ONEPIECE 959「侍」
火祭りの前日、オロチが何を企てたか。
錦えもんたちの計画のほぼ全容を知っていたオロチは、
サニー号が隠された九里ケ浜の洞穴を爆破し、兵を輸送するために修復した多数の船がある九里の伊達港を破壊、そして、討ち入りの集合地である常影港がある兎丼と各郷を繋ぐ大橋をことごとく爆破した。
火祭りの準備で人手が足りなかったこともあるかもしれないが、反乱勢力を直接攻撃しなかったことには理由がある。
光月家と赤鞘の侍たちの復活は、オロチだけがそれを恐れ、家臣たちは誰ひとり信じていない。まぁ、誰かにそう仕向けられているきらいはあるのだが、そればかりか内心馬鹿にされていることをオロチ自身気づいているので、家臣たちに命じたところで「またオロチ将軍の臆病風がはじまった」と揶揄されるに違いないことが耐えられないのだろう。そのため、この作戦にはごく数名のカイドウの手下を使い、作戦の行動が意味する内容も彼らには知らせていないようだ。
だが光月側に、オロチに「確かな情報」を流している人物がいるのなら、福ロクジュや信頼できる家臣だけにでも話せば、もっとやりようがあったと思うんだが・・・。
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集合地の常影港には、やはり誰も現れない。
今日を逃せば次の機会は一年後。しかし、兎丼の反乱はすぐに知られるだろうし、そうなれば謀反者狩りもはじまり、匿うことも難しい4000人もの兵力をそのまま保つことはできない。
なにより今ここで行動を起こさねば、燃え上がった民意を裏切ることにもなりかねない。
康イエの遺志はもとより、同調して命懸けで立ち上がった同士の沸き立つ感情も収められない。おこぼれ町では、戦力にはなれなくともせめて…と、彼らを庇った犠牲者まで民の中に出ているのだ。
もはや踏みとどまることはできない。
自分たちに生きる指針を与えてくれた主君おでんの「侍」として、最期まで尽くしたい。
モモの助と日和さえ生きていれば、いつかまた雪辱の機会は在る、などとはもう考えてはいないだろう。それはもう、モモの助の人生としてモモの助が考えることだ。
何らかの理由で来れなかったが、ルフィたちが簡単に敗れるはずもないから、あとはルフィに託す、というような手前勝手な考えもないはずだ。
もはやこれまで。一同は覚悟を決めたのだ。勝つための討ち入りを捨て、敗北必至の戦いに挑む覚悟を。
おでんに生かされた命を最期までおでんの名誉のために使いたい。
そこにモモの助や日和を巻き込んではならない。
今あらためて脳裏に蘇るおでん様のすがた。
話は、39年前。おでんがまだ、力と時間と思想と自由を持て余し、手のつけられない放蕩殿下だった頃にさかのぼる・・・。
※「39年前」は「41年前」の誤りであると編集部から訂正あり。
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さて、おでん様の人となりや、若い頃の錦えもんのことなどは、次回以降の回想を待つとして、
ま、やっぱり問題なのは、現代の討ち入り当日、なぜ誰も来なかったのか…だ。
前夜にオロチが破壊させたと分かっているものは、各郷を繋ぐ「大橋」だけ。
まず、小さな橋は掛かっていないのか?ということ。
実際「もう向こう岸へ渡れないじゃないか!」と言っているので、じゃあ、郷どうしをつなぐのは「大橋」それぞれ一本ずつしかない、としよう。(台詞からもう渡ったあととも受け取れるけどな)
郷が分断され、国中から集まってくるはずの同士は渡ってこれない。しかし…、集合地の常影港があるのは兎丼。4200人のうち3500人以上はもともと兎丼にいたはずなので、橋を落とされたとしても集合にさほどの支障はないはずだ。
さらに、オロチの爆撃で死んだり負傷した者がひとりも描かれていない。
爆撃を受けたとて、宝樹アダムで造られたサニー号はそう簡単に壊れないので、洞穴の天井が崩落しただけと思われるし、船の修理をしていた伊達港にも爆撃による被害者は見受けられない。
そう、オロチが起こした「事件」とやらの直接的な被害者が確認できていないのだ。
フランキーは10万人乗せることができる「つもり」で、船の整備をしていたので、伊達港のたくさんの船をカイドウの手下がすべて破壊したとしても、それらは5000人分の船が出港したあとの残艇かもしれない。
橋が破壊されたのを見れば、計画が察知されていることに馬鹿でも気づくだろうし、気づいた者は予定の地におめおめとやって来るとは限らない。別の方法で参戦することを考えるだろう。
計画がバレているなら、不用意に通信するワケにもいかない。
玉砕の覚悟まで決めた錦えもんたちだけが、状況を把握できていないのであって、今連絡が取れない4200人の同心はみな、(たとえば)傳ジローやネコマムシの手引によって、次の行動を起こしているのではないだろうか。
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そこで気になるのが、
丑三つ小僧だ。
都で泥棒騒ぎなど起きていないのに、このタイミングでなぜか登場。これ、何か意味あるよな…。
気にはなるんだが・・・なんだろう・・・わからん・・・。
追記:
丑三つ小僧が施していったお金が「小判」だったことに激しく違和感を覚える。
普段は水も買えないおこぼれ町の住人が、小判を貰って何ができるというのか。
都の中心にでも行かないと、小判なんかでまともな買い物なんてできないだろ。そもそも都に入れてもらえないし、怪しまれて奉行所に突き出されるか、奪い取られるかするのがオチ。
ってことは、彼らが都に入らずとも小判を使える店が、都の外か、外れあたりにひっそりと在るとしか考えられない。
店じゃなければ、両替所。
両替所ねぇ、ほうほう・・・たしか、あの男は両替商だったな・・・あの男へのなにかの合図だったりして・・・
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〜閑話休題〜
船も同心たちも無事ならば、計画の続行は可能だ。
錦えもんたちが、玉砕覚悟で鬼ヶ島に乗り込んだとしても、どこかのタイミングで助っ人が駆けつけるだろう。
だが、船を避難させることができていなかったとしたら、なにか別の方法で4000人の侍を鬼ヶ島へ送らねばならない。
そこで・・・、
Comment
ここにて、ルフィの口からジンベエのことが出てきましたね。いつ現れるのか?希望としては、今の状況では船も無い状態なのでここのタイミングで助っ人として現れて欲しいのですが..。それと、サンジの懸賞金のことも。久々にホールケーキアイランドの話題がちょこちょこと!おでんの過去回想も楽しみだけど長くは無い方がいいな。だって、ルフィ達の安否とか錦えもんの計画とか気になるし!
ルフィがここまではっきり口に出すのは珍しいですよね。
ま、僕は相変わらず「ジンベエ仲間にならない派」なんですが…
本物の丑三つ小僧が誰なのか・単独犯か複数かすらまだ明らかではないですが、
今回は丑三つ小僧でない人物からの施しかもしれないですね。
えびす町に憐れみを抱いていてお金を持っていそうな人物…
これまでとは何か違うそうですから、別人なのか、それともいつもと違う事情があるのか…
キンエモンって確かなんか能力者でしたっけ?狸みたいに葉っぱのせて…化かしてるのかも
かねてより空位の「2929の実」の能力者候補のひとりですね。フクフクの実なのかなぁ・・・