ONEPIECE 958「約束の港」
おおよその予想通り、サボの件もアラバスタもSSGも、超重要な情報投げっぱなしで話は「しれっ」とワノ国に戻り、おそらくはワノ国編が終了するまでもう触れられることもないのだろう。だが、ロックスについては、まだある程度接点があるので詳しいことが分かるのかもしれない。
第二幕の開幕までは小紫が、第二幕の閉幕には日和が奏でていた三味線は、今回は祭りのお囃子に替わっている。
というのは、
今日はいよいよ、待ちに待った年に一度の「火祭り」当日。花の都は活気に溢れ、飲んで食って歌い踊り、民は享楽に耽る。
将軍オロチも、好天に恵まれた今日の佳き日に浮かれているようだが、オロチが浮かれている理由はそれだけではなかった。
同じ頃、討ち入りに臨む集合地である兎丼の常影港には、
各郷ごとに季節も天候も極端に異なるこのワノ国とはいえ、オロチが神格化したカイドウを祀ることで己が権威を示す、年に一度の神事に出立するのを祝福するような好天と相反し、それらを打倒するべく立ち上がった戦士たちの第一歩、それ以前に船が出せないほどの大シケに見舞われるとは、天が何を暗示しているというのか、
そして、集合するはずの同心は誰ひとりとしてこの地に現れず、彼らを鬼ヶ島へ運ぶべくフランキーが修復したはずの船も一隻もない。
20年の悲願を討ち果たすべく、満を持してやってきた集合の地に誰も来ない。
少々の不安要素ぐらいは気合と実力でなんとかなるかもしれない。しかし、今この地にいるのは、赤鞘の侍七人と忍一人と要人一人。
このままでは、賛同する侍たちと重要な助っ人が根こそぎいない、丸裸の状態で決戦に挑まねばならない。
絶望・・・
まさに、これを絶望というのだろう。
いったい何が起きたというのか・・・。
いや・・・ま、
錦えもんたちの計画も、それが康イエの策で集合地を変更したことも、そして日和の生存と潜伏地さえも、オロチに漏れていたのだから、なにか対策を講じられることは当然だ。
だが、真正面から数で圧倒するのではなく、前日のうちに不安の芽をすべて人知れず潰したオロチの暗躍には、ぶっちゃけ僕は少し感心した。オロチはもっと「直情的」で「愚か」だと思っていたからだ。
まぁ、オロチが指示したか、有能な部下が立案したかは分からないが、謀略は昨夜のうちにしたたかに行われていたらしい。
一体何が起きたのか。
・天意を疑うような荒天。(まぁこれは仕方ない?)
・ルフィたちのサニー号が現れない。
・ネコマムシの旦那が間に合わなかった。
・兎丼を解放された4000人の侍と、各郷の親分が口を利いた200人の同士がひとりとして居ない。
・常影港には攻撃を受けたような跡がある。
・スマシで誰とも連絡が取れない。
康イエの暗号が、読み手によって別の解釈ができる可能性も考えたが、オロチが常影港と認識している以上、常影港に集まってくる侍たちに何かをしたことは間違いない。そして見たところ、常影港は攻撃を受けた跡があるが、死人やけが人が見当たらない。
頼りにしていた戦力が一人も集まらないのだから、狼狽えるのは仕方のないことだが、ちょっと冷静になってみよう。
まず、誰一人スマシに反応しないこと。
これは、もちろん仲間が全滅した、もしくは捕縛されるなど、通信できない状況にある可能性も否定できないが、単に通信が遮断されているだけとは考えられないだろうか。
ワノ国のスマートタニシは、念波を中継する親分タニシがいてはじめて機能するという特性上、各郷の親分タニシをジャミングしてしまえば通信は途絶する。
ということは、皆に連絡が取れないのではなく、皆から錦えもんたちに連絡が取れない状況なのかもしれない。
すなわち、今また一度解放された兎丼の親分タニシが再び使えなくなっていて、通信網の中で、兎丼だけが孤立している状態なのではないか。
それでも、サニー号も4200人の侍たちも一人としてここに来ないのは、そうしないような根回しが必要だが、オロチに通じているスパイがいて、そいつの仕業と考えるのであれば、通信をうまく利用して個々に誘導することは不可能ではないだろう。
