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ONEPIECE 1126「落とし前」

ときは一か月以上前、ところは新世界の「ガルテル島」


海賊“人喰いのバルトロメオ”が、「四皇」赤髪のシャンクスのナワバリで無法を行った。

これは短期集中扉絵連載 第23弾「押し掛け麦わら大船団物語」にて語られた、バルトロメオの狼藉のことだ。
扉絵でこのことが描かれたのは2017年なのだが、作中ではわずか一か月ほど前のことなんだと。


おそらくは、その島に何ら特別な用はなかったが、偶然立ち寄った島で“いつものように”バルトロメオたちは“シノギ”をはじめた。
なんせ、彼らは田舎の陸の武闘派ギャングの成れの果て。海賊の流儀や矜持すらなく、ただ野放図に暴力で威圧するのみ。彼らはきっとこんなことばかりをして1年足らずで名を挙げてきたのだ。※毎度おなじみバルトクラブでござい… という名乗りがすべてを物語っているよな。

だが今回は少し違った。
バルトロメオが麦わらのルフィを信奉していたのは海に出る前からずっとだが、ルフィと(一方的に)盃を交わして正式な手下となったからには、麦わらの一味の魅力を啓蒙する死命を勝手に担っていたのだろう。


並々ならぬ熱意でこしらえた、麦わらの一味のシンボルを象ったステッカーと、ルフィをディフォルメした似顔絵のピンバッヂを売りつけることが、ルフィと一味の評判を下げることになると彼らはまったく気づいていない。


さらに勢いあまって「ガルテル島」をナワバリとしていた赤髪海賊団の旗印を燃やすという暴挙。
当時まだルフィは四皇になっていないが、だからこそ「ルフィパイセンこそ海賊王」「四皇シャンクスなにするものぞ!」と盛り上がっちゃったんだろうな。
2017年のジャンプ掲載時「えらいことしたけど、コレどうやって始末つけるんだ!」ってネットがざわざわしてたけど、僕はけっこう楽観視していた。だって、どうせルフィ四皇を全員倒すつもりだったし。

巨悪でもない港の小悪党をシメてみかじめ料をふんだくるとか、そんなことしてたら遅かれ早かれバルトロメオは痛い目を見ただろうし、ルフィが責任を問われたらそれを機会にシャンクスと戦えばいいじゃん。って思ってた。


ところが、そのバルトロメオの“やらかし”をルフィが知る前に、シャンクスがやって来ちゃった。実力差は云うまでもなく、ふん縛られるバルトロメオ。

気になるのは、バルトロメオの狼藉が一か月以上前だったとして、この赤髪 VS.バルトロメオの邂逅はいつのことなのか? ということ。


だって、ワノ国でルフィがカイドウを倒した直後には、まだケジメ取ってなかったじゃん。あれ長く見積もっても10日〜2週間前くらいじゃね?
その直後には一度エルバフへ行って、キッド海賊団を壊滅させて、それからガルテル島へ戻ったってことなのか?

もしそうだとして、じゃあ一か月もの間バルトロメオはずっとこの島に居たとでも? なんかおかしくね?

ともあれ、


赤髪海賊団の船医ホンゴウから「ルフィを殺すために」と出された毒薬をすぐさま自分で飲み干し、ルフィパイセンに類が及ばないように必死で懇願するバルトロメオ。


しかし毒薬は偽薬だった。

シャンクスはもともとルフィを害するつもりはないが、バカにはお仕置きが必要。「一か月以内にルフィに飲ませろ」と云われてどう行動するかが試されていたのだ。


本当にルフィに飲ませたとしてもルフィは死なず、バカとの縁が切れるだけ。ルフィのもとへ行きながらしかし飲ませることを逡巡していたら、もうこれまでと同じ信頼関係は続かない。ルフィのところへ行かずシャンクスからも逃げれば、それはもう海賊としての終わりを意味する。

だが翻って、バルトロメオは自分だけが罰せられることを望んだ。
「黙ってて欲しい」は少々あつかましいと思うが、これを一切の躊躇なくすぐさま行動に起こしたバルトロメオの男気は買ってもいいだろう。


結果、毒薬では死ななかったが、逃亡するなりヤソップの狙撃によって船は轟沈。
バルトクラブの面々は生死不明とされている。「バルトロメオ海賊団」って書いちゃったね…ww

このヤソップによる狙撃。


使っているのは大砲でもなんでもなくいつも持ってる長尺銃だ。一撃で撃破できるような戦艦並みのビーム砲… なワケないんだが、描かれていないだけで数発から数十発撃ち込んだか、または特殊な弾丸を使ったか、でなければヤソップは「見聞色」だけでなく「武装色」の優れた使い手でもあることになるかな。

FILM REDでもヤソップはウソップと親子共演で活躍してたけど、ここまでの威力は感じられなかったからなぁ・・・。

次、
黒ひげティーチが海賊島ハチノスへ戻ってきた。


自分の留守中にコビーに逃げられ、その騒動で島が半壊したが、代わりにガープの身柄を拘束したことに満足しているようだ。クザン曰く、殺したつもりが死んでなかっただけ…だそうだが、とにかく生きててよかった。


ベガパンクの告発により、ひとつなぎの大秘宝ワンピースの争奪戦が公になり、現実味を帯びて一刻の猶予もなくなってきた今、ほかの四皇をいかにして出し抜くかが問われている。
そうなってくると、世界政府や海軍の横槍を回避する策も練らなければならない。

コビーは人質としてその要となるはずだったが、彼は社会的に英雄ではあったが「SWORD」だったので組織に見限られる可能性もあった。
ではガープは… というと、コビー以上の英雄には違いないが現役を退いた退役兵なので、海軍が取引に応じるか否かはわからない。英雄を見捨てることによる社会的影響を考えればある程度の譲歩は望めると考えてのことなのだろう。


古代文字を解読できるかもしれないプリンの身柄を押さえていることもあり、眼の前が開けているつもりなんだろう。

同じ四皇でも、バギーは無視していいと思ってそうだよな。
ミホークとクロコダイルには一目置いているかもしれないが、ワンピース争奪戦に前のめりではなさそうだし、クロスギルドは参戦しても横からちょっかいかけてくる程度に考えているだろう。

ルフィはバカ正直に面倒事に巻き込まれるから、直接対峙するのはまだ先になる。
となれば、当面の仮想敵はシャンクス・・・なんじゃないかな。

で、麦わらサイド


ベガパンクを守れなかった悲しみを乗り越え、楽しくエルバフへと向かっていたのだが、ふと気付けば、サニー号が消息を絶ってしまった。
宴の間は巨兵海賊団の船に曳航されていたので、本当に“いつの間にか”居なくなっていたのだ。


そのため巨兵海賊団の船はそのままエルバフへ向かうわけに行かず、迷走中。

巨兵海賊団の船に残っていることが確認できるのはフランキー、ロビン、ブルック、ジンベエの4人。ボニーもリリスも残っているので、ルフィを筆頭にゾロ、ナミ、ウソップ、サンジ、チョッパーと、古株のメンバーから数えて6人が失踪したことになる。


はたしてその頃・・・


昏倒していたナミは、見たこともない場所で誰かに呼び起こされた。
レゴブロックのようにも見えるこの場所はいったい・・・


ナミが飲みすぎて意識を失うというのが、まずあり得ない。
そして大剣を背負っているというのも違和感アリアリ。
とにかく何者かに意図的に攫われたと考えるべきだろうな。

想像していたのとはまるで方向性が異なる新章突入に僕も困惑しきりだ。

 

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