ジョジョの奇妙な冒険 第三部 #13「運命の車輪」
コミックス 16巻08章~17巻02章の半分までに該当。
陸路、パキスタンへ向かう一行。
シンガポールで別れたつもりだったアンが待ち伏せしていた。
(立て看板の文字が英語になってるが、
あとで出てくる道標も英語表記なのでこっちの方が自然だ
いったいどうやって入国したのか
カルカッタやベナレスではどうしていたのか、
何故ついて来るのかなど、肝心なことは何もわからない。
原作ではもっと「連れてって」→「ダメ」の応酬があるのだが
そんなことに大きな尺は使えなかったんだろう。
そもそもアンが居ないと成り立たないストーリーではないし
再登場の必要性は極めて少ない。
インドへ向かう同じ列車に乗せていたことを、荒木先生
思い出したのか、それとも指摘されたのか、
もう一回出演させざるをえなくなっただけだと思うね。
もしくは、スピードワゴンやスモーキーのように
非能力者の立場で状況説明をするキャラにしたかったが失敗した・・・のか。
原作のやりとりの「エロ写真」のくだりは面白いので
カットされたのは少し勿体無いww
ところで、
言うまでもないが今回のエピソードは
スティーブン・スピルバーグを一躍有名にした
「激突!」のオマージュだ。
執拗に追跡され何度も死ぬような思いをする砂漠のカーチェイス。
立ち寄ったカフェで無関係の客に掴みかかる、などのシーンが引用され
「激突!」では追手のトレーラーの運転手の姿を一貫して映さないことで
あたかもトレーラー自体が意思を持ち追いかけてくるかのような
演出がなされているが、それがスタンドに置き換えられた。
追ってくる車両は乗用車に変更されたが、「激突!」に登場するトレーラーは
序盤に正面衝突する対向車としてゲスト出演している。
(タンクローリーではなくコンテナ車に変更されている。
アニメの方はピータービルト281を特に意識していなさそうな
デザインになっているのが少し残念だ。
街道の茶屋
遠くからでも、壁に牛のフンが貼り付けてあるのが見える。
原作では、
読者にわかりやすいよう、荒木先生手書きの注釈が添えられ
謎の物体に興味がある花京院・ポルナレフの様子が印象的だった。
本作では、ポルナレフだけが興味を示し、
匂いを嗅いで顔を背ける様子が描かれている。
大川透に「ウンコはもえる」
と、ナレーションして欲しかったような気もしないではない。
「運命の車輪」最終形態
変形したッ! 攻撃してくるぞッ!!
原作では、変形すると、どこか生物のような雰囲気があったが
アニメ版はピカピカ・ツルツル・トゲトゲの
趣味の悪いバットモービルみたいになってる・・・www
「生物のような不気味さ」というのは
「激突!」でスピルバーグがトレーラーを「怪獣」として描写したことに
たぶん由来しているので、ここは大事にして欲しかった。
リアのディテールもずいぶん未来的になっちゃって・・・
かっこいいけどさ。
岩の隙間を追って来るときも
爪で岩を削って、タイヤを折りたたむなど丁寧に変形して
狭いところへ押し入ってくるが
・・・そうじゃねぇんだ・・・
ここはボディがひしゃげようが、シャシーが折れようが
お構いなしに車体をねじ込んで追ってくるのが恐ろしいのだ。
アニメ版の方はちっとも
知恵の輪ができなくてカンシャクをおこしたバカな怪力男
という感じがしない。
今回は総合して原作の理解度が足りていないような気がした。
ま、ともあれ撃破。
本体があまりに情けなくって爆笑する一行・・・
一行・・・・え!?
じょ・・・承太郎さん? その満面の笑みは何???
いや、たしかに原作でも笑顔ですけど、
そこはキャラ守ってくれませんかね。
ラストのスタンドカードだけは少し生物っぽいわ
次回:エンヤ婆襲来「正義その1」
注)
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」 のレビューは
コミック版との比較をしてみようというスタンスで書いています。
決して原作やOVA版崇拝者ではありませんし、アニメスタッフに喧嘩を売るつもりもありませんが
思ったことは言うというブログ自体の姿勢を崩すつもりはないので
ファンの方には、しばしば不愉快な思いをさせることがあると思います。
それについては、何というかもう・・・ご了承ください。
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