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ONEPIECE 1081「黒ひげ海賊団10番船船長クザン」

 




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渾身の覇気を込めた拳を海賊たちに叩きつけ、船ごと空から乗り込んできた「伝説の英雄」ガープ。


広場に集められた有象無象の海賊たちはほぼ壊滅状態だが、ガープはこの結果に自らの「衰え」を感じる。

「悪魔の実」を食わず、エモノも持たず、その身ひとつでロジャーやロックスと堂々と渡りあっていた全盛期のガープならば、果たしてどれ程の破壊力があったというのか。

ガープはコビーと無事再会。しかしそこを強襲したのはシリュウやバスコ・ショットではなく…


クザン。

扉絵シリーズ第25弾の中ですでに「黒ひげ海賊団クザン」として登場しているが、今回正式に「10番船 船長」と紹介された。

クザンは二年前の頂上戦争のあと、センゴクが退任した海軍元帥の座をかけてサカズキと死闘を演じた。
クザンは「海軍元帥」になどなりたかったはずもない。しかしその座にサカズキが就くことと、それを五老星が強く後押しして生まれる世界秩序を激しく拒絶したために、海軍を離れることとなった。

そしてその1年ほど後に、ティーチ直々のスカウトを経て黒ひげ海賊団に加入した。


「毒を食らわば皿まで」とでも云うのだろうか
「海軍大将」というあらゆる方面に融通が効く肩書きを失い、それでもかつて以上に知りたいことや為さねばならないことを得るためには、悪名でも利用する価値が十分にあった。


今回、クザンがガープのかつての一番弟子だったことが明らかになった。
若い頃「燃え上がる正義」を掲げていたクザンが、いつしか「ダラけきった正義」をモットーとするようになったことにも、ガープの影響が大きかったと思われる。

ガープは、自身が蛇蝎のごとく毛嫌いする天竜人を頂点に仰ぐ組織の中で、長いものに巻かれることなく、また権力を笠に着ることもなく、ゲンコツひとつで己の信念に基づく「正義」を執行してきた。
信念にそぐわぬ義務を纏うくらいなら…と大将への昇進を繰り返し断り、しかしその勝手な振る舞いを上部が黙認せざるを得なくなる明確な実績を示し続けてきた。

傲慢極まりないが、その信念が揺らがないからガープは強い。


ガープには譲れないものがある。成し遂げたいこともきっとある。それは年老いた現在でも一点の曇りもなくガープの心の中心で輝き続けているのだ。

クザンが求めているものもガープと同じではないだろうか。
「燃え上がる正義」を唱えていた頃のクザンは、きっと海軍の掲げる「正義」を盲信していたのだろう。それが「絵に描いた餅」だとか虚構だとか云うつもりはない。社会秩序は必要だからだ。
しかしガープの薫陶を受け、その社会構造の闇や歪さを知ってしまい、「正義」に前のめりになることをやめたのだ、おそらく。

だがクザンは大将になってしまった。見たくないものを見、やりたくない任務も渋々やっただろう。その負い目と自己矛盾への葛藤は消すことができない。これがガープとの大きな違いだ。

大願を成すための道筋にいまだ迷いがあるクザンにガープは云う。


迷う奴ァ 弱い!!!
縛られるな、今を生きろ。


ガープに倣おうとしているのか、自由に生きようとしてしかしまだまだ不器用なクザン。


黒ひげ海賊団への加入に際し、ティーチの野望を聞いた上で判断していると思われる描写があるので、そこに同調するものがあったのか、はたまた利用できると考えたのか。
仮にクザンがルフィの「夢の果て」を聞いていたら、どう考えたのだろうね。

ところで…


クザンは、逃げ出したコビーを捕えるために、なぜコビー本人ではなくひばりを凍らせたのか。
ひばりの「広島弁」がよっぽど気に障ったんじゃね? …という意見もあるがww、まぁそれも多少はあったかもしれないww。

若い女性は守られる立場にあるのでその身の悲劇が憐憫や同情を買いやすいとか云うと今どきは問題になりそうだが、ひばりは駆けつけた主力の中でヘルメッポの次に弱いと考えられる。
だがヘルメッポは船の上だし、仮にその生命を盾にとったとしても効果が薄い。(この云い方も問題がありそうだが、少なくともボク個人の心象としてはそう。)

そして何よりコビー本人を凍らせなかったのは、クザンがコビーに伝えたいことがあったからなのだと思う。
同じ師匠の兄弟子として、「英雄を継ぐ者」に。

この事件は、コビーの今後を占う大きな試金石となるだろう。

さてその頃、
新世界の勝者ウィナー島では、黒ひげ海賊団とハートの海賊団の戦いに決着がついていた。


ハートの海賊団 敗北。

幹部全員が能力者である黒ひげ海賊団が、どうやって潜水艇を真っ二つにしたのか興味深い。
砲撃や斬撃には見えないので、バージェスの怪力の仕業だろうか・・・。

しかしチョッパーがつくった秘薬の力で一時的に月の獅子スーロン化したベポがローひとりをつれて逃亡。


キッド海賊団とは異なり「壊滅」と表現されないことに一縷の希望を託すことにしよう。

ところで、
約一年前にクザンが黒ひげ海賊団に出会った時点で、ティーチたちは「ロード歴史の本文」をひとつも持っていなかった。

「ロード歴史の本文」は全部で4つ。
1つ目は ホールケーキアイランドでビッグ・マムが管理。
2つ目は ゾウのくじらの樹に隠されている。
3つ目は ワノ国の王城地下深くに据え置かれている。
そして4つ目は、26年前には魚人島の海の森に置かれていたが、現在「火の傷の男」が所持しているらしい。

このうち2と4の所在がティーチたちには掴めなかったのだが、ハートの海賊団は2を持っていたはずなので、現在2と3は入手確定。ビッグ・マムが居ない今、1もすぐに手に入るだろう。すでに入手してるかもしれない。
麦わらの一味と並んでリーチ状態ということかもな。



その「火の傷の男」に関する新情報。
シリュウがこう云ってる時点で「政府の人間」説はないと僕は考える。

船を沈めるといえば「さまよえるオランダ人」バンダーデッケン?かと思ったが、コレって


フロリアン・トライアングルのアレじゃねェの・・・?

 

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Comment

  1. 匿名 より:

    グザン達がホールケーキアイランド行ってますし、1つ目は入手済でしょうね。

  2. おざ より:

    師匠越えしたら・・ガープが・・なりそう(汗)
    その報はルフィにもドラゴンにも入るのでどのようなリアクションとるのでしょうか・・
    気になりますねこの後の展開が。

  3. 匿名 より:

    火ノ傷の男の件、巷じゃ船が黒いという情報からドラゴンなのでは?という意見を見かけましたが、フロリアントライアングルのやつも全然有り得ますね。個人的には物語の終盤で登場するという眼帯の海賊なのではないかと考えてますが。

    • BIE(管理人) より:

      まぁ革命軍がひとつくらい押さえていても不思議はないと思いますが、黒いからといってドラゴンとは思いたくないですねぇ

  4. おざ より:

    クザンは黒髭の一団に入って自由を感じてるのかね。
    出会う人を間違えたというか・・ルフィに先に会っていたらもっといい人生送れそうな、他の最悪の世代でもいいけど。
    よりによってという感がします。
    今後物語にどう関わっていくか分からんが良い結末が思い浮かばない。

    • BIE(管理人) より:

      クザンもここで「師匠超え」することで一皮むけるんじゃないでしょうか。
      しかしそれには、やはりガープが・・・

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