え〜と、まず扉絵特集は、今週からサイ編。
物議を醸したバルトロメオ編は、キャベンディッシュ編と同じく全5回となる前回で終了した。「起承転結」の「転」で終わってしまいオチが付かなかったことがなんともスッキリしないが、これはもう「本編へ続く」と考えて良いのだと思う。
で、サイは本拠地へ帰郷するのだけれども、
・・・イチャイチャしとりますな。まぁ新婚だものな。
不幸な生まれのベビー5ちゃんだから、是非とも幸せになって欲しいものだ。本名はなんというのだろうな。
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本編:
ゼウスを利用してナミが落としたクソでっかい雷鎚でも、ビッグ・マムを止めることはできない。
そこへ現れたプリンとシフォンは、唯一ママの「食い患い」を止められるケーキを作って一味を逃がすために、サンジに手伝えと言う。
当のプリンは、サンジの顔を見ると悪態しか口から出ないのだが、デレる自分を認めたくないあまりに反射的に悪態をついてしまうらしい。
その表裏の振り幅が「ツンデレ」という言葉で表すには余りにも大きすぎて、女性の気持ちなどカケラも理解しないルフィですら、なにやら気づいたみたいだ。
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ルフィたちを騙す目的なら悪態をつく必要はないし、ハート目で泡吹くくらいだから、プリンがサンジを好きな気持ちとそれを認めたくない気持ちは、どうやらどちらも本物。
「手伝う」という名目でサンジだけを逃がすつもりである可能性もあるが、その場合シフォンに協力を頼む必要がない。まぁ、プリンは今冷静ではないから、何が最善なのか、何を一番したいのかは、混乱していて明快な答えなどないのかもしれない。
プリンたちの計画は、ショコラタウンまで行き最速でケーキを作って、逃げるルフィたちと海上で落ち合う、というものだが、カカオ島ショコラタウンって、来るときにペコムズが「あと1日かかる」と言っていた距離があるはず。これを持ち堪えろとはなかなかの無理ゲーにも思えるんだが、おそらく直線距離ならそう遠くないんだろう。
以前プリンがルフィたちに提示した航路は、兄弟たちだけが知るママの目を盗めるルート。それを使って1日未満で到着しているので、ペコムズがあと1日かかると考えていたルートはもっと遠回りだったんだろうな。
ともあれ、サンジの「やる気スイッチ」がこのシリーズに入って初めて入った。
本当の勝負はここから・・・なのか!?
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ところで・・・
ママは、極上のケーキを食うことで正気には戻るだろうが、それは麦わらの一味を見逃す結果には直結しない。
今のママは、ルフィがケーキを持ち去ったと思っているから海を超えても追ってくるらしい。結局、ケーキを食わせようが食わせまいが、ルフィはママに狙われるのだ。
平時の余裕があるママであれば、生意気なルーキーを泳がせる事もあっただろうし、ルフィは放っておいてもいずれママを倒しにやってくるのだから、あえて放置する判断も有りだ。しかし、ルフィはママ自身が招いた闇社会のVIPたちの前でママに赤っ恥をかかせた。ひとつしかないマザー・カルメルの写真も割ってしまった。もはや感情的にも、面子の上でもルフィを野放しにはできない。
ケーキを食って正気を取り戻したママに対し、もとより顔も見たくないほど嫌われているシフォンと、役目を果たせなかったプリンは、いったいどうやってママをなだめるつもりなのか。
なんだか物語が「和解」ルートに向かって進んでいる気もするが、ルフィが「四皇はすべて倒す」と宣言している以上、今じゃないとしてもそれは実行してもらいたい。
63年前の真実をママが知ってしまい茫然自失、真っ白に。ルフィたちはその間になんとか逃げおおせる。って感じなのかなぁ・・・。
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今回気になった点は、プリンの「メモメモの実」による「記憶の糸」を使った記憶操作の技。
ホーミーズに対し、元の魂の持ち主の記憶を走馬灯のように蘇らせ、一時的にママの支配から離れさせる、というもの。
前回のカカシ騎士(?の件で少し書いた、ホーミーズには元の魂の持ち主の記憶があるのではないか?の問いに対する回答だ。
こたえ「ホーミーズに元の魂の持ち主の記憶はある。」
まずカカシ騎士がホーミーズなのかどうかは、とりあえず置いておく。(違うという意見も貰っている。
プリンの説明によると記憶を走馬灯のように蘇らせているとのことなので、彼らが今ママの命令どころではなくなっているのは、断片的な大量の記憶が矢継ぎ早に再生されて混乱しているからだ。レイジュに施したような、プリンが挿入編集した偽の記憶ではなく、ホーミーズ自身が持っていた記憶がダイジェストにオムニバス再生されたのだ。
ホーミーズは、元の魂の持ち主の記憶を持っている。
とはいえ、彼らの人格がその記憶を元に形成されているかというと、それは少々疑わしい。なぜなら、ママの魂から作られたゼウスやプロメテウスは、ママと同じ人格をしているわけではないし、個体差もあるからだ。
今、彼らが混乱しているのも、自分に覚えのない記憶が呼び覚まされたからだとすれば、元の魂の持ち主の人格とホーミーズの人格は同じではないと言える。
ホーミーズの生命の秘密がもう少し詳しく知りたいものだ。
「寿命」と「魂」を同一視していることにも、僕はいまひとつ納得がいかないのだ。
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プリンの記憶操作は「可能性」である。
「食い患い」を起こした暴走ママを沈静化させることができるかもしれないし、ママのルフィやサンジに対する怒りを消すこともできるかもしれない。ルフィはそれを望まないだろうが、とりあえず逃げるまでの一時的な措置として使うことはできる。
また、失ったママの記憶を呼び覚ますことができるかもしれないと、今回明らかになったことが実に大きい。ママは別に記憶喪失になったわけではなく、夢中で気づかないうちに起きた出来事を認識していないだけなのだが、本人が「目に映ったが覚えていない」事象も、深層意識には記憶しているものなのだそうである。しかも、その記憶を呼び覚ますことは、ママ本人でなくとも、ゼウスやプロメテウスからでも可能なのだ。
ま、ママの記憶を呼び起こすことが事態の解決につながると、唯一知っているシュトロイゼンが目を覚まさない限り、それをしようという流れにすらならないだろうがね。
最終的に、プリンが自分の辛い思い出に自ら封印をする、なんて使い方はしてほしくないなぁ。