ONEPIECE 1136「太陽を待つ国」
ヤルル様を筆頭に、エルバフの民に手厚く歓待される麦わらの一味。
船長たちの友であり恩人であることを含み置かずとも、エルバフには海賊ではない者も多く、外界の種族や文化が物珍しいこともあり、一味はよい好奇の的となって宴もたけなわ。
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そんな中、くだんのロードの「太陽神」信仰(…というか願望)から端を発し、エルバフに伝えられる「太陽神」の話題に。
太古より伝わるエルバフの神典「ハーレイ」に度々登場する“太陽の神ニカ”に関する記述。
古い言語で書かれているため完全に翻訳できず、様々な解釈ができることから“ニカ”の全容はつかめないまま、その伝説はあるいは憧れ崇められ、あるいは畏怖されてきた。
─ “ニカ”は白い雲をまとい、まっ白な髪と衣装で大笑いしながら現れる ─ と伝承されている。なるほど、そりゃギア5thのルフィそのものだ。
ルフィはボニーたちに「ニカ」と度々呼ばれたことの意味をようやく理解したが、自分のは違うと断言。
ルフィは「英雄」にはなりたくないし、何より「ゴムゴムの実」だと思っていた自分が食べた悪魔の実に、真の名前があることを彼はまだ知らないのだ。
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・・・いや、ちょっと待て。
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んーと・・・なんだ・・・
いやあのね、ルフィのギア5thは、果たして本当にニカの発現に間違いないのだろうか?
これまでのルフィのギアアップは「ゴムゴムの実」の特性を活かし、常人には真似できない身体の使い方で実現してきた。(まぁ、超人系の戦い方は大体そう)
これらは、技と身体能力の研鑽もさることながら、ルフィの自由な想像力の産物だ。おそらく「せっかくの“自在に変化する肉体”をもっと自由に使って戦いたい」という発想から生まれ、それを現実のものとするべく鍛え、研ぎ澄まされたものなのだろう。
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そして到達した5つ目の段階。
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これは能力が覚醒し、自身の肉体も周囲を取り巻く物質をも、あたかもカートゥーンに描かれる世界のように、何の制限もなく変化させられたら・・・という発想が実現したと考えていい。
その能力を発現させたルフィの鼓動は、伝承の中の“ニカ”に酷似し、過去にジョイボーイとともに戦ったであろう象主ズニーシャが懐かしさを覚えるものであったことから、ルフィはジョイボーイの再来と捉えられ、現在政府に危険視されているわけだ。
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ジョイボーイは、おそらくかつてルフィと同じ悪魔の実を食った何代か前の能力者なのだろう。だが、このふたりの能力は間違いなく「ニカ」の能力なのか?と問うと、残念ながらそこに確証はない。
この危険な悪魔の実を、それと気づく者が出ないように「ゴムゴムの実」と世を忍ぶ仮の名を付けて、世界政府が実質封印してきたことは間違いないが、それが本当に「ヒトヒトの実 幻獣種 -モデル:ニカ-」かどうかは分からない。
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「幻獣種」と名が付くということは「ニカ」は人々の伝承や想像の中だけにある、あくまで実在しない存在だったことになる。
エルバフの神典では、かつて世界が二度壊れたときに、いずれも“太陽の神ニカ”の顕現が伝えられている。まぁ、神話などの古い伝承は時の権力者や実力者によって都合よく創られていることも多いが、少なくともエルバフの民はかつて“ニカ”が存在していたことを信じているはずだ。・・・であれば「幻獣種」の扱いはおかしくないか?
