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ルパン三世 VS CAT’S EYE

 




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アマプラで「ルパン三世 VS CAT’S EYE」視聴。
う〜ん… 僕の評価は「可もなく不可もなく」


はじめに身も蓋もないことを云うと、僕はこの手の3DCGアニメが好きではない。

技術的なことにはあまり詳しくないんだが、フルCGアニメって大きく分けて二種類あるよね。
ラプンツェル以降のディズニーアニメや山崎貴のいくつかのフルCG映画はキャラのディフォルメに向いていて、背景までレンダリングされており世界観がしっかり作られてるから全然アリ(技法として)なのだが、たとえばベルセルクや今回のルパンVSキャッツとかの場合、フレームとテクスチャーの境が見えるし、キャラの骨格が分かるプラモデルのような肘や首の動きが僕にはどうにも受け入れられない。
ゲームやパチンコのカットイン程度ならともかく、あのとても演技といえない動きのせいで作品に没頭できないのだ。

とはいえ「SLAM DUNK」の映画は絶賛されているそうだし、時代の流れは明らかにこのアニメの作り方を許容しつつあるので、僕が時代についていけていないだけなのかもしれない。

3Dアニメ全般に対するアレコレはまた機会があれば掘り下げてみることにして、CGだからどうこうという話はここまでにしておこう。
個人的には、手で描いて欲しかったなぁ… というところ。


ではここからは作品の内容に触れるので、ネタバレされたくない人は読み進めないでほしい。

関西在住の僕にとって「ルパン三世」と「CAT’S EYE」この2作品といえば、かつての読売テレビ日曜お昼のエンドレス再放送枠としてお馴染みだ。

「泥棒(快盗)」という同じモチーフであることはもちろんのこと、ルパンが本作と似たイメージのピンクのジャケットを着ていた「ルパン三世Part3」は「CAT’S EYE」とほぼ同時期に放映されていたし、当時の「CAT’S EYE」の作画監督だった平山智は金ローのルパン三世SPのキャラメイクを長らくつとめていた。「CAT’S EYE」アニメの版権にトムスも絡んでいることもあり、両作の親和性は驚くほど高い。それこそ「名探偵コナン」なんかよりよっぽどな。


「ルパン三世」について説明は不要だろうから、一応「CAT’S EYE」について軽く解説しておく。


美術品を専門に狙う快盗キャッツアイの正体は都内で喫茶店を営む美人三姉妹で、彼女らが盗みを働くことには行方不明の父を探す意味があった。三姉妹の次女:瞳は恋人であり警察官の俊夫を欺き、さまざまな葛藤を抱えながらも父失踪の謎を追う。

「CAT’S EYE」は「CITY HUNTER」で有名な北条司の連載デビュー作。右も左も分からぬ新人がガムシャラに描き続けた結果、作者自身にとってもいろいろ悔いの残る作品になったそうだよ。
たしかに美術品に関する知識、警察の組織構成やメカの描写など、あまり現実的じゃない表現が多数見られたが、時代背景もあってそれが「味」だと思って読んでたけどね。


本作では、彼女らの父:ミケール・ハインツとルパンが旧知の仲で、三枚の絵に隠された秘密を追う、というストーリー。

「ルパン三世」に「CAT’S EYE」のキャラクターがゲスト出演したというよりはむしろ逆で、「CAT’S EYE」の世界観にルパンたちを放り込んだカタチとなったのは、やはり「CAT’S EYE」をよく知らない視聴者に対する配慮と思われ、それでも課長や浅谷や神谷など「CAT’S EYE」世界の名バイプレイヤーたちを削ぎ落とすことで初見の人にも分かりやすくなってると思う。

ご丁寧に作中の年代設定が1981年とされており、それは原作マンガ「CAT’S EYE」が連載開始された年。ということは作品開始当初の世界なので、浅谷はまだ赴任しておらず俊夫もキャッツアイ専従捜査班ではないということだな。
登場するガジェットも年代を考慮しており、スマホは当然出てこないし携帯電話もバカでかい無線電話、愛が操作するデバイスはモノクロ液晶だ。

さらに、すでに鬼籍の泪さん:藤田淑子は残念だったが、瞳、愛、俊夫はオリジナルキャストが演じてくれたのはうれしい限り。

ただ、どれだけ自然に描写しようとも、世界観やキャラクターの説明が必要である分、幾層にも重なった重厚で複雑なストーリーにはできなかったようで「あ、こいつ悪いやつだわ」「こいつは後半でボスに捨てられるな」とか、三枚目の絵に何が描かれているかとか、最初に感じたまま何の捻りもなかったのはとても残念だった。


ラスト、ルパンの「俺たちはここからが強ぇんだぜ」のセリフは痺れた!… と思ってたのに、予告PVでとっくに使われてたわ(笑

まぁ、かつて毎年不満を垂らすのが恒例だった金ローのルパン三世SP程度の内容ではあるけど、客演が豪華だった分楽しめたかな。

これ観るためにわざわざアマプラ加入するまでの価値はないと思うけど・・・。


余談だが:
カメオ出演ともいえないモブ出演の冴羽獠は、もう少しさり気なくできなかったものかね・・・一度でいいし。

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