Cogito, Ergo Sum

我思う故に・・・新館

ONEPIECE 1124「親友」

 




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ベガパンクの衝撃の死に伴う重大な告発。
「世界が海に沈む」という超絶大規模な危機の可能性と、それを意図的に起こそうという勢力存在の示唆、そして未来への指標…。
さらに加えて、ほぼ時を同じくして起きた、新興の有力海賊と四皇の激突…。



メディアが乏しいこの世界で「世経」を待つしかない情弱の大衆に向けて、モルガンズが“何”“どう”報じるのか。

実際のワイドショー番組でも、事実として明らかな事のわずかな綻びや微々たる失敗の可能性をことさら恣意的に誇張し、視聴者の不安を煽れば煽るほど視聴率が伸びるのだという。

メディアリテラシーの概念すらないこの世界に於いて、ほぼ唯一メジャーな情報源である「世経」の論調に世界は大きく影響される。まさに「世論は思いのまま」なのだ。

彼らはその優位性を武器にこれまで世界政府とズブズブの“いい”関係を築いてきたわけだが、現在は政府のエージェントに命を狙われ、所在を隠してビビをも匿っている立場だ。

モルガンズがジャーナリズム・テロリストの矜持を全うするか、長いものに巻かれるか、はたしてその真価が問われる。

かつてバスターコールを受けたオハラは、破壊と殺戮および住民避難の結果、その経済活動を失い地図から消滅したが、先のルルシアの様に実際に国土そのものが消失したわけではなく、その存在が社会的に消されたのであった。島そのものは今も残っているのかもしれない。

今回、ベガパンクによる告発は世界中に伝えられたが、告発に至った経緯やバスターコールの実情が具体的に報じられたわけではなく、エッグヘッドで何が起こったかは、世界は知らないままである。
エッグヘッドの場合、オハラとは異なり、元は無人島だった場所をベガパンクが極秘研究施設として自由に改造したように見受けられるため、もとより地図には載っていなかった可能性が高い。

五老星としては、都合の悪い島(勢力)は超圧倒的武力で物理的に消してしまい、はじめから無かった扱いにするのが理想だろう。
それを理想に近づけるよう限界まで人力で執行するのがバスターコールであり、マザーフレイムの使用によりあっさり実現可能となったのがルルシアの惨状というわけだ。

オハラの場合は、考古学者たちが命と引換えに遺した大量の文献を始末しそこね、ロビンを取り逃がす失態を演じた。人力で行うバスターコールの限界がここら辺りにあったのかもしれない。この時点で古代兵器が使えていれば、それらの愚を犯すこともなくすべてを隠蔽できたであろう。
今回はルルシア事変以後の出来事ではあるが、島内施設に傷つけてはいけないものがいくつかあったため古代兵器を使うことができず(もちろん現状古代兵器がすぐさま使える状況だったとは考えにくいのだが)、しかし抵抗戦力を鑑みてオハラの倍以上の戦力を投入したものの、予期していなかった麦わらの一味の流入、ボニーによるパシフィスタ威権順位の混乱、そしてベガパンクの全面的徹底抗戦と、謎の鉄巨人の再起動によって、五老星自らが参戦しながらも敗走を余儀なくさせられた。

パンクレコーズとマザーフレイムの融合炉は確保できたとはいえ、当初の目的だったヨーク以外のベガパンク抹殺には成功(したと現時点では思われている)しかし実際は失敗。失われた100年に関わる情報が全世界に流出し、太陽の戦士ニカの存在や五老星の異形の姿を海兵や敵勢力に晒すこととなったのは、失敗だったとしか云いようがない。

これをどのように印象操作して払拭するのか、胸糞悪いがお手並みを拝見させてもらうこととしよう。モルガンズが協力するかどうかもな・・・。


エッグヘッドを静かに脱出する戦桃丸。
黄猿を除くすべての海兵が意識を失うなか、つい昨日まで海軍の所属だった戦桃丸が無事であることは、その精神の強さが黄猿に及ぶ域にあることを意味しているのか、それとも戦桃丸も敵意を感じなかったクチなのか。

後者だとすれば、前回も書いたが、ジョイボーイの覇気のターゲッティング能力には驚かされる。
が、この時点でも未だ海軍将校の正義コートを羽織ったままの戦桃丸が感慨深い。(防寒対策かもしれない)

静かになった戦場にただひとり健在なのは黄猿。(サターン聖がどこで何してるかは知らん)


