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ONEPIECE 1129「生人形“リヴドール”」

“太陽神”の正体は、ハイルディン率いる「新巨兵海賊団」の航海士:ロードだった。


先日、ペットのカラス:ムギンが、サウザンドサニー号を咥えて帰ってきた。
そこにはルフィをはじめ数人のクルーが眠りこけていた。どうやらエッグヘッドへの航路にある「眠霧地帯」を通ったらしい。

ロードは、誇り高きエルバフの戦士が小さくて貧弱なちび人間よりも優れていると考えているようで、ハイルディンが独断でルフィの子分になると決めたことが気に入らなかったため、眠っているうちに、彼らを自身の趣味(?)である箱庭世界に閉じ込めてそこの住人としたのである。

そう、ここはロードを創造主“太陽神”とする「設定」の閉鎖空間につくられた擬似世界。
しかし住人たちはヴァイキング風の装いをしていても、ここには海もなければ植物も野生動物もいないため、戦争も略奪も狩猟も開拓もない。
日々ここで何をして生活を営んでいるのか。仕事は?家族は?食事は?

おそらく彼らは“太陽神”からそれぞれ何らかの役割を与えられ、食事は配給のような形で提供されているのだろう。だってこの地には作物など育たないからな。


ロードが何のためにこの世界を夢想したのかまだ分からないが、それが何かの実験であろうと理想郷の創造であろうと、ルフィたちがそんな絵空事に付き合わされる理由はない。
ルフィはこれまで通り、向かってくる凶暴な獣をぶち倒して食い、はじめて見る世界にワクワクしながらも用がなくなれば逃げるのである。


だが、その予想を超えたルフィたちの行動力は、ロードの何らかの琴線に触れたらしい。


自分が創造した世界で、小さな生き物が運命に必死で抗う様子、無味乾燥な役をこなすだけのこれまでの住人たちには見られなかったバイタリティが、予定と想像を超えた事件を起こす。それらはこの世界の歴史として刻まれてゆく。
この世界に生命の息吹が吹き込まれたことに歓びを感じているのだろう。


神様視点のゴッドゲームのキャラクターとしてルフィたちを管理・観察し、悦に浸ろうという、まぁ、その抵抗もすべて我が掌の上と思う余裕からくる思考に他ならないが。
う〜ん… アリの巣箱でも観察している気分なんだろうか・・・。


だが、ルフィたちならば、彼の掌も想像の範囲も容易に超えてゆくに違いない。


ナミがくすねた地図によれば、“大樹”の側鏡の向こうは分厚い外壁となっているので、それを破れば外へ出られるはずだ。


壁をぶち抜き、ロードの作り上げた箱庭世界を脱出したルフィたちが見たものは・・・


さて、ロードの言葉遣いについて、サンジも「侍のようだ」と気付いたようだ。
これは、ロード個人がワノ国との何らかの繋がりを持っている可能性を示唆しているが、果たしてそうだろうか・・・
ちょっとロード“太陽神”の性格をみてみようか。

ちび人間の命や尊厳を重んじない傲慢な性格
妄想で創り上げた「世界」を統治し、畏怖されたい征服欲・支配欲
空想世界の細部ディテールへの強い拘り
抵抗されても絶対負けない自信があるちび人間を相手に、それでも素顔を隠して匿名で君臨

そして「デフフフ」という品のない大きな含み笑い
「ござる」言葉で他人との独自性を演出

これって・・・
絵に描いたような“オタク”だよねェ・・・・

「拙者」「ござる」は、きっとどこかで耳にしたワノ国の言葉にオタク心をくすぐられ、気に入って使っているのだと思う。


かなりの誇大妄想に陶酔しきっているようだが、だからこそ、この世界に君臨する唯一神が「天罰」を喰らってしまったことを彼はどう捉えるのだろうか。


「天罰が下った」と認識したなら、麦わらの一味を害することは許されないと考えるかもしれない。とくにナミのことはもともと推せるくらい好感度が高かったので、“雷霆”が彼女の仕業だと分かれば、ナミを特別に神格化することも考えられる。

まぁ、味方になるだろうとは思ってたけどね。すんなり手下になってくれれば話が早くていいな。


ところで


ヴァイキング風の衣装に身を包んだ住人たちは、起きた出来事を“太陽神”に必死で説明するなど、やたらこの世界に順応していたが、出口があるとみるや、脱出の相談をしはじめた。


彼らは洗脳されていたのでも、この世界を信じていたわけでもなく、逆らっても勝てないから仕方なく茶番に付き合っていただけなのだ。


だって、ちび人間が多少の反乱を起こしたところで、勝手に妄想を捗らせて喜んじゃうんだもんな。
人の話を聞かねェ巨大なオタク・・・怖いわ・・・


“扉絵特集”では、ヤマトが編笠村を訪問。お玉が忍者修行に勤しむ様子が描かれているが、その師匠であるしのぶがまた太ってるな。
雷ぞうと一緒に緑牛アラマキに養分を吸われてやせ細っていたのに、元通りの体型に・・・。貫禄ついたなぁ・・・

 

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