ロキを縛る錠の鍵のところまで案内はしてくれたものの「ロキの解放は誰も望んでいない」「欲しければ奪ってみろ」と云いだした謎の爺ィ。
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ルフィはナメられたくないし、用事をさっさと済ませて宴に戻りたい。
だが、ひらひらとルフィの攻撃は避けられるし、こちらの隙を的確についてくるかなりの強者だ。
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そして二本の手斧に込められた明確な殺気は、人の感情を読むことに長けたルフィにその本気を感じさせ、攻撃のヤバさも予見させた。
ゾロが「受け」に割って入らなければ、ただでは済まなかったに違いない。
巨人族の子供コロンの言葉に、その父親である爺ィに対しゾロがある種の警戒心を持っていたことも幸いしたが、こうなると問答無用だ。
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しかしルフィとゾロが本気になった途端に爺ィは白旗を上げた。
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爺ィの真の名は“スコッパー・ギャバン”。「海賊王の左腕」と呼ばれた男だ。
先だってシャンクスからルフィのことについて何やら吹き込まれ、仲間も含めてルフィの「器」をその目で確認したかったと見える。
瞬時の判断で船長のフォローをし爺ィの本気の技を受けきったゾロと、ルフィの白い姿を確認して、満足したのか一方的に矛を収めた。
そして、正体を明かすことなく「この島を出る頃にエルバフが無事だったら、またおれに会いに来い」と告げて去った。
シャムロックと軍子の覇気を感じ取っていたギャバンは、この地が戦火に見舞われることを予期している。さらにロキを解放することで起こる混乱。そこでルフィがどういう立場で何を為すか、誰を敵に回してどう立ち回るかが試されているのだ。
それらを凌ぎきって、エルバフを無事出港することができるなら、それはひとつの資質を得たということになるのだろう。
そのときは、かつてシャボンディでレイリーが語ったように、ギャバンから彼らに話すべきこと、または託すべきことが語られるのではないだろうか。
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その頃、エルバフの中層「陽界」の森で増援を呼ぶ軍子。
「呼ぶ」といっても、五芒星アビスと呼ばれるくだんの魔法陣を介して半強制的に転移させられてきた。
ソマーズ聖とキリンガム聖
当然どちらも天竜人のようだが、キリンガム聖はなんだコレ、能力者なのか・・・?
麒麟・・・だよな。いやぁ・・・個性的なキャラが出てきて嬉しいわ。
で、どうやらシャムロックはふたりと入れ違いにマリージョアに帰還するらしい。
ルフィと対面するのはまだ先になりそうだな。
シャムロックを除く「神の騎士団」三名は、これからエルバフ制圧のために子供を誘拐するらしい。誰の子供を何人、そして巨大な子供たちをどうやって連れ去るのかはまだ謎だ。
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さて、ここで僕にはひとつ気がかりがある。
シャムロックがエルバフに居る理由をソマーズ聖が問う場面だ。
「何してる、こんな非加盟国で… ハラルドの墓参りでも?」
これはエルバフの先王ハラルドの死を悼む気持ちがあることを意味している。
天竜人全体の認識としてそうなのか、ソマーズ聖が個人的にそう思っているのかは分からないが、少なくともシャムロックがそう考える可能性にソマーズ聖は思い至ったということ。
かつては問題や障害を暴力で解決し「略奪」や「戦争」で世界中を恐怖に陥れ、一時は新世界を制圧した、死をも恐れない巨大な狂戦士たちの王国。
一時は融和政策に動いたエルバフだったが、その指導者だったハラルドはもういない。
そして第一の後継者たるロキに会いに来たが良い返事をもらえず、しかしエルバフという巨大戦力を野放しにしておけなくて、シャムロックたちは強硬策に動き出している。
これって、前々々回1137話のレビューで僕が書いた「ハラルドとロキの間にどういう確執があったか」の答えなんじゃね?
少なくとも、神の騎士団とハラルドは「良い関係」だったんだ。表面上だけかもしれないがね。
カルメルの存在は大きかったんだよ、エルバフではきっとね。
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ところで余談だが: