Cogito, Ergo Sum

我思う故に・・・新館

ONEPIECE 1122「イザッテトキ」

 




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短期集中扉絵特集の連載が、カラー扉以外で中断されたことがかつてあっただろうか。いや、ない。
今回の扉絵は、唐突にリクエストものだ。


その内容は「22年前に愛知県の少年が描いてくれたスモーカーの絵をマネしてみて」というもの。
これはワンピース23巻の巻末「ウソップギャラリー海賊団」に寄せられたある投稿へのオマージュだ。


その投稿は・・・なになに? 愛知県:堀越耕平さん・・・おお!なるほど、今回の話が掲載された週刊少年ジャンプ 2024年36・37合併号では、氏の出世作「僕のヒーローアカデミア」が完結、最終話が掲載された。

22年前というと堀越先生は弱冠14〜15歳。いちファンの少年が大人になって一端の作家になり、10年の連載を終えるとは時代を感じるねぇ。オダッチからの粋な“お祝い”ってわけだ。
そういや、NARUTOが終わったときも特別な扉絵を描いていたっけな。

さて本編

ベガパンクの衝撃の告白を受け、それを聞いた聴衆は衝撃に打ちのめされる。

空白の100年をめぐる謎は、近い将来必ず大きく取り沙汰されることになる。
世界を命運は“ひとつなぎの大秘宝ワンピース”を手にした者に委ねられる。

それを聞いた一般人は


なんてこと!
この世が海賊のものに!?

海賊たちは


天才のお墨付きが出た!
“ひとつなぎの大秘宝”は本当にあるし、ゲットすれば世界は俺達のものだ!!

そしてコビーは


海賊王になるというルフィの夢を阻止しなければ・・・と思い立つ。

・・・どいつもこいつも早とちりしやがって。


待ってくれ…‼ 何てこと言い放つんだ‼
うん… まぁ気持ちはわかる。
ベガパンクはあくまで自身の知見と研究分析から出た推論を述べているに過ぎず、信じるか信じないかは受け手次第だ。とはいえ、ベガパンクがその知名度や自身への信頼性があるからこその波及効果を目論んでいたことも確かだろう。
問題は、ベガパンクが危惧する最悪の未来を、世界の人々が何の心の準備もなく迎えること。
それが事実となるかどうかはともかく、その可能性があることを知っておいて無駄なはずがない。

いやだ!‼この国も海に沈むのか!?
何とかしてくれ海軍!‼
そうな… 気持ちはわかる。気持ちはな。
世界中に点在する島々に分断されたこの世界では、海軍がどれだけ頼りにされているのかがよく分かる。海軍は治安維持組織だ。“人為的”大災害(すなわち大犯罪)を未然に防ぐことも求められるだろうが、彼らが今云ってるのはそういうことじゃない。彼らは現実を受け入れられなくて、思いつく手近な有力者に解決を丸投げしているに過ぎない。
言い分は身勝手極まりないが、社会の末端でごく普通の日常を営む者たちの反応としては納得がゆく。

ベガパンクは
「未曾有の(人為的な)大災害はもういつ起こされてもおかしくない」
「それを引き起こすも解決するも、とにかく“ひとつなぎの大秘宝”が鍵となる」
「一般人はそれを知り、できる準備と覚悟をしておけ」と云っているのだ。

自分ならその未曾有の大災害に対する策が打てる。しかし命を狙われる身となっては、近い将来いつ起きるかわからない事件に備えることができなくなるかもしれない。
とんでもないパニックを引き起こすに違いないこの情報は軽はずみに吹聴するべきではないが、だからこそベガパンクは自らの生のギリギリ今際の際まで公開することをしなかったのだ。
自分の死を情報公開のボーダーラインとしたわけだ。

自らの「死」が確定した以上、ベガパンクが今以上に科学を押し進めることはできない。であれば、誰かベガパンクのあとを継ごうとする者に託すか、まったく別のアプローチで事に当たるか、いずれにせよ情報は必要なのだ。


これはベガパンクから世界へ向けた「遺言」にほかならない。ベガパンクは「科学」と「人の知恵」を信じているのだ。


で、コビーよ。
お前はルフィの揺るがぬ信念、抜きん出た強さや行動力に心酔していたのではなかったのか。
暴力で弱者を虐げる巨悪を打ち倒すルフィの、芯の強さに心打たれたのではなかったのか。

海賊とは社会的に「悪」だ。海軍は「正義」、互いに相容れない立場ではある。

しかし、“ひとつなぎの大秘宝”を手に入れた者に世界の命運が握られることが事実だったとして、それがルフィではなぜいけないのだ。
ここで「ルフィさんならきっと…」とまで思えなくとも「ルフィさんならあるいは…」と希望をなぜ抱けないのだ。