遠く離れた海軍本部で、このシッチャカメッチャカな現場の様子を一刻も早くつぶさに知りたい元帥サカズキは、文句と質問を矢継ぎ早やに投げかける。


たまらずブチ切れ返す黄猿は、基本的には任務にきわめて忠実な「社畜の鑑」だが、今回ばかりは感慨にふける時間が欲しかったらしい。

黄猿が提唱する「どっちつかずの正義」とは、長いものに巻かれる玉虫色の正義のことだと僕は当初思っていた。
しかし実は、独善的で非情なサカズキの「徹底的な正義」と、下手すれば海軍大将の権威を問われかねない情に流されやすいクザンの「ダラけきった正義」の間にあって、そのどちらにも与しない所謂「中道」の正義がボルサリーノだったのかもしれない。

社会秩序のために法を遵守するし、五老星やサカズキの命令にも従うが、それでも仁義は通したい。
意外と情に厚かったということで、今回好感度を大きく上げたと思われる。

彼が今後海軍を離れる展開… はなくとも、部分的に何かを見逃してくれたりすることはあるかもしれない。
だってホラ、戦桃丸は生きてるし、ベガパンクだってまだ… ねェ… ゲフンゲフン…

ルフィサイド:


目を覚ました悪リリスは、サンジやナミから事の顛末を聞き、ひとしきり泣いたあと、急に気を取り直した。


エシディシかよ!

頭部のレシーバーで何かを確認し、サンジたちが知らない何らかの事情を理解したらしい。

一方で、頼まれたことを果たせず、相手を死なせてしまったことに深く落ち込むルフィだったが、

リリス曰く
ベガパンクたちはたしかに死んだが、“概念を違えれば”みんな生きている。お前達は約束を守ったのだ、という。


言葉の意味はよく分からんが、とにかくすごい自信だ。

クラウドに人格も記憶も残ってるから移植できるという話かな…と思ったが、そのデータの移植を行うにはパンクレコーズにアクセスする必要があるだろうから、リリスの生存をヨークに悟られる危険がある。

となれば別の可能性は、リリスの中に全人格をすでにダウンロード済みか、もしくはヨークの知らない場所にバックアップが存在するかのどちらかしかないように思う。
まぁ、我々の概念が及ばぬ考え方に基づくのなら、もっと異次元の解決論なのかもしれないが・・・。


ともあれ、ルフィも元気を取り戻し、晴れて戦勝の宴開催!
一行の進路はもちろん、念願の巨人の国「エルバフ」へ。


だが、そこで待ち受ける影ひとつ・・・。


単にシャンクスなら、今さらシルエットにする必要もないだろうし、「来い…」というのがルフィに向けたセリフかどうかもまだわからない。

「グビッ」という効果音は、何かを飲んでいると思われるが、手に持つ器は樽マグよりも小ぶりで、飲み口がついたチューブボトルのような形状にも見える。さらに麦わら帽子か編笠をかぶっているようにも見えるし、この人物がいったい誰を待つ何者なのか・・・。


そこで、今回のサブタイトルが「親友」。


親友ベガパンクをその手にかけた黄猿の、深く切なく複雑な感情を象徴しているのは云うまでもないが、これがオダッチあるあるトリックの“ダブルミーニング”だった場合、エルバフで待つこのシルエットの人物が誰かの“親友”ってことはないだろうか・・・ ないか。

ちなみに麦わらの一味がみんな宴に参加して、サニー号の操舵どうなってんだろうと思ったら・・・


牽引(曳航)されてた(笑)

 

 

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Comment

  1. 匿名 より:

    これ、クロッカスと語らってた編み笠の男じゃないですかね
    何となくワノ国と関わりがあるキャラなのか、はたまた生存疑惑があるヨーキ船長なのか…これからが楽しみです

    • BIE(管理人) より:

      最後のシルエットの人物のことでしょうか。
      くだんの編笠の男は、僕はシキに間違いないとずっと考えていますが、そうなると面白いかもしれませんね。
      ただ、この人物が誰かの“親友”という括りには嵌まらないことになるかも。
      作中、ロジャーが“親友”と呼んだのはレイリーぐらい。
      白ひげもガープも、そしてシキも、そこには並べられないと思います。

  2. ケソ より:

    リリスは酒(?)呑むの生まれて初めてでしょうか?美味しく感じるかな…?
    宴の中央奥、ルフィとサンジの間の女の子?はボニーでしょうか?

    • BIE(管理人) より:

      サテライトたちがどのようにして生まれたか。「まだ生きてる」発言の真意からなにか明らかになりそうです。
      彼らが人造人間なら初飲酒の可能性はありますね。
      女の子はボニーで間違いないと思います

  3. 匿名 より:

    エルバフではどんな展開になるんでしょう。
    王子ロキの登場、ロビンとサウロの再会、キッド海賊団壊滅後の動きなどは予想しやすいですが…。
    とりあえず、次回以降はしばらく世界情勢ですかね?

    • BIE(管理人) より:

      >とりあえず、次回以降はしばらく世界情勢ですかね?
      そんな気がしますね。世界中の反応、政府広報とモルガンズの暗躍に期待します

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