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宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第二章「発進篇」その1

2017/08/17
 




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この盆休みに、宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たちの第二章「発進篇」を観た。

第一章を観たときには、旧作のリメイクとしてのサービス演出や、前作2199の続編としての追加描写などにいたく感激したのだが・・・う〜ん・・・なんというか、第二章は純粋に楽しめなかったのである。

仮に1年後くらいにテレビ放映されたとして、前作2199のときと同じようなモチベーションでレビューできる自信がないので、今のうちにちょっと踏み込んで書いてみることにする。

ネタバレあるので、これから観るつもりの人は観てから読む方がいいかも。

第三話「衝撃・コスモリバースの遺産」

旧作では、めまぐるしい復興に浮足立ち、人々が発展・繁栄に浮かれていることを「堕落」と捉え、文明の発展に伴い過剰にオートメーション化された科学を盲信した、血の通わない物量だけの軍拡路線では地球を守れないことに、古代たちは不安を覚えた。
さらに「宇宙の平和を守るリーダーとなるべき地球は、宇宙の彼方からの助けを無視してはいけない」という、古代のいささか傲慢な主張が却下されたため、今の地球の在り方に疑問と危機感を抱き、機械ではなく人間同士の激戦をくぐり抜けたヤマトだけがテレサのメッセージに応えるべく地球を旅立つ決心をする。

作品が作られた時代背景の影響や、前作での設定に沿わねばいけないなどの理由で、当然ながら本作2202では、旅立ちの動機づけが旧作とはかなり異なっている。

地球に復興をもたらしたコスモリバースによる「副作用(ここはぼかしておこうかね)」こそが軍拡論調の礎となっており、イスカンダルが犯した愚を繰り返さないと恩人スターシアと交わした約束を反故にして、兵器としての波動砲を前面に押し出した地球連邦政府の方針を、古代たちは「間違っている」と一刀両断。

テレサのメッセージはヤマトクルーだけが受け取ったため、政府に理解されないことは仕方ないとして、テレザートに関する情報は、都市伝説的で不確かとはいえ旧作よりも明確に提示されている。

波動砲艦隊構想に猛反対して土方が更迭されたときに、古代や真田に、土方に同調せず中央に踏みとどまるよう言い残したときから、地球が間違った方向に軍拡路線を拡充した際には、ヤマトがその抑止力となるよう真田は波動砲の再配備を準備していた。

なるほど、色々と説得力が増している。
命がけで救った地球は約束を反故にした。自分たちの痛切な願いも聞き入れてくれない。これらはたしかに不満だろう。
しかし、テレサが知らせる「大きな災い」を、言葉ではなく「心」で感じ取らされたからには、これはもう行くしかないでしょ!的な古代の発想は極めて危険。こういう奴が詐欺に引っかかるのだ。
全員同時に、たったひとりのジレル人に精神操られたことをすっかり忘れたらしい。


自分の信じる正道こそが、地球の、延いては宇宙すべての正道であると信じて疑わない、旧作の熱い男:古代ならいざ知らず、2199の古代はどちらかというと慎重派だった。拳をふるい先頭に立って怪気炎を上げるようなキャラではなかったはずなのだが、本作では艦長代理を務めることもあり、やや旧作に近い性格に変更されているのかもしれない。

その頃、土方指令や空間騎兵隊の斎藤が駐留する第十一番惑星で、ガトランティスの攻撃が始まった。
その前衛艦隊を指揮するのは・・・


これ、ナスカ・・・だよな。エンドロールでは「コズモダート」って書いてあるけど、誰?

第四話「未知への発進!」

反乱行動を起こしてまでの航海に迷いはない。しかし波動砲を封印するべきかどうかに迷う古代。
地球の方針に異を唱えるのだから封印するべき。しかし艦長代理の任を託された今、未知の敵との戦いで乗員を死なせないための備えも必要・・・。


「覚悟を示せ」

先のガミラス戦役において、浮遊大陸でその絶大な威力を知って以降、沖田艦長は敵艦隊に向けて波動砲を撃つことはしていない。波動砲が必要な事態はなにも兵器として使う場面とは限らない。強い意志で封印すればいいのだ。


さりげなく登場する「南部財閥」関連企業。
物資の手配や搬入どうしたのかと思ったら、南部がコネを使った模様。軽率な南部のことだけに、よくそこからヤマトの所在や計画が漏れなかったものと安堵するわ。


旧劇場版「さらば〜」では「これは地球連邦政府に対する反逆行為だ。ただちに退艦せよ。」というだけだった本部からの通信は、
救済を求める声を無視できない君らの気持は分かる。しかし性急にすぎないか。見知らぬ星系の争いにヤマトが不用意に干渉すれば、その影響は地球にも及ぶ可能性がある。そんな未来は誰も望んでいない。という、藤堂長官直々のネゴシエーションに変更されているが、退艦ではなく「投降せよ」と言っているあたりに本音が現れている。

ヤマトの発進を阻止するための部隊がドックに侵入したため、ゲートの開放と注水をするために、サブコントロールルームへ出向いた工作隊が居残りに。
これは「ヤマトよ永遠に」で、小型艇のゲートを開くために向かった雪が艇に乗れずに居残ったことを思い出させるシーン。


居残り組は、山崎・星名・桐生・岬の四名。

星名は2199ではクーデター鎮圧のための隠れキャラだったし、岬はユリーシャの依り代で役目を終えた。桐生は「星巡る方舟」のためだけに追加設定されたキャラなので、本作では特に役割がないから降ろされたものと推察。(斎藤と顔なじみなんだが)

山崎は…そうねぇ…、本作の結末がどうなるかはまだ分からないけども、もしヤマトが玉砕することになって、さらにもし続編が作られることになったら、機関長できるクルーが居なくなっちゃうからじゃね?・・・ってことは、徳川機関長はまず間違いなく本作で死ぬね。
まぁ旧「さらば〜」でも、山崎はヤマトに乗っていて最後に退艦した19名の中に居たらしいんだけどね。


で、旧作では最後の最後に現れた島が「それまでどこに居ってん?」という疑問の回答として、結集作戦の決行を陸から見ていて出遅れた島は、ドックに侵入する部隊に紛れてギリギリで乗艦した、ということに変更された。

ドックを出て海中に進行してからの胸躍る発進シークエンスはほぼ旧作の通り

こういうのを丁寧になぞってくれるのはとても嬉しい。

戦闘衛星を撃破するのはTV版の「ヤマト2」と同じ。反逆者の汚名を着てでも、確固たる決意で航海に臨む古代はじめクルーたちの強い意志を確認し、それを見送る藤堂長官


「沖田の子供たちが征く」は名セリフ。

ヤマト阻止のためにアンドロメダ率いる波動砲艦隊が迫る。

今回はここまで。第五・六話はまた今度書く。
第二章を純粋に楽しめなかった理由も併せて・・・ね。

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