お前はガープに「英雄」を継承されたのだ。ガープがなぜ天竜人を嫌いだったのか、ガープの愛弟子だったクザンがなぜ海軍を出奔したのか、お前は何も分かっていない。
お前にはがっかりだ。

結局、ベガパンクの告発動画は最後まで再生されることなく終了した。
攻撃を受けた鉄巨人の中で、配信電伝虫のレコーダーが破損したからだ。

ベガパンクの告発はこれにて終了。“D”の話とか、語ったであろう重要な話を聞きそびれた部分もあるが、世界に巨石を投じる効果はあっただろう。
政府はこれをどうごまかすのか。そしてその時、世経とモルガンズはどう動くのだろうな。

鉄巨人:エメトが思い出の中のジョイボーイに語りかける。
すまないジョイボーイ… お前を「王」にできなくて…


ルフィの姿を見て思わず心が昂ったけれど、ジョイボーイが生きているわけはない。
ルフィの名前を聞き、そこにある“D”に嬉しさを感じたエメトは

何某かの“仕掛け”の結び目をほどいた。


ありがとう。懐かしいリズムを聴かせてくれて。

お前は死なないで。お前を死なせない。

「イザッテトキ」の“とっておき”とは、ジョイボーイ謹製の最大級の覇気だった。(おそらくただの覇王色ではない)


人間ジョイボーイが死んだ後もエメトは生きる。
未来のエメトのピンチにジョイボーイが助けの手を差し伸べる“とっておき”だ。

そして今、数百年ぶりに目覚めたエメトが、ほんのわずかの邂逅でルフィに縁を感じ、ルフィを「守るべき人」と認識して、結び目を解いた。

その威力は凄まじく、ほぼすべての海軍下士官を卒倒させたばかりか、


五老星の変身を強制解除し、マリージョアの魔法陣に逆転送した。


ただひとりサターン聖が残されたのは、彼は魔法陣をくぐっておらず、普通に船に乗ってここまで来ていたからなのだと思われる。
これはすなわち、五老星が魔法陣で転送されてきた“術(技?)”と、それをキャンセルしたジョイボーイの覇気には、相通ずるもしくは相反する効果があることを意味している。


もはや自分たち以外に現存しないと思っていた「能力」の発動をみて、イム様は狼狽えたのだろう。過去のイム様とジョイボーイの関係性も気になるところだね。


最後のアオリには「追憶と共に眠る─」と書いてあるが、このままエメト死んじゃうの?
いやいや、死なんでしょ。

なぜならジョイボーイは、お前の命が危ないときにこの仕掛けを使えと云っている。
ジョイボーイの覇気を解放することにエメトの駆体が耐えられないなんてこと想定してないはずだ。
まぁ腕もげちゃってるし、他にもいっぱい破損したから、最後の命の炎を燃やして・・・ってのもかっこいいけど、半死半生の状態で使ったら死んじゃうけどな・・・なんてものを分かって仕込んでいたとしたら、おいおい、ジョイボーイに対する印象変わっちゃうぜ・・・。

今回気になったのは、
ボニーに子供の姿にされてしまったドール中将がまだ子供のままで、そのちょっと前に子供にされたポンスキー中将は元の姿に戻っていたこと。


生物に対する「トシトシの実」の年齢操作は永遠の効力はない、とボニー自身が語っていたが、そのタイムリミットがここから推定できるかもしれない。

あと、エメトの回想シーンで、エメトが服着てるのが何気に気にかかる(笑)
仲間として人間と同じ扱いを受けていたってことだろうか。


そしてジョイボーイは、麦わら帽子を被っているっぽいシルエットがはじめて登場したが、身長は普通の人間並みなので、イム様のもとに冷凍保存されていた麦わら帽子はジョイボーイのものではないのかもしれない。

そして、ジョイボーイをシルエットで描写するのは分かるんだが、エメトと会話するためにジョイボーイが乗っている台(?)までシルエットにする必要あるかね・・・。
これ・・・歴史の本文ポーネグリフじゃねェの・・・?

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Comment

  1. メタルスライム より:

    あの3人のドアップされてる海賊ふんばりカレー海賊団っていう尾田先生と和月伸宏先生と武井先生が書いた海賊団rしいですよ

  2. ケソ より:

    「イム様!!」と叫んでいるのは御付き?愛人かな?(笑)

  3. @ve より:

    五老聖の1人(いつまで)が先に戻ってゆったり座ってましたが、いつの間に!?!?って感じが、、、

    • BIE(管理人) より:

      マーズ聖ですね。
      ルフィに遠くへぶっ飛ばされて諦めたんですかね・・・?

  4. 麦わら より:

    ジョイボーイの足が細いのは義足ですかね?

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