Cogito, Ergo Sum

我思う故に・・・新館

ONEPIECE 1146 「静中に動あり」

 




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火災を消したジンベエを追ってきたのか、それとも眠らずに活動し続けるコロンの存在を察知したのか、ナミたちの前に姿を現した軍子。

彼らの“ゲーム”は、万端セッティングを済ませた後は飯を食ったり音楽聞いたり居眠りしたりと、余裕の“オートプレイ”を愉しんでいたようにも見えたが、それが強力に阻まれた途端に実力介入とは・・・ それってタチの悪い横紙やぶり、“ゲーム”という視点ではすでに負けてるぜ、あんたら。
「ゲームと任務は別」なのは当然だけど、それならはじめから“ゲーム”とか謳うなってハナシ。



すると、「下々民」と同等の扱いを受けたことに憤慨した軍子が、云わなくていいことまで語りだした。
要約するとこうだ。

世界は、ある日突然消える筈だった。
しかし、それに気づいた一部の人々がそれを告発してしまったため、事態はもう誰にも止めることができなくなった。

世界中を巻き込む“巨大な戦い”まで、秒読み状態なのだ。


その時、巨人族は戦況を左右する戦力となるので、その最先鋒たるエルバフを政府の支配下に置く必要がある。


ここで僕が気になったことは、
世界は「ある日突然消える筈だった」が、こうなってはもう誰にも止められない。という文脈である。

世界はある日突然消える筈だった
ベガパンクの告発から引用すれば「復活した古代兵器によって世界が海に沈む」ことは予定された未来、世界政府の計画だったと考えられる。
だが、告発を受けてもはや止まれなくなったということは、それがなければ決行中止や順延の選択肢もあったということにならないか。

ベガパンクは善悪を論じないし、未確定な推論を垂れ流すこともしなかったので、政府としても直接批判されたわけではなく「そんな事実はない」と言い訳めいた答弁をする機会がない。


ただ、不確実なことを明言しないベガパンクが公言したからには、“ひとつなぎの大秘宝ワンピース”を手に入れた者に世界の運命が委ねられる というのは想定上揺るがない事実なんだろう。
この告発によって、“ひとつなぎの大秘宝”にリーチを掛ける者や一向聴イーシャンテン状態の者が、こぞって次のフェーズへコマを進めるであろうことは疑いがない。

然るに、ほかの未来の選択肢も無いわけではなかったが、もはやそれ一択。しかも一刻の躊躇も許されない状況になってしまった、ということなのだろうな。

思った通り、軍子の能力は敵の攻撃を反らし、自らの攻撃を必中にできた。


コロンは拘束され、麦わらの四人は軍子ひとりに翻弄され霧舟から転落した。空を飛べる能力者はいない。飛べるとしたらゼウスぐらいか。

ほかの二名も動き出していた。


キリンガムはセイウチの学校を制圧して“電語虫”を確保。エルバフ全土に声明を出す準備らしい。

ソマーズはサウロをトゲの付いた棍棒でタコ殴りに。


能力の使い方がクズなだけで、ぶっちゃけると「荊を出す」ただそれだけの能力がそんなに強いのか?と疑問に思うソマーズ。
しかし、とくに子どもたちを庇っている風でもないサウロを一方的に打ちのめしている。こんなのサウロが武装強化してぶん殴ったらイチコロじゃねぇの?と思うんだが、いったいどういうカラクリで強いんだろうか。

子どもたちを救ける切り札として隠れていろとサウロに厳命されたものの、ロビンの心中は穏やかではないはずだ。こいつロビンに背骨折られるの確定じゃね?「酷いことするわ」…

「学校」だとか「図書館」だとか、平和ボケもたいがいにしろ


かつて世界を震撼させた凶暴さで、お前らは政府の傭兵となるんだ。

その計画にハラルド王がしくじった・・・とはいったい?


これまでの僕の推論では、
政府による陰謀でエルバフの弱体化が図られていた。そのエージェントがカルメルであり、彼女の失踪もあって、ハラルド王がその遺志を強く受け継いでしまった。
「略奪より交易」対外的な融和政策の象徴として古代巨人族のプライドである角も取り、時間をかけた説得によって国内の民にも受け入れられた。
そして、それが気に入らないロキと対立した・・・

って感じだったんだが、「平和ボケ」が政府の本意には沿っていなかったとなると、様子がかなり違ってくるな。


いずれにせよ、ハラルドの野郎しくじりやがって… というもの云いから、政府がエルバフの現状を知らなかったことが分かる。
また、ソマーズの言葉からは「約束を破られた」「裏切られた」という強い怒りが感じられ、少なくとも以前はハラルドを信用していたことが伺える。

実際にどう思い行動するかは別として、「ハラルドの死を悼む」という発想がソマーズにあったことからも、ソマーズにとってかつてのハラルドは、少なくとも蔑みの対象ではなかったと僕は思うんだ。

ハラルド王を信用して何かをやらせておいて、8年前にハラルドが死んだことも知っていながら、進捗の確認もせず後継者も置かず、放ったらかした現状に対してその責任を死んだハラルドに問うというのはなんとも酷な話だ。天竜人にとって“下々民”や“蛮族”に道理を通す必要などないのだろうが・・・


ここから導き出される答えは・・・

ハラルドは“神の騎士団”に迎えられていたのではないか、ということ。

今般のロキのように、ハラルドは神の騎士団への勧誘を受け、それを受け入れた。
そして政府と“なんらかの取引き”をし、来たるべき大戦に備えてその“武”を維持することを約束させられたのだ。

ところが途中で(もしくは初めから)政府の真の企みを知り、表向きは対外的に友好をポーズしそのマイナスイメージを祓いながら、陰で爪を研ぎ続けることをせず、次の世代に平和教育を施すことで、政府の意向に逆らい自らエルバフを弱体化へと導いたのではないだろうか。

死に様・死に方を重んじる彼らエルバフにとって、天竜人の手先となって、世界を敵に回し命を散らすくらいなら、伝統も戦士の矜持も捨てる という判断をしたのかもしれない。

これが徹底できていれば、今頃エルバフはかつての栄光だけの腑抜けの集団になっていただろう。
しかし幸か不幸か、100年間に亘り国を離れていたドリブロ船長ズにはその遺志が正しく伝わらなかったため、誇り高き戦士の残り火が僅かながら、しかし力強く残ってしまったのだ。

さてそれでは、ハラルド王とロキの間には、いったい何があったのだろう。


本当に殺意をもって親父を殺したのではないそうだが… 話の続きが聞けるのはいつだろうな。満腹で動けないなら、今のうちに話くらいしとけや
ってか、おまえら誰ひとり陽界の異変に気付かんのかい! エルバフどんだけ広いねん!

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