前回までで、くまとボニーの過去になにがあったのか、謎だった部分がほぼ明らかになった。
今回はこれまでのストーリーとの照らし合わせ、最終“答え合わせ(帳尻合わせ?)”とでも云うべきエピソードだ。
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今から2年半前に旗揚げした「ボニー海賊団」は、ボニーの父:くまを探すことを第一の目的とし、世間に対し積極的に悪事を働くことはなかった。しかし、育ちが悪いのは仕方ないとして、海上での自己防衛と情報収集には「粗暴」であることが役に立つこと、そして政府に追われて懸賞金がかけられたことをこれ幸いに、名を売ってくまの目にとまるように「海賊」として身を立てたと思われる。
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敵対する者がボニーの能力によって年齢を極端に操作された例が、あたかも「老人や子供にも容赦ない悪党」であるかのように情報を恣意的に捻じ曲げて伝えられることで悪名は高まり、また実際問題、ボニーの存在は政府と海軍が開発中の最新兵器の完成を左右しかねなかったわけで、それもあって、わずか半年の間に億超えの賞金首に成長した。
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そうこうしている間に、われらがルフィは東の海でアーロンを倒し、偉大なる航路に入ってからは、クロコダイルを倒してアラバスタを解放、エニエスロビーに乗り込んで政府に真っ向から喧嘩を売りCP9最強のルッチを下し、バスターコールの勢力からも逃げおおせ、次いでスリラーバークにてモリアを倒す、という快進撃を半年と経たない間に成し遂げ、次々と懸賞金が積み重ねられた。(空島での出来事は青海には伝わっていないだろうから省いてみた)
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その間、くまは王下七武海としての任務と並行して、パシフィスタの開発に寄与し自らの肉体の改造も粛々と受けていたが、自分を探すために海賊になった娘ボニーと同様に、ドラゴンの息子としてのルフィの“活躍”をも気にかけていたようである。
前回のレビューで僕は、くまがルフィのゴムゴムの技を見ても、それを「ニカ」と結びつけなかったのは少し不思議だ。と書いたんだが、よそのサイトでは「あの時点でルフィの可能性を感じ取っていた」と読み取っている考察もあり、受け取り方は人それぞれなのだな…と思った。
だが、やはりあの時点では、くまはまだ期待を寄せるほどの興味をルフィにもっていなかったと僕は思う。
「ニカ」の様だ、と考えはしても、それは偶然の一致くらいにしか結論づけていなかった。
しかし、ルフィが次第に頭角を現し、民を苦しめる“悪い”海賊を次々と倒す様とその秘められたポテンシャルを認識するにつれ、何かを確認したくなってくる。
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そしてシャボンディ諸島でハチとケイミーをかばって、迷いなく天竜人を傷つけたルフィとそれを受け入れる仲間たちを見たとき、くまは確信したはずだ。
この男をこんなところで終わらせてはいけない。
お前は いつか世界を救う男だ。
くまは政府の命令に反して麦わらの一味を逃した。
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くまが人として生きられる時間はもう残り少ない。
「それさえ叶えばほかに何も要らない」とさえ思えたボニーの命は無事永らえることができた。たとえば一緒に暮らすなど、これ以上のことを望むことは、くまの倫理観として許されない。
ただ、かつての仲間にもなにも事情を話すことができず、このまま人でなくなってゆく自分の生きた証、くまがくまとして生を受け、特殊な力で人々を苦しみから解放したいと強く願った結果が未来へ繋がれるように、ボニーと、目の前の少年に想いを託したい。
かくしてくまは自我を失って以降も、麦わらの一味が戻るまでサニー号を守護することを希望する。
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大恩あるドラゴンの息子が、まるで「ニカ」のようなゴムの身体をもち、「ニカ」のように自由奔放に戦うことで苦しむ人々を解放し、世界の構図をひっくり返す大変動を巻き起こすとしても、くまはもうそれを見ることはできないが、その可能性を繋ぐことができるなら、もうなにも望むことはない。
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くまは最期に優しく笑った。
もう心配事はない。言い残す言葉は「感謝」と「祝福」だけ。
ベガパンクをはじめ、ボニーを救う「契約」のために力を貸してくれた、心を砕いてくれたすべての人にありがとう。
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さて、くまの記憶はすべてボニーに受け継がれた。
父:くまがどれほど偉大な「博愛の人」だったか、どれほどの痛みと苦しみを受けながら、それでも世を呪わずに笑って死ねたか、そして自分がどれほどくまに愛されていたか・・・。
普通なら12歳の少女がこの真意を受け止めることはとても難しい。
だが、語って聞かされたのではなく、父:くまの記憶を追体験することができたのなら、くまの45年の人生を、あたかも自分の身に起きたことのように思えるだろう。
くまが受けた苦しみや痛み、怒りを共有し、喜びや感動もまた共有できたのではないか。
それはひいては、くまがルフィに対して抱いた気持ちも、今ボニーが引き継いでいる可能性があるということだ。
実際に「ニカ」の能力に覚醒したルフィを見たときに、ボニーがどういう行動を取るのか楽しみだな。
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この先、ボニーはしばらくはルフィと一緒に行動するだろうけど、その後は革命軍に入るだろうね。マリージョアでのサボとの邂逅はその布石だと僕は思ってる。
12歳の少女には、キナ臭い戦場を離れて幸せに暮らしてほしいと思わなくもないが、政府がそれを許すとも思えないし、何よりボニーが望まないだろう。
両親が志半ばにならざるを得なかった「革命」への強い思いを体験してしまったからな。
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最後にえ〜とね・・・これ書こうかどうしようか悩んだけど、
最悪に冷めたこと云うと・・・
最期のボニーへの「誕生日おめでとう」は、記憶を抽出したあとで自我を失う寸前にベガパンクに伝えたことなので・・・
今ボニーが追体験したくまの記憶には、記録されていないんじゃね・・・。いやすまん・・・サイテーやな僕・・・。