本当に何を今さらというような話なのですが、ドラゴンボールのおはなしです。
物語後半
戦闘力のインフレ化が著しかったフリーザ編が終わって
人造人間編というのがありました。
未来からやってきた少年トランクスの話通りに人造人間を迎え撃った悟空たちでしたが
現れた人造人間19号・20号はトランクスのいた世界で猛威をふるったやつとは違いました。
そして更に強い17号と18号、トランクスも見たことがない16号も出てきて
その上トランクスより更に未来からやってきた人造人間セルをも交えて
話はもうしっちゃかめっちゃかになっていきます
フリーザ編の途中から話の大筋以外はずっとデタラメに展開しており、
段違いのパワーを見せられもうダメだと思ったら
パワーアップした悟空(もしくはベジータ・ピッコロ)がそれを圧倒し、更に一段階変身した敵をも更に越える味方が現れ・・・の繰り返しと、ストーリーは完全に破綻していました。良く人気が続いたものですね。
おそらく編集部のゴリ押しでムリヤリ連載を続けさせられていた鳥山氏
本誌によるリサーチとブレーンの思いつきで展開をどんどん変えていったと思います。
キン肉マンを例にとっても、ジャンプマンガでは当たり前のことですが
細かい矛盾とかではなくて、この人造人間編には明らかな方向転換の跡が見られます。
それが16号です。
新展開のテコ入れとして満を持して登場したカタチとなる16号ですが、当初その存在は謎だらけでした。
悟空をたおすために造られたことと、完全機械タイプであること以外すべてが謎です。
その後セルをたおすために自爆しようとしますが、
体の中の爆弾はブリーフ博士によって取り外されていたため自爆することができず
セルに破壊されてしまい、悟飯が力を出すきっかけこそ作ったものの
最後に残った頭部もあえなく踏みつぶされてしまいました。
さてここで考えてみましょう。16号を登場させた意味があったでしょうか。
ずいぶん意味深に登場したわりには、存在目的の悟空とからむこともほとんど無く
犬死にのように死んでしまいました。16号の果たした役割はほかの人でも可能なんです。
ここから考えると
当初、16号の登場にはもっと意味が持たせられていたハズなんです。
まず
現代に再びやってきたトランクスは19号を知りませんでした。
このあと本当に恐ろしいのは17号と18号だと皆に伝えますが、ここがまずおかしい。
3年前に来たときにトランクスは19号と20号の脅威について語っており
人造人間の設定が後付けで変更されたことは明らかです。
おそらく19号20号を登場させたものの、格好良くないし愛嬌もない敵ということで
読者の評判が悪かったんでしょう。急遽、本当の敵は別にいることに変更
17号と18号そして、物静かだが一番恐ろしく
さらに悟空に何らかの因縁を持つ16号が設定されたと想像できます。
では、当初の予定では16号の正体は何だったんでしょうか。
・無口、無表情
・自然や動物が好き、悪いことが嫌い
・体の中に爆弾
これらの特徴をもった、レッドリボン軍に作られた人造人間といえば
そうです。人造人間8号こと「はっちゃん」ですね。
16号の正体は再調整されたはっちゃんが記憶を消され、
悟空を殺すことだけを目的にプログラムされ再登場。
完全な機械故にプログラムに逆らえず、
恩人だったはずの悟空とたたかうことになる哀しい運命。
しかしラスボスがそれではインパクトに欠けるので、変更して
「もっと悪いやつを」ということでセル登場と相成った。
というのが僕の仮説です。
実はこの仮説は連載当時から僕が友人に語っていたんですが
誰一人賛同してくれる人がおらず、悲しい思いをしていたものです。
そのうち自分でもそんなことを考えていたことすら忘れてしまい、
最近ドラゴンボールを読み返して思い出しました。
同じ考えの人がきっといると思うんですが
知る限りでは同じ説を唱える人を僕は見つけられなかったので、今更ながらここに書くことにしました。
最終的には、物語終盤で元気玉に協力するその他大勢ではっちゃんは再登場しますが
初登場の時点では16号の正体ははっちゃんだったに違いないと
僕は今でも確信しています。