黄猿が上陸したことで、海獣兵器シービーストウェポンが総攻撃を開始。陸を守護するパシフィスタマークⅢも交えて、海軍艦隊との全面抗争が始まった。
黄猿に立ち塞がるのは戦桃丸。すでにボロボロの戦闘丸にとっては極めて分の悪い対戦だが、それだけではなく、どうやら二人の間には余人には計り知れない因縁があるらしい。それについてはまた後ほど。
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だが実力の差は如何ともしがたく、奮戦虚しく戦桃丸は敗北。パシフィスタに命令を下す「威権チップ」を奪われたことで、50体のマークⅢが海軍側の味方となってしまった。
次いで、黄猿は「光」の化身である肉体を利用してフロンティアドームのレーザー網を突破。
脱出準備のためにサニー号を島の裏側へ運ぶベガフォース1を発見した。
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それと同時に、ルッチが行動を開始。
黄猿の侵入に一味が慌てふためく隙をついてベガパンクを抹殺しようとした攻撃は、咄嗟にそれを察知し身を挺したステューシーに阻止されたが、ルッチは重症で動けないカクを見捨てて、それでも任務を遂行する気マンマンのようだ。
前回の「ひとり言」が通信だったのだとすれば、麦わら方の陣容もラボ内の立地もすべて海軍側に漏れているということになる。
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味方を得て調子づいたか!!
これはまぁ… おそらくその通り。まぁ身柄をきっちり拘束しておかなかったルフィたちも悪いわな。
黄猿と自分がいればミッション完遂できる ってのも決して無理なビッグマウスとも云いきれない。
そりゃあカクが無傷でステューシーが裏切っていなければまた目算も異なるだろうが、指示を仰ぐことができずとも一方通行に情報を的確に流し、使えなくなった味方は即座に切り捨てて任務遂行のフローを適宜再構築。加勢が来たなら即行動開始と、どんだけクレバーなんだか。
一流の諜報員とはこういうものなんだろうなぁ。
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ルッチの相手はゾロが、そして黄猿の相手にはいち早く
ルフィが飛び出していた。
黄猿!! おれ達は2年前の100倍強ェぞ
そーな。そんくらい強くなってるかもな。
大将との直接対決。
シャボンディと頂上戦争で飲まされた煮え湯を返上する機会がやってきたとはいえ、ここで黄猿を倒すってのは展開として「無い」と思うので、なんとか出し抜いて逃げるんだろう。もうひとりくらい誰か犠牲になるかもしれないなぁ・・・。
ホログラムを掴める「光圧グローブ」が鍵になるような気がしていたんだが、覇王色と武装色が強いルフィには必要ないな。
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さて、ここで微妙によくわからないのがベガパンクと黄猿と戦桃丸の関係性だ。
回想シーンでは、くま退治に出向いたベガパンクとボルサリーノが村の人々に馴染めない野生児の戦桃丸と出会い、ボディガードに雇うという名目で保護したらしいことが語られている。
くま退治を依頼された海軍の部隊にたまたまベガパンクが居合わせたのか、新発明の実験のために出向いてきたのか、そもそもなぜベガパンクがくま退治に出向いたのかわからないのだが、ともかくベガパンクに雇われ(保護され)て以降は研究プラントなどにも居たことから、常にベガパンクとともに居たと考えられる。
そしてそこにボルサリーノも居て、ボディーガードになりたい戦桃丸に戦い方を全力で教えた。ここから、ボルサリーノもまたベガパンクのボディガードとして常に随伴していた頃があり、三人は家族のように寝食をともにしていた時代があったのかもしれない。
そして戦桃丸が成長し強くなったことと、黄猿の大将就任などをきっかけにボディーガードの任を戦桃丸ひとりに任せることになったのだろう。
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ところで三人の出会いはいつ頃のことだったか。
1066話でオハラに登場した22年前のベガパンクはもっと頭が大きく額のシワなどがもっと老けていたのでそれより前。
MADSが解散したのが25年前よりも以前だといわれているので、それを仮に30年前として、戦桃丸との出会いが28年前だと仮定してみよう。
現在65歳のベガパンクは37歳、黄猿は58歳 → 30歳、戦桃丸34歳 → 6歳となる。こんなところじゃないかな。
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30歳と6歳(仮) 家族のように暮らし親子のような年齢差だったが、戦桃丸が育ての親であるベガパンクを仮の「オヤジ」と位置づけて、自分を「オジキ」と呼んだことにボルサリーノはひとつ踏み込まざるべき大きな線を引いたんじゃないだろうか。
また、戦闘術を教えたとはいえ師匠と弟子ではなく、ともにベガパンクのボディーガードとして身体を張っていた仲間としてある種の敬意を払い、彼を「親友」と呼んだのではないだろうか。
この三人の関係性からは、これまで見えてこなかった黄猿の人間らしさが窺える。
黄猿が本当はただのイヤな奴じゃなかったという展開を、少し期待している僕がいる・・・