となってくると簡単だ。裏切り者はカリブーである可能性が高い。
カリブーには、崇拝する「あの人」なる人物がいる。それが誰だかは明らかになっていないが、かなり地位の高い人物であるっぽい。
カリブーは魚人島でタマゴ男爵とペコムズにケンカを売ったが、彼らをママの配下と知らなかった可能性もあるので「あの人」がビッグ・マムである可能性も十分にあるし、でもオロチと繋がりがあると考えれば、それはカイドウなのかな・・・と思えてくる。
さて、昨夜一体何が起きたのか、乞うご期待・・・だね。
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ところで、僕的に今回重要だったのは冒頭の回想シーンの方。
誰かの記憶、というわけでもないが、いつか確かにあったオーロ・ジャクソン号での宴の一幕。
25年前といっているので、おそらくロジャー海賊団が偉大なる航路を制覇してすぐの話だと思われる。
ロジャーとの旅を終え「何か」を確信したおでんは、ワノ国が永きに亘り鎖国状態を続けてきた理由と、「やはりワノ国は開国すべきである」という結論にたどり着いた。
勝手に飛び出して今更「将軍」やらせろなんて、虫のいい事ァ言わねェ
とは、まったくその通りで、曲がりなりにも国の法度に触れているのだから、お家取り潰しにあってもおかしくないところ、父将軍の威光と幕臣との縁、民からの信頼などが、おでんを大大名の地位に留めていたのだろう。
その咎を真っ向から正論で問いただせば、迷惑を掛ける人々のことも考えれば、おでんには反論できないはずで、そこを巧妙についたのがオロチだったのだと思われる。
おでんがその時望んだのは、まずはワノ国の開国。
その上で、20年以上先の「未来」に希望を託すのだという。なぜ自分で事を成さないのか。なぜ20年以上先なのか。
それは、おでんが公には大罪人であるため将軍にはなれないので、息子:モモの助が将軍になった暁には、国を大きく改革しようという思いだったのかもしれない。
しかし、当時から10年も経てばモモの助は元服できたはずだ。それを機にということではなく、20年以上を待たねばならない理由があったと考えるべきだろう。
ロジャー海賊団は、偉大なる航路を制覇することで「歴史のすべて」を知った。
白ひげは「ひとつなぎの大秘宝」を誰かが見つけた時に世界はひっくり返ると言ったが、25年前に世界はひっくり返らなかった。
レイリーは、歴史のすべてを知ったところで何かをできるわけではないし、そこから導き出す「答え」がロジャーと同じとは限らないと言った。
25年前、ロジャー海賊団は偉大なる航路を制覇し、最後の島ラフテルにたどり着いた。
彼らが、そこで隠された「歴史のすべて」を知ったのか、そこへ至る旅路の過程で知ったのかは分からないが、しかし「ひとつなぎの大秘宝」を見つけ、得るには至らなかったと考えるのが妥当だ。
条件・時間・なにかが足りなかったのか、それとも彼らがあえて「ひとつなぎの大秘宝」を得ることを選択しなかったのか。
しかし、それを経てロジャーはおそらく意図的に大海賊時代の幕を開き、おでんは未来に希望の光を見た。
20年
ロジャー海賊団は、20年未来に起きる「何か」もしくは現れる「誰か」を予見し、その冒険の幕を閉じたのだ。
そして、明確に「20年」という指針があったからこそ、おでんからそれを伝え聞いたトキは、ワノ国の未来を20年後に託すことができたのだ。
25年前におでんが言った「20年以上先」と、20年前の「20年先の未来」がはたして同じ時代を意味しているのか。
そしてその希望とされる「何か」「誰か」とは、いったい・・・?
Comment
ロジャーの宴のところの海ですが、輝いてますよね?
こんな描写は…初めて?
オールブルーと関係あるのでしょうか?
そういう意見、よそのサイトで見ました。
確かに気になりますねぇ
狂死郎が都の留守番…。
果たして、出し抜かれたのは誰なのでしょうねw
赤鞘の侍の最後の一人が狂死郎と考えると…。
もしかして、ルフィたちも都で宴をしているのかも?ww
やっぱり彼が傳ジローでしょうかね。