ロビンが昔世話になったサウロに対し、船長として挨拶をしたい。
これはエースが、ルフィの命の恩人であるシャンクスに「兄貴として挨拶せねば」と考えたことに通じている。
もともとこれは、自分の庇護下にある者が他者の手によって救われ、本来なら自分がするべき手間を他者にかけさせたことに詫びと感謝を伝えるものだ。
なので、出会う20年も前の出来事に現在の親分が挨拶するべき道理は、実はない。
しかしロビンにとってサウロは、生きる道を示してくれたかけがえのない存在であり、サウロがいなければロビンは「麦わらの一味」という仲間たちを得ることはできなかっただろうし、逆にルフィにとってもそうなのだ。
しかも親同然の存在ともなれば、「おれに任せろ。もう心配は要らない」という意思を伝えることは、子を預かる親分として至極まっとうなことなのだろう。
ところが、ルフィがした挨拶は親分的なそれとはどこか異なり、何やら渡世人が仁義を切る仕草が混在していた。
これはよその親分さんに客人として世話になる際の礼儀であり、ちと使い方を間違えているきらいがあるが、そもそも仲間に対して“船長”ではあるが“親分”のつもりはないルフィの偉ぶらないスタンスがよく表れているといえなくもない。
まぁ、ワノ国で眼にした何かに感化されたんじゃねェのかな…。
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サウロはロビンを連れて図書館へ。
22年前、学者たちが命をかけて遺した文献が気がかりで、命からがら脱出したオハラにふたたび舞い戻ったサウロは、ハイルディンたちの助力を得て島中くまなく探し、残っていた文献をすべて回収したという。
かつては「禁止されているのだからダメ」だとしか考えることもなかった「空白の100年」。
オルビアと出会い、バスターコールという異常に過激な措置をとった政府や海軍を信じきれなくなったサウロは、ロビンという希望を未来に放った。
そしてその問題の真実・真相を知らないながらも、オハラの悲劇を政府のいいようにさせないために、彼もまた命がけで文献を回収・保護してきたのだ。
その成果を真に見せる相手は、ロビンを置いて他にいない。
22年前、当時すでに図書館に自由に出入りしていたロビンが、読んだことのない文献はどれほどあるのだろう。
また、学者たちが夜ごと隠れて調べていた“歴史の本文”に関する研究資料などもあるのだろうか。
クローバー博士が五老星に向かって説いた仮説を裏付ける資料は。
当時の学者たちは、断片的なさまざまな資料を平行調査して推論を導いていたんだろうか。ロビンは“歴史の本文”が読めるのだから、彼らより踏み込んだ内容を読み解けるのかもしれない。
いや待て。
そもそもロビンが古代文字を読めるのはなぜだ? …と考えると、今のロビンほどではないにしても、当時の学者たちも解読できていたと考えるべきだろう。
未解言語の翻訳にはインスピレーションが必要らしいので、彼ら以上の才能をロビンが有している可能性は十分にあるが、果たしてロビンはここで新しい情報を得ることができるのだろうか。
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ロビンとは別行動のルフィたちはエルバフいちの学校を案内してもらえると聞いて、期待と興奮を抑えられないのだが、
その実態は、想像していたものとは少々趣きが異なるようだ。
子どもたちは努めて行儀よく、乱暴な言葉を忌避、そもそも「戦士」という生き方に興味がなさそうだ。
困惑するルフィとウソップに、学校の教師リプリーが云う。
流行らないのさ
ロキに殺されたというハラルド王は、戦いよりも他国と交易せよと命じたらしい。
それは、他者と諍いを持つよりも、和合して共存繁栄の道を模索せよ、という意味だと思われ、その改革が推し進められたということは賛同する者がそれなりの数いたということで、伝統を重んじる長老たちをもおそらく説得して、国の方針を大きく変革することに成功した。
今現在、次代のエルバフを担う子どもたちがそういう教育を受けているということが、曲がりなりにも制度・風習として根付いている証であり、最後の戦士の世代だというリプリーがそれを指導する立場になっていることからも、その浸透ぶりが伺える。
おでんが「ワノ国を開国せよ」と云ったことに通じるような気もするし、関係があるなら大昔の出来事をそもそもの理由とする物語の根幹に触れる可能性もなくはないので、ハラルド王がいかなる目的で融和を志したかが重要だ。
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まぁ… 性格からしてロキはそれに反対したのだと思うが、そうなってくると「悪魔の実食べたさに父王を殺した」というのがちょっと怪しくなってくる。
もうちょっと複雑だろうし、誰かに唆されて王殺害に手を貸した。または実行犯に祀り上げられた可能性もあるかな。
今のところの印象だと、ロキって端から端まですべて「強がり」にしか見えないんだよな。
つまり思慮浅い馬鹿息子。プラス乱暴者で身の程知らずでプライド高い…数え役満。もう誰かに利用される危険度が余裕でMAXじゃん。
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で、
そのロキは誰かと電伝虫を介してお話し中。厳しい言葉の裏に優しさを感じるとか云われて憤慨してるけど、お前まんざらでもねェだろ。上手く掌で転がされてるんじゃねェのか?
コイツだよ、コイツ!
会ったこともない素性すら分からない誰かと長いこと友だちやってるのは、他に友だちが居ないからだろ。本当にロキのことを思ってるヤツって可能性もゼロではないけど、調子のいい太鼓持ちって感じだよね。
ただなぁ…
ロキが馬鹿で愚かだった自分を反省して、最終的に亡き父王の跡を継ぐとなると、ワノ国と展開が似てくるからそれはないだろう。
ロキはモモの助に成り得ない。
…となると、ロキの役目は何だ。
ローラと和解して結婚、尻に敷かれるまでセットかなぁ…
あ! ローラに振られたせいで拗らせちゃったのかもな。それまでは花一輪差し出して求婚するような優しい心の持ち主だったとか… ねェか(笑)
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それはそうと…その頃、
エルバフの王城(おそらく無人)に珍客到来。
それは…
え!! シャンクス!? …ともうひとり
しかも五老星のような魔法陣(ゲート)をくぐって。
これをシャンクスと認識するには、ちと違和感がありすぎる。だからといって、一部ネットなどでまことしやかに騒がれている「シャンクス双子説」を安易に受け入れたくない…。
さらに、もうひとりの人物(?)は女性・・・?
現時点で仮説を立てるのはまだ早いかな。
ちょっと急転直下が過ぎないかい?オダッチよ… いや、解決してないから急転直下じゃねェな。序破急が過ぎるよオダッチ!
ええぞ!もっとやれ!