ONEPIECE 扉絵シリーズ 第25弾
うちでは「扉絵シリーズ」と呼んでいる、ONEPIECEの短期集中表紙連載。
その第二十五弾がはじまった。
ホールケーキアイランドでママに裏切られた腹いせに、サンジと麦わらの一味を逃がす手引をしたジェルマ66。
どうやらその顛末が語られるらしい。
ジェルマ66とは、一般人はその存在すら知らない悪の秘密戦闘組織。かつては北の海を支配していたらしいが、今では卓越した科学力をもって戦闘行為を金で請負い、裏社会でその名を知らぬ者はいない。
彼らの表の顔は、「ジェルマ王国」として世界政府にも加盟しており、一方で海軍を英雄視させるプロパガンダに悪役として実名で登場するなど、政府・海軍との謎の蜜月関係を築いてきた。
ジェルマ王国の国王で、サンジの実父でもあるヴィンスモーク・ジャッジは、かつての栄華を取り戻すべく四皇ビッグ・マムと協力関係を結ぼうと考えたが、強欲で、基本的に他人を信用しないママに裏切られて縁切りとなった。
四皇と縁を持とうとした時点で政府・海軍との関係は壊れ、政府加盟の「王国」としての資格は失った可能性が高い。その立場を捨ててでも手に入れようとした四皇の協力を取りつけることもできず、ジャッジの永年の夢である北の海支配者としての復権は大きく遠のいたはずである。
移動要塞を拠点とし国土を持たない彼らは、死守するべき場所がないので攻め込まれるリスクも少ない。もはや「王国」ではなく、まさに神出鬼没の悪の軍団「ジェルマ66」としての流浪の旅がはじまったのだ。
それでもまだジャッジは野望に向かって次なる戦略を練るのか、それとも新たな生きる道を見出すのか。
サンジの成長を目の当たりにし命を助けられたとはいえ、もともと感情を持たない兄弟たちは学習も反省もすることはないと思われ。レイジュだけは何か新しい生き方を考えるかもだが、当人のジャッジは、ルフィがなぜ命がけでサンジを取り戻しに来たかすら理解できていないようだったので、「強さとは科学」「強さとは冷徹無常」という自身の考えを改めることはなさそうだ。
どうやらジャッジは、今はまだ途方に暮れているようだが、もともと地頭がいいんだから何か考えるだろう。
僕としては、ジャッジとベガパンク、クイーンが(シーザーも?)所属していたという「MADS」なる無法な研究チームのことを掘り下げてもらいたいが、基本的に扉絵シリーズにはセリフがないので詳しい解説は難しいし、そういう展開を見せるコーナーでもないだろう。
何にしても、彼らの未来がどんな方向へ向かうのか楽しみでしかたない。
随時更新します。