一味に目をつけたのだと思うのだが、ベガパンクが持って逃げる荷物として、彼の「頭脳」以上に重要なものなどそうないはずだ。

エッグヘッド上空を覆う規模に膨れ上がったベガパンクの「脳みそ」をすべて移動させることなどできるわけがないので、必要なデータをピックアップしてさらに圧縮して持ち出すつもりなのだろうか。
ベガパンクは「ノミノミの実」の能力者であらゆる知識を際限なく記憶することができるが、当然のことながら脳というのは記憶以外にも重要な働きがある。
その殆どは身体機能を正常に働かせる司令中枢を司っているもので、破壊されれば人は死ぬのだから、その部分(PCで喩えるなら“起動ディスク”の領域)は本体に置いたままにしてあり、無限に増えるストレージの部分のみ“クラウド”にしてあるということなんだろう。

それならば、パンクレコーズが破壊されても蓄積した膨大なデータが失われるだけでベガパンクは生き続けられるし、新たな記憶領域が作られるだろうから、必要最小限のバックアップを持ち出せば研究は続けられる。

この期に及んで、自分だけは政府の手から生き延びて研究を続けたいというのは、いかにも科学の権化らしいエゴといえる。
世界一の頭脳を持ち、失われた歴史を(おそらく)オハラの考古学者以上に解明しておきながら、天竜人を頂点にいただくこの世界構造を変えてやろうとか思わないところも、彼らしいといえるのかもしれない。

ただこの場合、サテライトたちはベガパンクの研究をより多角的に効率よく拡張するための“道具”でしかなかったことになる。
ベガパンクの“理性”といってもいい「正シャカ」が直接ドラゴンと通じていたことが気になってしょうがないよね。

「暴アトラス」を撃破したルッチの前に現れたのは我らがルフィ。


ルフィはCP0に狙われるベガパンクを逃がすために移動中。ルフィにとってルッチとの因縁は取るに足らないことだと思われるが、今倒された「暴アトラス」は躯体こそ機械のようだが自我があり知らぬ仲でもない。ルフィが黙ってこの場を去れるとは考えにくい。
ルッチにしても、麦わらの一味討伐は任務の範囲を超えるが、ルフィがベガパンクを連れ出そうとしているなら捨て置くことはできないだろう。

激突必至!

しかし、ここでこのふたりが戦りあえば・・・長引くだろうなぁ・・・。
今後の本筋に大きく影響しないなら、この場での二人のバトルは無いかもなぁ・・・。

なんとなく分かっていたとはいえ、サテライトたちの躯体は造り物か・・・「悪リリス」ちゃんもそうなんだろうなぁ・・・ガッカリだなぁ・・・

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