ジョジョの奇妙な冒険 第四部 #14「漫画家のうちへ遊びに行こう その1」
コミックス 34巻06章~09章の半分に相当。
表情の陰が抑え気味、全体的に禍々しさが抜けているし、何より声のトーンが明るいので、以前とはまるで別人のようだ。
仗助とジョセフが赤ん坊を拾った第13話の翌日のエピソードで、仗助は母親探しに忙しいそうだが、聞かれていないことまでペラペラと…
チリ・ペッパー事件が片付いたとはいえ、つい最近まで敵だった男に情報を漏らしすぎだろ、康一。その「警戒心のなさ」が、間田を安心させたんだろうが・・・
康一をすっかり気に入った間田が言うには、人気漫画家:岸辺露伴がこの町に住んでいるという。
「不動産屋が話しているのを小耳に挟んだ」というのは、原作では軽く触れているだけなんだが、アニメではイメージ付き。
立ち読みをしていたら、店の外で立ち話をするのが聞こえたらしい。
客(しかも有名人)の個人情報を往来で話す極めて非常識なこの二人・・誰?
岸辺露伴本人ではないのはもちろん、前回ちらりと登場した編集者でもない。服装からすると、おそらく紺スーツのほうが不動産屋で、手前の特徴ある後ろ姿(というか髪型)は・・・
チープ・トリックの乙雅三(きのとまさぞう)だよな?
こいつの後ろ姿はある意味「特徴的」だが・・・
乙は「一級建築士」なので、露伴の住む家を建てた、もしくは設計したということなんだろう。だから修理を依頼したとき乙が来たと・・・なるほどねぇ。チープ・トリックの回で補足あるかなぁ
呼び鈴を押す前に突然現れた岸辺露伴(・・・コワイ
扉のおかしな所が開いた気がしたが、そういう演出なのだろう。
パソコンのモニターがCRTだったり、FAX電話とコピー機が一体化していなかったりと、いろいろと時代を感じるが、肝心の製図台が少し気になる。
これはアニメーターのトレス台ではないのか?
傾斜が付けられた木の枠の中央に、ガラスか樹脂板が填められているように見える。
原作の方でも、パッと見同じように描かれているようで、しかし違う。
木の板の上に、もう一枚なにか厚手の板か紙が乗せられているようだ。
僕は漫画を描かないので詳しくは知らないのだが、この「もう一枚」が何であれ、この台がトレース台というのは明らかな解釈の間違いだ。
実際そういう台を使って作画する漫画家さんも居るのかもしれないが、岸辺露伴という作家は、トレス台など決して使わない。「絶対」だ。これは断言してもいい。
いつから杜王町で仕事をしているのか、という康一の問いに「3ヶ月前に越してきた」という。サラリと流しているが実家がS市内にあり、「この辺り」には子供の頃住んでいたことがある。実は、原作には「この辺りに」のセリフがない。
そのため、子供の頃住んでいたのは、実家があるS市である誤解を生みやすい・・・というか、そうとしか受け取れなかったので改変されたのだろう。
そう。
露伴は幼少期を杜王町で過ごしてた。そうでなければ都合が悪いのだ。
席を外した露伴の目を盗み、こっそり完成生原稿を見たふたりは、その迫力に圧倒される。・・・そして
露伴のスタンド「ヘブンズ・ドアー」の能力によって生きた書物に変えられた康一と間田。
嘘偽りない他人の人生や経験を読むことで、執筆活動に「リアル」を加味する。
自身は「知的好奇心の権化」なのに他人と接するのが煩わしい露伴らしいスタンドと言えよう。
文章を追う目の動きがおかしいぞ。それではアラビア文字だ。
他人の体験を絵や文字で読み、自分の創作の糧とする。さらに、新たに記述を加える事で記憶を改変したり禁止事項を設定することができる。
このため、康一は露伴を害するあらゆる行動を取ることができなくなった。
その夜、自分の体重が20kgも減っていることに気づいたが、それに対策を取ることができない康一。仗助に電話することもできない。
さらに翌朝、重い身体を引きずりふらふらと康一が向かった先は露伴邸。
待っていたよ。時間ピッタリだ・・・
次回:「漫画家のうちへ遊びに行こう その2」
余談だが:
アップ髪の姉:綾那(18歳)が、以前よりずいぶん老けて見えるのは気のせいか。
おことわり)
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」 のレビューは
「原作準拠」の検証の目的で、コミックとの比較をするスタンスで書いていましたが
第四部は、三部までほど「原作準拠」に拘っていないようなので、比較はもちろんしつつ、
筆者の勝手な推察や持論を、多めに盛り込んで書いてゆきます。
基本的に、揚げ足取り中心の文章となることはこれまでと変わりないので
ファンの方には、しばしば不愉快な思いをさせることがあると思いますが、
筆者は決して悪意を持ってはいないことをご理解の上読み進めていただけると幸いです。
また、検証・認識の甘さから、的はずれなことを書くかもしれません。
その場合は、遠慮なくご指摘ください。
ご指摘・お叱り・応援、あらゆるご意見を歓迎します。