いよいよ大詰めとなった「ゴッドバレー事件」。
我々が事前情報でほぼ唯一知ることができていた「ロックス VS.ロジャー・ガープ」の全容が語られる。
何やら邪悪なモノに変化してしまっていることが容姿や雰囲気から明らかで、話も通じず見境なしに殺しまくるロックスの前に立ち塞がるのは、仲間が無事に船にたどり着くまで殿を務めるロジャーと、海軍が見捨てた現地民をもこれ以上ひとりとて犠牲にしたくないガープである。
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と、その前に…
仲間だったはずの海賊たちは大半が私欲に走り、ロックスに起きた異常を知りもしない。
これだけ盛大な被害があり、島中に異様な覇気が撒き散らされても、まったく我関せずひたすらドサクサ狙いというところは、さすがロックス海賊団の主メンバーたちともいえるか。
いやぁ、強ェわ…。
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ロックスが自我を失う場に居合わせたのはニューゲート・カイドウ・リンリンの3名。しかしカイドウは「悪魔の実」の能力に浮かれて俺ツエーしていただけ、リンリンはカイドウ憎しでこの場に偶然やって来ただけで、ロックスの変容やその経緯などには興味がない。
ニューゲートただひとりだけがロックスに起きた“現象”に反応を見せたが、わずかな問答だけで何かを察したらしい。
それ以上追うこともなく、この場を去るニューゲートは機嫌が悪そうだ。
もしかすると、ロックス海賊団に念願の「家族」を夢見ていたのかなぁ・・・
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そこに現れたのは「ポーロ・グラム」と名乗る男、うん…コイツはどう見てもマルコの親父。後に、彼をはじめとするニューゲートを慕う海賊が続々と配下に集まり、白ひげ海賊団が興ち上がるのだろう。
会ったこともない他人からこれほど惚れられるとは、ニューゲートの人間性を浮き彫りにしているよな。
さりげなく「ホロホロの実」のゴーストみたいなのが描かれてるの、気になるわ・・・誰よ、先代能力者・・・
それはさておき、そうするとマルコって「マルコ・ポーロ」じゃん… 何かしらの意図を感じざるを得ないな…
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さて、件のメインイベントに話を戻す。
悪魔化してしまったロックスは甚だ強く。膂力ハンパなければ体力もほぼ底なしで、当代きっての実力者であるはずのロジャーとガープの攻撃がことごとく受け切られていた。
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埒があかないふたりは一時協力して戦うことに・・・
なんとかロックスを正気に戻すことはできないか、さんざん手を尽くすふたりだったが、相手の底なしの体力にジリ貧を感じ、思案の末に肚を括って最後の手段に打って出る。
ここへ来て、仲間や民間人を傷つけないためだけではなく、無念のロックスに引導を渡してやりたいと思ったふたりが、後の保身を捨ててすべてを賭けた最後の大勝負。
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「火之迦具土慧士ひのかぐつちのえいす」「無限拳骨インフィニトゥムエクスプロージョン」
いずれも最大質量・最大出力の技を多層に繰り出す大技だ。
ガープの技名はちょっとガープらしくない。「聖闘士星矢かよ」と思ったのは僕だけだろうか…。
また「火之迦具土」ってのは僕の記憶では「ほのかぐつち」だったと思ったけど、まぁバリエーションがあるんだろう。日本神話で生まれる瞬間に母神に致命傷を与えた火の神様の名前だよね。
火の神様だから続けて「エース」と名がついていることにエモさがあるんだけど、この火の神様は怒った父神に殺されるんだけどな・・・。
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かくして決着。 …と相成ったかどうかはまだ分からないが、これで仕留められなければもう打つ手がないのでなんとか倒せたと思いたい。イム様の黒転支配への対応策に光明が見えるだろうか。
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結果、「ゴッドバレー事件」の全ては厳重に隠匿され、島そのものがもとより存在しなかったものとして扱われることとなった。
その裁定を下したのは人の姿に戻ったサターン聖だが、眼がイム様のままだ。海兵たちに命令を下すには「五老星」の姿でないとダメだから人の姿に戻ってはいるが、喋っているのはイム様だ。
いや、海兵さんたちよ。あんたらの何人かはサターン聖が禍々しい化物に変身するところ見てたんでしょ? 海兵も攻撃されたじゃんよ。目つきも怪しいしそんな人の命令素直に聞いてんじゃねェよ。
まぁ… どれだけ不信が募ろうとも五老星の命令は絶対。だとはいえ、ここまでの不信は噂になって走るだろ、普通。
イム様登場シーンに居合わせた海兵たちも全員殺されたのかもしれないなぁ・・・殺されたんだろうなぁ。
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戦闘中、ロジャーとガープが興味深い会話を交わす。
正体不明の“黒い化物”を目の当たりにし、政府の正義・正当性にガープも疑いを持ったという。
そして・・・
そんな「海軍」なんかやめちまえ、辞めるならウチに来いとガープを勧誘するロジャー。ガープへの信頼が感じられる。しかしガープはそれを厳に断った。
「おれが辞めたら海兵達を誰が守るんだ!」。
天竜人とそれを頂点とする社会構造が大嫌いなガープが、現在でも未だに海兵で居続ける理由は、僕は海軍内部や政府に近いところからでないとできない改革を見越しているのではないかと思っていた。それはスパイだとか社会反逆者とかではなく、それこそガープが「D」たる所以ではないかと考えていたんだが、どうやら逆だったのかもしれない。
ガープは、天竜人の傍若無人で非道な行いのために、現状の世界がこれ以上酷くならないようにするための防波堤として内部に居続けているのだ。スケールがデカい!!
はたしてこのどデカい「英雄」の称号を、コビーは見事継承することができるのだろうか・・・。
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うん・・・
事前情報がほぼまるで無かった「ゴッドバレー事件」の真相はあらかた分かった。
いやぁ、ここ数回は内容的には新情報満載で面白いものの、「ロックスとは」「ロックス海賊団とその壊滅」「ドラゴン」「シャンクス」それらの説明に慌ただしくあちらこちらのパートを行ったり来たりで、まったくレビューしにくいったらなかった(笑)。
回想はまだ終わらないけど、次回からはもう少し書きやすくなるかなぁ・・・
