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ONEPIECE 893「C家36女フランペ」


なぜ気を抜いた…
お前を認め始めた矢先に…、失望させてくれる…

カタクリ気付いてなかった!!

ルフィに命中したフランペの吹き矢は無音だそうなので、百歩譲って気配も薄かったとしても、手下のボウガンが届く距離で集団でゴソゴソしていたことに、世界でも指折りの「見聞色の覇気」使いであるカタクリが気付かなかったとは、普通なら考えられない。


しかも、その気配が薄い(かもしれない)フランペの吹き矢を、ルフィは無意識に躱してみせた。これはルフィの「見聞色の覇気」がカタクリを超える可能性を示唆するものだ。なんだかカタクリが大した事ない奴に見えてきた… いや、ルフィの成長が著しすぎるのだが。

張りつめた勝負の中でルフィの気迫が一瞬途切れた理由が、フランペの加勢にあったことにようやく気付いたカタクリは、


自らルフィと同じ傷を負いケジメをつけた。


男の戦いに薄っぺらい援護などするな!!!

カタクリは、てっきりホメてもらえると思っていたフランペを激しく叱責し、家族の誰にも見せたことがなかった素顔を晒した。

はて?
この戦いは、カタクリにとって、いつから「男の戦い」だったのだろうか。

当初はルフィのことなど、勝って当たり前の格下の相手、数時間前までは、家族と海賊団にとって排除すべき存在としか認識していなかったカタクリ。そこに戦いの「質」を求める意義はなかった。

であれば、そこで不肖の妹が不躾な横槍を入れたとて、ルフィに対しその責任まで感じる必要はないし、カタクリはそこでケジメをつけるような漢らしい男ではない、と僕は思っていた。

ところが、この戦いの中で目まぐるしく成長を遂げ、自分と同じ「見聞色の覇気」の高みに登りつめようかという敵ルフィを認めるということは、周囲に同じレベルの者がいない不幸、王者の孤独を分かち合える好敵手に、カタクリが出会えた歓びを意味していると言ってもいいだろう。

また、ルフィと仲間の信頼関係が、自分たち家族にないものであることを、フランペの愚かな行動で思い知ってしまったことも、考えを改めた原因のひとつに違いない。

近い未来を予見することができるとしても、他人の将来まで見通すことはできないはず。
そもそも最初に、ルフィをここで叩いておかねばビッグ・マム海賊団にとって大きな障害となる可能性を感じ取ったのは「見聞色の覇気」ではなく、カタクリの漢の、または戦士としての勘だったのかもしれない。


状況が五分とはとても言えないが、ここからが本当の男と男の戦いだ。

果たしてルフィは10億の男を超えられるか!?


さて、カッコよくて無敵のカタクリおにー様に気に入って貰いたくて、余計なチャチャを入れたシャーロット家36女フランペ。


おにー様が激おこなのには驚いたが、もちろん自分の行為を反省などするはずもなく、はじめて見たカタクリの醜い素顔にこれ以上ないくらいに勝手に幻滅し、


あとはもう…まぁ予想通りの逆ギレ。うん、どうせそういう役割だって解ってたよ。

カタクリがこれまでひた隠しにしてきた素顔を晒したのは、家族から一方的に期待される「完璧なカタクリ」を演じることをやめたということ。その真意もフランペには分かるまい。

「生まれてこの方、地に背を着けたことがない」などという嘘っぱちの伝説などもう要らない。目の前の男のように、何度倒れても、どんなに無様でも心折れずに、成長を見せ最後には勝ち、そして家族から本当の意味での信頼を勝ち取る。

明らかな格下から、自分と対等の高みまで一気に駆け上ってきた、信念を決して曲げず折れないルフィに、今、カタクリは多大なるリスペクトを表しているのだ。

またひとつ和解ルートへの布石がひとつ積まれたのかもしれない・・・。
※布石は打ったり敷いたりするもので、積むものではないとご指摘いただきました。

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