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ここで僕が考えたことは、ルフィ(おそらくはジョイボーイも)が食べた悪魔の実はニカに酷似しているものの、実はニカとは直接関係ないゴムの能力の実であって、世界のどこかに本当の“ニカ”の能力を有する悪魔の実が別に存在するのではないか、ということ。
または、太陽の神としての“ニカ”そのものが現在も世界のどこかに存在しているというのもいいな。
一度目に世界が壊れたときは、“ニカ”が世界を滅ぼそうとした。時代は大きく変わり、二度目のときはニカによく似た能力の何者か(ジョイボーイ?)が滅びゆく世界を救おうとした。とかだと、伝承の中の“ニカ”の印象が定まらないことにも説明がゆく。
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ギア5thは、あくまでルフィが「“自在に変化する肉体”をもっと自由に使って戦いたい」と考えた末の「もっとも自由な姿」であると考えれば、その能力ですべてを制することで、最終的に「この海でもっとも自由なやつ = 海賊王」の図式が成立する。
ルフィは「自由」であることを極限まで追求したただのゴムの能力者であり、“ニカ”の能力者・または“ニカ”そのものはべつに居る。と考えたほうが面白い。
ま、その場合は五老星たちも誤認していることになるんだが・・・それも、アリだよな。
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〜閑話休題〜 盛大に話がそれたwww
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で、次に話題はロキのことに。
幼い頃から傍若無人、その悪逆三昧に村人は常に命の危険を感じていた。そしてついに父王ハラルドを殺害し、おそらく海に逃亡。6年前にシャンクスに捕らえられ、それからずっと冥界に囚われているそうだ。
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おっと、ここでまた色々余計なことが頭に浮かんだので備忘録的に記しておくな。
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1076話でエルバフを訪れていたシャンクスは「互いに死んだと思ってた旧友に会ったので、少々語らいすぎた」と云っていた。
このときはドリーとブロギーのことを指しているような云い方だったが、39歳のシャンクスが2年前まで100年間行方不明だったドリブロと「旧友」になる機会はなかったはずだ。では誰と旧交を温めたのか。
・・・これ、ロキのことじゃね?
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次、
ハラルド王は村々の長老たちとぶつかりながらも「戦いより他国との交易を」と国民に説き、そしてそれがよき導き・名君だったと称えられている。
ところで、ロキが生まれた頃の63年前のエルバフでそれと同様のことを訴えていたのは、なんとマザー・カルメルである。
カルメルは、腹に二物も三物も企みを隠した大詐欺師だったが、それを知らないエルバフの民には尊敬されていた。全巨人族が忌むべきリンリンに丸呑みにされた(たぶん)ことはエルバフに伝わっているはずなので、亡き聖女の夢をハラルド王が継承したとも考えられる。
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〜またしても閑話休題〜
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ルフィはやはり、シャンクスの情報を貰うために、ロキを縛る鎖の錠の鍵を村から持ち出すつもりだったらしい。
その企みはゾロにばれ、ふたりが迷子にならないようにとついてきたナミと、その下僕になったロードを伴に、まずは王城へ向かう。
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王城では不審な二人組が魔法陣から現れて暗躍していたが・・・
そのふたりは今、ロキのもとに。
シャンクス風の男ともうひとりは「神の騎士団」の軍子グンコ。
あー… またGoogle先生に怒られそうなのでモザイクかけとくね…
包帯というか、帯状の繊維を自在に操って攻撃する感じ。
「つぐもも」の桐葉みたいな攻撃ができるかもしれないな。
男がシャンクス風なのにロキがそこに何も触れないのは、眼を隠されているから・・・でいいのか?
それでもシャンクス本人なら気付きそうなものだ。やはりこの男はシャンクス本人ではないんだろう。
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ロキが云うのを聞く限りでは、ふたりはロキを神の騎士団に勧誘しに来たようで、ロキはそれを「おとといきやがれ」と拒絶。
仕方ないのでグンコが実力行使に出る。
ロキを始末するのはもうひとりの男に止められたので、ロキの幼い頃からのダチだという狼の命を盾に取った。
だがロキは動じない。
戦士なら死に様は潔くあれ。悲しみも怒りもあるが、
この怒りを食らっておれは、世界を滅ぼしてやる!!!
と見事な啖呵を切った。
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ロキは自称「世界を終わらせる太陽の神」。“ニカ”を「すべてを壊した破壊者」と捉えたクチだ。
この怒りも悲しみもエネルギーに替えて、野望を成し遂げる自信があるのか、それとも大言壮語か。
ルフィがいきなり殴りかかってきたときにはビビってたし狼狽えてた。崇高な野望のためなら痛みも苦にならないというわけではない。何かこのふたりがロキを殺せない理由があって、ロキはそれに気づいているんだろう。
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さて、前回ふたりが居た王城に、ルフィたちはこれから向かう。
門番の巨人が倒れているところに出くわせば、ようやくストーリーが動き出しそうだ。
このシャンクス風の男とルフィが出会うと何が起きるのか、楽しみだ。
Comment
なんかいまいちロキと敵対するとは思えないんですよね
北欧神話だとロキは巨人族を率いて神々との最終戦争に臨むわけですが、そっくり当てはまりそうな気がします
北欧神話はあまり詳しくないのですが、確かにこのロキはあまり敵になる気がしませんね。