ONEPIECE 1121「時代のうねり」

BIE（管理人）

3か月前

前回、
ヨーク以外のすべてのベガパンクのパンクレコーズへのアクセス反応消失を確認し、あとは自動で流れ続けていると思しき「告発配信」を止めることが肝要だと論じた五老星だったが、

その最優先事項とは別に
エッグヘッド島から離脱する巨兵海賊団の船に乗り込んできたサターン聖。

このときサターン聖が「逃さん」とした対象は、くまとボニー。

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ジョイボーイの再来として五老星にも引けを取らない戦闘力を発揮し、900年前の鉄巨人を目覚めさせたルフィを、何がなんでもここで仕留めなければ…　というならまだ分かる。

しかし、現状でくまは廃人同然で、それを唯一直せるかもしれなかったベガパンクはもういない。
ボニーは「ニカ」のようにもなれる無限のポテンシャルを見せたが、精神的にも身体的にも未成熟でルフィ以上に長続きしない。何よりボニーの能力はサターン聖が詳細を知るものなので、対策はいくらでも立てることができるはずだ。

ボニーが“くま”タイプのパシフィスタを操れるとはいっても、僅かな時間にVナス馬がすべてを無効化したように、五老星にとっては脅威とはならないし、ボニーが逃げたあとに“くま”タイプの個体をすべて廃棄すれば済む話だ。（もったいないけどな…

ベガパンクの配信が、イム様と五老星が望む未来へと無知蒙昧な大衆を導くことの大きな障壁となることは間違いない。では、五老星が（サターン聖が）この場でくまとボニーを逃がすわけにいかない理由とは、いったい何だろうか。

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くまは革命軍の幹部なので、今回の繋がりでボニーが革命軍に保護され、同時に麦わらのルフィが革命軍と接触すれば、それは政府にとって大きな障害となり得るかもしれない。
しかしそれとて、ルフィがドラゴンの息子でサボの義兄弟であることは周知の事実なので、実際にはほとんど関わりがないのだが、敵対組織としては関係や同盟をすでに疑っていて然るべきで、今さら何かに慌てる必要があるとは考えにくい。

本来、歯牙にもかけない相手をただ利用しただけのつもりだったベガパンクも、くまも、ボニーも、それぞれ少しずつその行動がサターン聖の思惑を超え、すでにいろいろやばい状況に変化してしまっている「不始末」へのケジメをつけなければいけない…　とサターン聖が焦りと苛立ちを見せていると考えるべきだろう。

「バッカニア族には奴隷か死しか許されない」という世界政府の絶対的ルールがありながら、くまの生存を黙認したことがそもそも間違いだったし、始末する機会は何度もあったのに弱みを握って利用しようとしたのも間違い。自爆装置がついているから…と、天竜人の奴隷のまま放置したのも、明らかにサターン聖の失策だ。
ベガパンクやボニーに対しても、自ら事に当たったサターン聖の判断が悪かったと弾劾されることになるだろう。

今、サターン聖は「五老星」の中での立場を賭けた分水嶺に立たされているのだ。
世界の行く末なんかよりも大事な自身の尊厳と地位を賭けて、自らの失策によって生まれた悪い芽を今ここで摘む。
サターン聖はそう考えているに違いない。

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だが、そんなサターン聖を許せなかったのはボニーも同じ。
疲労困憊の身体を圧してふたたび「ニカのような未来」を体現。

いまだ詳細は不明瞭な「虐げられてきた稀少種族」のことなど、ボニーにとってはどうでもいい。
両親と幸せに暮らしたかったがそれはもう叶わない。しかし過酷な運命に翻弄された両親があたしの「生」を望み祝福してくれたことが分かったから、あたしは運命を呪ったりしない。

立ち塞がるものが父の仇で母の仇なら打ち倒し、今後の生き様でそれを証明して見せる。

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ルフィとの協力技「解放のニカパンチ」炸裂。

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無数の拳を叩き込まれたサターン聖は吹き飛んだ。
この傷も再生するのかもしれない。しかしエッグヘッドまで吹き飛ぶか、海軍船に激突するか、先だってルフィたちにぶっ飛ばされたマーズ鳥が戻ってきて受け止めるかしない限り、サターン聖は海に落ちる。彼らの能力が「悪魔の実」に由来するのであれば海に落ちれば（普通なら）致命的だ。