ONEPIECE 895「海賊ルフィ VS 将星カタクリ」
自らのゴムの特性を活かし、「武装色の覇気」で皮膚を固めて張力・反発力を劇的に強化した、現時点でのルフィ最強形態。
凄まじいパワーの源は「弾性」。そもそもルフィの技の多くは、力を加えたゴムが伸びて変形することと、もとに戻ろうとする力を利用したものだが、
ギア4thでは数段階に折り重ね縮めた「超硬いゴム」を解放することで、より強力なパワーを得ているようである。
カタクリのパワーや、修行時代の巨大な獣たちに匹敵するほどの弾性反発力をもつ自身の手足を、テコや滑車も使うことなくルフィがどのようにして引き絞っているかは今もって謎だが、「ゴムゴムのガトリング」をほとんど予備動作なしで連射できるルフィの身体は、我々が知るいわゆる「ゴム」とは特性が異なるのかもしれない。
前回、予備動作で腕に息を吹き込んでいたにも関わらず、バウンドマンよりもスリムで小型に見えるのは、それだけの弾性圧縮が躯体に施されていると考えられ、その名の通り弾んでしまって立ち止まることすらままならなかったバウンドマンとは異なり、身体の必要な箇所に必要な弾性が、より合理的・効果的に秘められているようにも感じ、風神の羽衣のように纏った「煙」が体内に蓄えられた熱量を物語っている。
先に見せたギア4thとの違いをカタクリに尋ねられたルフィは「さっきより速い」と答えている。
行動を先読みする敵と戦う戦略は、分かっていても避けられない「超スピード」というのが王道バトル漫画の定石だし、カタクリと近い域まで先読みできるようになりはじめたルフィがそれを行えばカタクリを凌駕できる可能性は高い。
また、スネイクマンの名前の由来は、かつてドフラミンゴにもひと泡吹かせた「ゴムゴムの大蛇砲カルヴァリン」である。
「伸びて、戻る」という従来の直線的な攻撃を段階的に行うことで、途中で軌道変更を可能にした。腕を何階層にも折り重ね縮めているのはそのためだろう。
スネイクマンの攻撃は速い上に予測不能のため、常に集中していないと避けることも受けることも難しい。絶対的優位だったカタクリとルフィの戦力差は、今やかなり均衡してきたといえるだろう。
ふたりの間の明確な格差たりえる「能力の覚醒」を、カタクリはルフィを翻弄するために使っているが、決定打となる攻撃は渾身の力技である。それが無意識なのか、カタクリの意地なのかは分からない。もうこれ以上ルフィを手強く成長させないために、覚醒した能力は最低限の使用に留めている可能性も考えられるが、物語の展開の上でもルフィの覚醒はもう少し先延ばしにしてもらいたいところだ。
というか、僕は悪魔の実の能力の「覚醒」というものに、実はあまりいい印象を持っていない。
少し余談になるが、はじめて「覚醒した能力者」として登場したインペルダウンの獄卒獣たちは、人間体が登場せず、言葉すら発することはなかった。彼らは動物系の能力者だったため、覚醒した能力すなわち獣としての本性に取り込まれたのではないかと僕は考えている。
僕の仮説という名の妄想では、能力の覚醒とは、能力の暴走と同義なのだ。相応のリスクを負う必要があることが想像でき、覚醒することが必ずしも良い結果になるとは考えにくい。カタクリとの戦いでルフィが覚醒までしないで本当に良かった。
〜閑話休題〜
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互いに凄まじい技の応酬の後、いよいよ決着のとき。
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ところで、
戦いのさなかルフィは「痛ェ」「苦しい」「腹へった」と思ったことをそのまま口にしている。
これは「カタクリも、弱音も願望も何もかも言いたいこと全部吐き出しちまえ」と言っているようでもあるが、それは然るに、カタクリの感情を読み取って口にしたということではないだろうか。
「痛い」も「苦しい」も「腹へった」も、カタクリが我慢して飲み込んだ感情だったとしたら、カタクリにとってこんなに恐ろしいことはない。
「生き物の感情を感じ取る力」これは(ヤマカムさんも言っていたが)「見聞色の覇気」とは似て非なる能力なのかもしれないな。
Comment
かんりにんさん
気づいたことがあります。それは、プリンもカタクリも麦わらの一味(ルフィとサンジ)に出会うまではそれぞれ身体の一部のことで周りから軽蔑されてきました。しかし、プリンはサンジによって運命を変えることができました。なので、きっとカタクリもルフィによって運命を変えることができると思いますがどうでしょう?
いつも拝見させてもらってます。最後の考察見事です。大いに可能性はあると思います。
最後のコマの前、ルフィが「また、あの攻撃だ」という描写があるので、勝者はルフィだと思うのですが、、、目が離せませんね笑
カンザシさんの言う通りプリンをローラ&シフォンの他にかばったのはカタクリだった可能性は高いですね。
あ、そういえば。ルフィ(と一応ナミ)は8億6000万ベリーのクラッカーを倒しているんですよね?ということは、仮にカタクリに負けたとしてもクラッカー以上には上がるかな?
カタクリは今後海賊団を離れるのでは、というのは私も同様に感じました。フランベに掌を返された時の描写が「見切りを付けた」ようにも見えましたし。
同様に離れるであろうプリンに同行するのかなとも考えたり。幼い頃から容姿でいじめられていた境遇が両者とも重なりますしね
いつも、興味深く拝見させていただいております。有り難うございますっ!
タイトルが「ルフィVSカタクリ」ではなく、「海賊ルフィVS将星カタクリ」となっているのも…。
この世で一番自由な海賊王を目指すルフィに対し、いろいろな柵があり将星を演じなければならないカタクリとの対比を模写しているのではないでしょうか…。
また、能力の覚醒と暴走は同義であるというのは同感です。
チョッパーの例にもあるように、暴走しつつ意識の支配下におけるような感じになれればまた、一段と強くなれそうですねw
「生き物の感情を感じ取る力」はロジャーの「万物の声を聞く力」につながるのかもしれません。天性のものである可能性が高く、ポーネグリフも理解できてしまうもので、見聞色とは異なるとう意見に賛成です。プリンにもありそうですが…。
サブタイトルは注視していませんでした。なるほどなぁ…
いつも楽しく拝見しています。
個人的には、この戦いの結果カタクリはビッグマム海賊団を離れるのではと思っています。フランベに写真をばら撒かれてしまい居場所がなくなるのと、ルフィに感化され自分さがしの旅(そこそこおっさんですが…)に出るのではと。
クロコダイル・クザンルートですかね
今回の「斬切餅」の技で、カタクリのモチーフが鬼だなと勝手に確信しました笑
なんとなくカタクリさん、『泣いた赤鬼』っぽい。ルフィと友達になれると良いですね(*´-`)
「鬼」っぽい。わかります。僕には永井豪の絵に見えるカットがありました。
理解はし合えると思いますが、友だちは… どうでしょうね。
もしかしたら、次回は第894話のようにナミやサンジサイドのことも所々描かれてルフィの方は最後ら辺になる可能性もあるかも。
それは十分ありえますね。ってか、もうそうとしか考えられなくなってきました。
もし、カタクリにルフィが敗北したとして、その時は懸賞金は残念ながら上がらないだろうけどその後にカタクリで得たことを参考にカイドウ戦に挑むのかな?私的には、敗北したら”何の為にミロワールドに戻ってきたんだ”と大ショックなんだけどね…(T ^ T)
しかし、カタクリは味方・・・にはならないか。
仲間が無事に目的を果たす時間を稼げたのなら、ルフィ的にはそれでいいんじゃないでしょうか。