ONEPIECE 1149「一秒」

駆けつけたギャバンの戦斧がソマーズを傷つけた。
往年ならば一太刀で決着がついていたのか、自身の衰えを実感するギャバンだが、そうも云っていられない。
ソマーズのイバラによる攻守を掻い潜り
ギャバンはそのままコロンのところに向かって走り去り、斬られたソマーズはそのまま自身のイバラに倒れ、突き刺さった。身体はやはり再生しない。
だが、この状況でソマーズが死んでいないことが後に分かる。
確かにロビンを拘束しているイバラもそのままだし、ソマーズ自身の身体がイバラに刺さっているのが、能力が継続しているということだ。
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その頃、アンジェの手によってセイウチの学校に火が点けられた。次いで、キリンガムによってフクロウの図書館にも火が放たれたんだが、
キリンガムのセリフが少し気にかかる。
やれる事がわかりゃ充分…
「政府の意向に従う意思を示した」という事実が確認できたので、続きは迅速に執り行うためにおれがやってやる。という意味かと思ったんだが、「やれる事」が強調されてることから、なにか別の意図があるようにも思えてくる。さてな・・・
ともあれ、図書館の蔵書は結果的に半分くらいが焼け残るんじゃないかと僕は考えている。
あれらの蔵書はフクロウの図書館から持ち出したら人間サイズに戻っちゃうからな。パッと見「本」には見えないかもしれない。誰か、または館長のフクロウの働きで図書館の外に出されているんじゃないだろうか。
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そして、行進する子どもたちの元にギャバンが駆けつけたとき、軍子はギャバンの素性に気づき警戒、だが子どもたちの反応にその“弱み”を瞬時に把握した。
先頭を歩くコロンが「父ちゃん」と喜び勇んで叫んでしまったからである。
即座にコロンを人質に取る軍子
軍子を瞬殺できればまだ間に合う。図書館の火も消せるし子どもたちも救える
ここで軍子を倒さねば事件が拡大、すべてが悪化する
ギャバンはコロンに「ケガ」を我慢させ、軍子を倒すことを考えた。
しかし、コロンが致命傷を負わされるまでにギャバンの攻撃が間に合わないことを予測、また、ソマーズを一撃を倒せなかったことから、軍子をも簡単に倒せないと判断したとも思われるが、何よりも愛する息子が傷つけられることに耐えられなかった。
エルバフに心で詫び、戦斧を投げ捨て降参したギャバンは、軍子の“矢印”に冥界へ射落とされてしまった。
ソマーズへの攻撃を間近で見、不死身の肉体を再生させない謎を解明する死命に駆られたチョッパーがその後を追って飛んだ。
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「子は親の弱点」とは、ルフィとの関係性を尋ねられたドラゴンがくまに語った言葉である。
ドラゴンは、世界政府を敵に回すリーダーとして弱点を晒さないために、愛息にすら自分のことを知らせなかったが、ギャバンにはそこまでの脅威が想定できていなかった。これまで他人のトラブルを楽しめる自由な立場でいたことが災いしたともいえるかもしれない。
または、トラブルに自ら飛び込んでいくロジャーの尻拭いをいちいちしてきた経験から、予めあらゆる事態に神経をとがらせることに鈍感になっていたともいえるだろう。
同じように自由に暮らしながら、海軍本部のほど近くで妻も子も持たず、強い女性とともに生きるレイリーとの違いが浮き出て面白い。
レイリーは耳ざとく、世情の変化にちょくちょく介入してきたもんな。
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そのとき、敗北して落ちていくギャバンを見つめなすすべなく叫ぶコロンの声に、軍子の記憶が反応した。
その瞬間、遅々として進まぬ戦況に苛ついたイム様が・・・
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え、え!? 五老星じゃなくて、いきなりイム様なの!?
どうやら、一気にカタをつけるつもりで親玉が出張ってきたらしい。
神の騎士団の兵らは自分たちを「神」と位置づけ、人間や巨人族に対し明確な「格差」を示していたが、イム様にとってはまだまだ全然生ぬるかったということなのだろう。
騎士団の団長を戻らせてゲーム気取ってた余裕は何だったの!?
聖地マリージョアが火の海だから確実に戦力を必要としているのだ!
と激おこなんだが、聖地では今いったい何が起きているのか。
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革命軍の攻撃でマリージョアは兵糧攻めにあってて、怠惰な世界貴族たちに実害が出はじめている。そしてそれを黒ひげ海賊団も把握している …くらいの認識しか僕にはなかった。
ついさっきエルバフに来たソマーズは、今“聖地”は深刻な事態。“世界会議”以降どうかしてると云っていたが、その言葉からはマリージョアが戦火に包まれるほどの危機感は伝わってこない。
「火の車」ならば経済的困窮の異常事態を指すかもしれないが、「火の海」だと、実際問題マリージョアが襲撃されて“火”が放たれていることを示しているように聞こえるけど・・・たぶんそうじゃないよな。
兵糧攻めにあってるということは、その次の段階がくるのは間違いない。だからその名を聞いただけで敵が恐れおののくレベルの戦力の増強が急務である、この状況が「火の海」なんだろう。
仮に、エルバフの巨人族が今すぐ全員降参したとて、五芒星アビスを潜れない以上すぐさま連れて行けないんだから、もしいま現在マリージョアが襲撃されていてそれに対応する戦力が必要なら、神の騎士団三人を帰還させた方が早い。
しかし、そうなると今回の作戦を半ばで放棄または放置することになり、しかしそれではエルバフは政府への敵対を確実にするだろうし、図書館の文献や子どもたちを保護する対策も取るだろうから、エルバフを従わせるのに「次」はないのだ。
今ここで、さっさと決めてしまわなければならないのに、ソマーズは敗北して身動きできず、軍子は作戦そっちのけで個人的な事の確認に走り出した。
そりゃぁ お前ら何やっとんじゃ!ちょっと見とけ! ってなりますわ・・・。
はてさて、イム様の能力は? その強さは・・・?
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ところで軍子さんよ
コロンの「父ちゃん」コールに、覚えのない記憶が蘇ったようだね。
シルエットと笑い方、当人にも心当たりがあるようなので、ブルックの関係者でほぼ間違いない。
西の海のとある王国の護衛戦団団長だった頃のブルックと手を繋ぐ幼女が軍子なのか、その様子を見ていた近しい立場の人物なのか。「お父さま」と泣き叫んでいるのが軍子本人なのか、それをそばで見ていた者の記憶なのか。そして「お父さま」=「ブルック」なのか。
「海賊になるのが夢」ってことは、ルンバー海賊団に入る前、すなわち52年前より以前のことだ。もちろんラブーンともまだ出会っていないだろう。
ブルックは現在90歳、軍子はどう見ても20代だろ。その年齢のギャップを埋める謎は何だろうか。
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軍子が味方になる展開? ・・・う〜ん・・・可能性無くはないけど、無ェだろ。
たぶん普通の人間の肉体してないよ。
イム様の庇護から離れると、たちどころに死んじゃうんじゃね・・・。