サイトアイコン 我思う故に・・・新館

ONEPIECE 1141「歳上の女」

鍵を携え、ロキのところへ戻ってきたルフィ。
ロキの解放の是非を判断するためにゾロが同行しているが、ナミは宴に戻った。


少し離れている間にいったい何があったのか、何者かに重症を負わされたロキと、ルフィも仲良くなったの巨大動物たちの骸がそこにはあった。

情に流されたワケではないが、瀕死の顔見知りを見過ごせないルフィは、一も二もなく錠を解こうとするが、ゾロはまだその結論を急がず慎重だ。


手順と約束を省略して今すぐ解放してやる義理もなければ、そもそも助けてやる義理もない。
そりゃそうだ、ルフィの行動は前提がまず間違っている。

ルフィの頭の中では、ロキを解放してシャンクスについての情報を貰うことまでは決定事項なのだ。だから助けてやりたいし、すぐにでも喋れるほど回復してほしい。


とりあえず、ロキが本当に瀕死かどうか“手っ取り早い”方法で確かめたゾロは、


片足だけは海楼石に繋いだままにして他の錠を解くことにした。

そこへやってきた(落ちてきた)のは新巨兵海賊団の五人とサンジ。


ハイルディンたちは、そりゃもう命がけの大急ぎで、ロキの解放を止めに来たのだった。
ロードが連れ帰った門番たちの負傷と、ロードの態度を不審に思ったゲルズが問い詰めた結果、すべてゲロったらしい。


ハイルディンが云うには「ロキは狡猾で残忍で腹黒く救いようのない悪党」「多少聞こえのいい事を言ったとしたらそれは計略」「昨日の友を平気で殺す鬼畜」「信用してはいけない世界の敵」

実に酷い云われようだが、おそらくそれがエルバフ全体の共通認識なのだろう。それだけのことを実際過去にやってきたに違いない。

だがハイルディンの必死の訴えも虚しく、ロキの錠はすでに解放された後だった。もちろん片足一本を残して…だが。


長い拘束から放たれ立ち上がるロキ。
左脚は海楼石に繋がれたままなのになぜ立ち上がることができるのか。いや、それ以前に意識があるのか。
疑問は尽きないが、ここで分かることは、エルバフ新進気鋭の新巨兵海賊団の面々ですら、ロキにはまともに太刀打ちできないであろうということだ。

あれだけ慌てて飛んできて必死でルフィを説得しようとしていたにも関わらず、ハンマーに手をかけようとするロキを実力で止めようとしないもんな。目ん玉飛び出るほどビビってる場合か。
残念ながら「“鉄雷”から手を離せ!!!」なんて云ってる間に、問答無用で殴り倒してでも阻止しようという気概が感じられない。

まぁ、ロキは巨人族の中でも特に身体が大きい部類のようだし、おそらくそれは「古代巨人族」の血なのだろうが、腕力や躊躇のない残虐さなどから、恐れ慄かれる存在なのだろう。

 

少し余談だが、僕は「悪魔の実」の能力者に対して「海」がもつデバフは「絶対的」であるべきだと考えているが、残念ながら作中ではそうではない。

たとえば魚人島へ向かう際、ルフィもロビンも力が抜けることを感じながらも海の中で能力を使っていた。克服することはできなくとも、地力が強ければ「海または海楼石」から受ける制限をある程度抑え込むことは可能なのだ。

だからこそロキの場合、何重にも過ぎるほどに厳重に海楼石で縛り付けてあったんだろう。
瀕死の重傷を負いながらも、片足分程度の海楼石になら抗うことができるとしたら、それはロキの地力の凄まじさを物語っているといえるかもしれない。

また意識のあるなしについては、ロキはいまだ意識を失ったまま無意識で立ち上がった、または誰かに操られているという可能性もあるかな。
操らているとしたら、神の騎士団の新顔たちの能力が明らかになっていないけど、彼らには彼らの任務があるので除外するとして、電伝虫で話してた謎の相手の仕業・・・だとか?

いったい何が起きているのか・・・

まぁとにかく、ハイルディンたちによるロキ評は間違っていないんだろうが、過分に畏れられ過ぎていたり、してもいないことを「やりかねない」と悪評を盛られているってこともあるんじゃないかなぁ。

シャンクスのことで冷静でないとはいえ、他人の感情に敏感な(でも騙されやすい)ルフィが「助けよう」とまず考える相手なだけに、純粋な部分を持っていると思うんだよなぁ。それが何なのかは分からないが・・・

ところで、フランキーパートで出てきた“ハウゲン”という村の話。


その昔、落雷から火事となった“ハウゲン”。宝樹アダムのほかの枝への影響を考えて、燃える村ごと枝が切断されたそうだ。
枝が古くなると火が消えない… ってことはないと思うが、極度に乾燥していたり木の繊維に亀裂が多かったりすればよく燃えて消えにくいってことはあるかもな。


このエピソードは、宝樹アダムといえど古くなると弱くなる、ということを云いたいのか、または「火事」と「雷」がエルバフの致命的な弱点となり得ることを云いたいのか。ともかく何かへの布石だと思うよね。

後者の場合、ロキのハンマーが“鉄雷ラグニル”という名前なのがちょっとだけ気になる。
まぁ… 雷を使う神様ってたくさんいるから、容易にモチーフに引用されることもあるだろうけど。

さて最後に、今回のサブタイトルは「歳上の女」


これはエルバフ最高齢(世界最高齢?)のヤルル様が語る“好きなタイプ”だそうだが、これってサブタイトルになるほど今回の話で重要なワードかね? なにかの伏線だったりすると面白いな。

 

モバイルバージョンを終了